37、まるで太陽
「いたいたいた!」
リエルネールは走る。
リーラが指差す先には火の魔族、アライムと戦闘をしている、アルフエルクとサリラーズがいた。
ついさっき光の魔人、フラルが参戦して、戦況は悪い。
「おっけ、俺が最初切りかかる」
「んじゃ私、光線で援護する」
ベルが剣を振りかぶり、飛びかかる。
リーラも杖を構える。
「おらぁっ!」
高い金属音と共に、アライムのベルの剣がぶつかる。
アライムが無表情で口を開く。
「お前、生きてたのか」
「おかげさまで」
アライムがベルを振り払い、地面に着地。
ベルは姿勢を低くする。
「光線」
「防護」
リーラの光線がアライムの眼前に迫ったが、フラルの防護がそれを阻止する。
アライムの背後には、フラルがいた。
「あいつには気をつけてっていったでしょ」
「あぁ、次は気をつける」
アライムは右手に剣を、左手に魔術をだして、人間に振り向く。
ベルの隣に来た、アルフエルクの、アルフが話しかける。
「ベル、遅い」
「ちょっとね、戦闘してた」
「そうかい」
2人の剣先は魔族のアライムを狙っていた。
だが、踏み出さない。
また、魔術を喰らう羽目になる。
「状況は?」
サリラーズの剣士の1人、アオリがベルの問いに答える。
「うちの、もう1人の剣士とアルフんとこの盾役が死んだ。他は大丈夫だ」
「…そうか」
ベルが小さく頷く。
現在生存者、7名。
3人の魔術師がまだ全員生きているのはでかい。
リーラが魔術師2人、カルラとエルクに話しかける。
「私たちのパーティがフラルを相手にするから、水適性の人いる?」
「私、適性」
そう返事したのはサリラーズの女魔術師、カルラだった。
リーラが頷く。
「じゃあ、カルラが火の魔族の魔術を無効化して。その間に剣士がやってくれる」
「ちょっと、聞きたいことが」
エルクがリーラに問う。
「あの、聖女ってなんなの?」
「光の魔人」
「了解」
3人各自に散る。
リーラはベルを引き連れ、フラルを襲う。
「あらら、また?」
「リベンジってことで」
ベルの剣を躱し、後ろに下がる魔人。
「雨雲」
一方、カルラは、杖を上に向け、雨を降らしていた。
これなら、アライムの火の魔術は無効化できる。
それを見た剣士たちがすかさず切りかかる。
「そう来たか」
アライムが少し口角を上げる。
両手で剣を掴む。
一番手は、アルフ。
しかし、うまいところに刃先を流され、空中に放り出される。受け身をとり、着地する。
「土の棘」
その、無防備は脇腹をエルクの土の棘は襲った。
脇腹は抉れ、回復させる隙は与えまいと別パーティのアオリが襲う。
はっと気づいたアルフは叫ぶ。
「ダメだ!」
そのまま、振り落とした剣はアオリを一閃。
サリラーズの剣士は全滅した。
「くそっ…!」
同じパーティのメンバー、カルラはその場で地団駄を踏む。
足元の草が濡れた土でぐしゃぐしょになる。
魔族、アライムの腹の傷は全快し、何を思ったのか、左手を空中に向ける。
「焔の球」
それは、とてつもなく大きな焔の球だった。
雨も蒸発するぐらいの大きな球体。
まるで、太陽のようだ。
「嘘だろ」
「カルラ!雨はいい!逃げろ!」
全員は後ろに下がる。
これに巻き込まれたら、即死だ。
アライムの左手が、勢いよく振り落とされる。
爆発音と共に地面が抉れ、アルフ、エルク、カルラ、エンネの4人の視界は橙色で覆われた。
〈裏話〉
・アライム
いつも割と無表情。だけど、結構脳筋
・エンネ
エンネのセリフはまだないが、前衛なきサリラーズの回復役である。
適性は、光と水。
ツーブロックとはどんな髪型のことなのかわからない
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