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リエルネールの二人旅  作者: せきち
第4章 魔族の思惑編
57/63

53、アリラ籠城-相対-

光線(ラ・ルーシャ)

「あ」


魔族が脳天に光線を受けて、その場に倒れる。


ここは教会の近く。


「よし、全員殺した」

「さすが師匠」


リーラとレノフは教会近くの建物の陰に隠れながら教会前にいる3人の魔族を殺した。

光の光線で、狙撃をしたのだ。


すごい実力だ。


この教会、結構広くてどこぞの公民館ぐらいはある。


「なんでこんなとこにいるんだぁ?」


杖を下ろすリーラ。


「もしかしたら、ここの中にみんないるかもね」

「だな」


みんなというのはもちろんアリラの領民である。

魔族3人をここに割いているのは、多分この中に領民がいるからだろう。


「レノフ、辺りを気をつけてね」

「まかせろ」


二人は低い姿勢で教会の近くにいく。

そしてゆっくりと扉を開く。


リーラが声を発する。


「みんな、いる?」

「え、誰だ?」


中から声が聞こえる。

そこにはたくさんの人々がいた。


アリラの住民は500人弱。

だけどそこの中にいたのは300人ぐらいだった。


辺りを見渡し、リーラは自身の母を探す。

そして呼びかける。


「お母さん、お母さんいますか?」

「あんた、もしかしてリーラちゃんかい?」


人混みを掻き分け進んでいる時に隣にいたおばさんが聞いてくる。


その方向を振り向くと、リーラの家の近所のおばさんがいた。


「あ、おばさん!良かった元気で」

「あぁ、助けに来てくれたのかい?」

「うん、お母さんってここにいる?」

「あぁいるよ」


おばさんの視線の先には、こちらに向かってくる一人の女がいた。


「お母さん、よかった」

「リーラ、大丈夫だった?」

「もちろん!」


二人は数秒抱き合って離れる。


そして、リーラのお母さん、リエラに問いかける。


「食料とかってどうしてたの?」

「あの、魔族たちが持ってきてて」

「なるほど」


あの魔族たちはディレンの指示で、貯蔵庫から食料を領民に配布していたらしい。

なんでだろ。


「そういえば、魔族がいたのに入れたの?」

「あぁ、全員殺してきた」


一瞬、リエラが固まる。


「殺した?え、本当に?」

「私も強くなったから」

「えぇ、すごいね、リーラ」


両手を合わせて信じられないという顔をするリエラ。

リーラは昔から嘘だけはつかなかったので、ある程度は信じているようだ。


リーラは話を切り上げ、人数の詳細を確認しようと辺りを見渡す。


「一旦、アリラから逃げよう」

「…逃げて、どこに行くの?食料も残り少ないよ」

「…確かに」


多分、この領民たちは人質だ。

なんのためかはわかんないが、食料や水を与えているということはそういうことだろう。  


しばらくうーんと考えるリーラ。

人混みの中からリーラに追いついたレノフはリーラに話しかける。


「師匠、ここにはギルドがあったんだろ。冒険者はいないのか?」

「え、冒険者?」


二人の会話を聞いた人混みの中の一人が首を振る。


「いや、全員魔族を討伐しに行ったけど殺された」

「殺された?」

「あぁ、配給にくる魔族たちにそう知らされた。瞬殺だとよ」


瞬殺。

やっぱり、今アリラにはディレンレベルの魔族もいる。


「…どうする?」

「一旦、お前たちはここから逃げろ。他の魔族にバレたら殺されるぞ」

「他?この3人以外にも魔族がいるの?」

「あぁ」


今度はまた違う領民が二人に話しかけた。


「腹に、黒色の剣を刺した女がいた。目が黒かった」

「魔族は4人以上いるのか」


レノフがそう言って、その領民にもう一度尋ねる。


「その魔族は、どこにいるか知ってるか?」

「え?領主の館だよ。魔族が言っていた」

「…はぁ?」


リーラは急にでかい声を上げる。


領主の館。

そこはベルがむかったところだ。


じゃあ、領主の館に向かったベルは今、魔族と対峙してるのか?


だとしたら、一刻も早く手助けに行かなくては。


リーラは方向転換をして、出口に向かう。

そして後ろに向かって叫ぶ。


レノフにだ。


「レノフ、館に行くぞ、ついてきて!」

「わかっ…」


レノフの返事が途切れる。


轟音。


轟音が教会の中に鳴り響く。


地面を揺らし、もう古くなった教会がガタガタ音を鳴らす。


まるで地震のようだ。


「なんだ、これぇ!?」


領民の一人が叫ぶ。

いろんなことがたくさんに起こって、パニックになっている。


ちなみにこの轟音は、前回の最後の、土の魔族の攻撃がベルの近くの建物に当たった音だ。


叫んだ領民にら呼応するように教会内の領民たちはパニックになる。


ベル不在のリエルネールの二人はその場で立ち止まる。

会話を交わす。


「なんだこれ、師匠」

「知らない!」


そして次の瞬間、


水の光線(ラ・セラ)


詠唱。

先ほどリーラたちが聞いた、あの狙撃の詠唱だ。


上部の屋根が突き抜ける。

そして、水飛沫をあげ真下に衝突する。


先ほどまでリーラとレノフと会話をしていた領民がその魔術に押し潰されて、床に肉片となって散る。


リーラはそれを見て、血がついた自身のローブを見て、思考が停止する。


領民たちも、その血の海をみて一瞬固まる。


「は?」

「きゃあああああああああ!」


我に戻った領民たちの悲鳴。


それに連鎖するように、叫びながら教会の入り口から続々と人々が出ていく。


その様はさらなるパニックを呼んだ。


「…何が」


リーラとレノフは辺りを見渡し固まる。

そして上を見上げる。


そこから、その水の光線があけた天井の穴から、ある一人の魔族が落下してきた。

その魔族には、腹に黒の大剣が刺さっていた。


逆光で姿がよく見えない。


銀色のその髪は重力に逆らいながら落下する。


音を立てて、血の海に着地したその魔族。


キラクトはリーラとレノフの3メートル先にいた。


そして、ゆっくりと顔を上げる水の魔族。

二人の背中にゾッとしたものが走る。


リーラとレノフはそれぞれの杖を構える。


教会に人はいなくなり静まり返った頃、キラクトは声を発した。


「ここの魔族らを殺したのは、あなたたち?」

「さぁ?」


教会の中には殺意と魔力がこもっていた。


〈裏話〉

・今回

この展開は元が悪かったのと、作者が漏れそうな状態で書いているから、話の後半が内容わからんことになってる。


・アリラの領民

アリラ自体はそこまで大きな街ではないのでこの領民の人数は妥当。

妥当って言葉、煽り性能結構高い。

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