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リエルネールの二人旅  作者: せきち
第一章 二人旅編
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4、唐突なタイトル回収

「この街出よう」


リーラは、宿の一階でベルに話していた。


「えなんで」

「ここの物価が高いからです」


そう、この街は騎士学校と魔法学校の両方がある。ファンタジーゲームでいう、始まりの街である。

装備やら武器やらなんやら、と買うものも多くなって、それに伴い需要も高くなる。

よって、物価が高くなるのだ。リーラが買った杖も25000ヘルトだった。昨日のクエスト報奨金より高い。

あと、ここの宿代も高い。正直それがでかい。

おまけに始まりの街ゆえに、出てくる魔獣が弱いやつばっかりなのだ。

報酬金も少ない。

これらのことをベルに熱弁したリーラ。


「今はとにかく実践経験を積まないといけないのです」

「はぁ」


気のない返事をしたベルは、どこか納得がいっていないようにしていた。

下級とはいえ、騎士の家に生まれたベルはどちらかというとインドア体質のようだった。


「目的地はどこ?」


よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりにリーラは高々と拳を天井へ振りかざし、


「私の故郷、リレーシャです!」


リレーシャ。レンテ街はリロフと呼ばれる国に位置する大きな街だ。

そのリロフの隣の隣の国がリレーシャと呼ばれる国である。自然豊かな海に面した、いわゆる田舎である。

ベルの返事を待たずに、リーラは意気揚々と席から立ち上がった。


「そうと決まったら!」


最初に冒険者ギルドへ向かい定住地の記名をなくしてもらい、お店で食材を買い漁ったところで、ベルが言った。


「ちょっと俺、アーリエに別れの挨拶しないと」


アーリエとはベルの彼女である。騎士学校の後輩なので、しばらくは会えない。


「あ、あぁそうね」


今更ながら、リーラはなんだか悪いことをしたという感情が出てきた。

こんなの実質、男が欲しいがために、旅に誘い彼女と別れさせ、ランデブーかまそうとしている悪女としていること同じである。


しゅんと反省して待っていたリーラのところに少ししてベルが戻ってきた。


「彼女さん、なんて?」

「旅、頑張ってだって」


意外とあっさりしているのか、この男が色々はしょっているのかがわからないから反応に困る。


「遠距離恋愛がどーたらこーたら言ってた。」


そこが気になるのだが、まあいいとしよう。


「じゃあ、いこう」


満を持して二人はレンテの外へ飛び出した。


「なんか、急じゃない?」


今更な不平を漏らしたベルの言葉を遮るようにリーラは言った。きっともっと彼女といたかったのだろう。


「これからはクエストじゃなくて、その街ごとの依頼をこなしていこう」

「聞いてた?」


その日の夜だった。

リーラの火魔術で枯れ木を燃やし焚き火を作り、草むらの上で二人は横になった。

ここまでの道中、ウォルフに二回襲われた。

さらにはウォルフの上位補完、緑色の毛皮が特徴のDランク魔獣、ハイウォルフとも戦闘した。

アルファベットが一つ違うだけで段違いの強さだ。

ベルの攻撃も一回避けられたし、リーラの光線も飛びかわされたりした。


「魔術ってさ」


ベルがリーラに問いかける。


「適性のやつしか使えないんじゃないの?」


ベルは飲み屋でリーラから自分の適性は二つだと聞いている。風と光である。

しかし、今日のウォルフとの戦いでは、炎の渦を巻き起こしたり、土魔術で作った瓦礫を飛ばしたり、色々な戦法を繰り広げていた。

ましてや光の光線。あのビームの特性で特定の物質に反射するらしい。


「…魔術にはね、それぞれなんとなくの解釈があって」


リーラがいうに、魔術はそれぞれ五つの種類で、

火の魔術は生粋の後衛。

水はなんでもできる万能として扱われる。

土は臨機応変が得意なので近接向け。

光は、治癒が使えるので回復役や光線で立ち回るれる万能な後衛。

光線が反射していた原理は、光線を出すときにその術式の構成を少しいじっているのだ。

普通の光線はただまっすぐ飛ぶだけらしい。そもそもあんなに速く飛ばないらしい。

そして、


「風は、この全ての属性に対してバフみたいなのをかけられるんだよ」

「へぇ」


少量の火でも風を使えば大きな炎にできるし、土も威力が格段に上がる。水を使えば暴風雨も起こせるのだ。

ベルが深く頷いた。どうやら自分が思っていたより、魔術は奥が深いらしい。


そして、恐ろしいのは水属性と土属性。これらの術式をいじれば、硬さはもちろん。

土は壁のような形にしたあと、そこから槍を突き出させることもできるのだ。

また、水属性は土より応用が効くので、本当になんでもできる。

火属性は割と不遇らしい。が、一番応用が効くと言われる水属性へ対しては無双できる。

なぜなら、いくらでも蒸発ができるからだ。

 ちなみにこの世界は剣士について説明することが少ない。なぜなら、剣のふりについて解説し出すとキリがないからだ。


「明日は国境を超えて、ライレを目指そう」

「そこら辺の街で宿とるぞ」


ライレとは、リロフの隣国で割と田舎っぽさがある国の名前である。

ライレは他の国に比べリロフの次に魔術が発展していることでも有名だ。


明日は布団で寝れる、とベルとリーラは自分に言い聞かせながら、固い地面の下で眠りについた。

今回の話は少し強引すぎたかもしれない。反省。


〈裏話〉

•混合魔術の技名

リーラの使っていた炎の渦のように二つ以上の魔法を組み合わせる魔法を混合魔術といい、それぞれ名称がつけられている。

風の渦リ・ラーム

炎の渦ル・ワーム

土の渦シラ・ローム

水の渦スト・ルーム

光の渦ラ・ナーム

風を使った混合魔法の語尾は必ず「ーム」になっている。

あと光線とバリアにも名前はある。

光線(ラ・ルーシャ)

防護ラ・クト

治癒ラ・レイ


•魔獣と魔族と魔人

魔獣は動物の姿をしているやつ。Bランク以上だと一つの属性の魔術を操れる。

特徴は凶暴な動物。


魔族は人間の姿をしている魔獣。男女比は3:7。

言葉を話せて、一つの属性の魔術を操れる。

冒険者ギルドで討伐依頼を出されることはほとんどない。強すぎるから。

特徴は、目の全てが黒いこと。白目のところが黒く染まっているのだ。


魔人は魔族が人間の体を乗っ取った姿。

乗っ取る方法は不明だが、主に死体を操る。

特徴はほとんど人間と同じ。

英雄暦が始まってからまだ4人(もしくは4体)しか発見されていない。

理系。

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