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リエルネールの二人旅  作者: せきち
第三章 魔族と魔人編
37/63

34、「よろしくお願いします!」

「はい、魔族一体討伐してますね、オッケーでーす」

「はーい」


受付カウンターの前。

討伐履歴を見れる羽根ペン魔道具を使用したリーラ。

受付嬢が記入された紙の内容を確認して、頷く。

そして、2人に冒険者カードを返して、忠告をする。


「現在、3つのパーティがこの依頼に参加してます。合計9名ですね」

「へぇ」

「この依頼の集合地点は、2日後のこの街の城門前です。先導は雇った回復役がするので、お忘れないように」

「わかりました」


受付嬢の長い忠告に頷くベルとリーラ。


ちなみに、9名と言うのは、4人パーティと3人パーティとリエルネールの2人である。


冒険者ギルドをさり、2人は宿に向かっていた。


「なんか、9人もいると案外簡単かもね」

「油断はダメさね」

「だねえ」


宿につき、2人はこの二日間のお金について話し合う。

ギルドにおいて、他の依頼を受けているときに、新しい依頼を受けるのは違法なので、冒険者ギルドで稼ぐことは無理だ。

まあ、ここはある程度物価が低いので最悪どうにかなるだろう。


「冒険者ギルドから、お金引き出す?」

「いやぁ、あれはもしもの為のだから」


もう一度言うが、冒険者ギルドは銀行の役割も兼ねている。

現在のリエルネールの残高は、金貨二十枚。20,000ヘルトである。


では、やはり街の人々の個人依頼を受けるしかない。

2人は再び、宿を出てエナフの住宅街を回った。


しかし、すぐに後悔した。

個人依頼は直接依頼がないか聞きに行かないといけない。田舎とは違い、人も家も多い。


迷惑になりたくもないし、どうしようか。

とりあえず、そこらへんで遊んでいる子供達に話しかけることにした。

子供受けがいいベルがその4人の子供達に聞く。

ベルがしゃがみ、子供と視線を合わせる。


「ごめんね、ここら辺で冒険者の依頼を受けてくれそうな人知らない?」 

「んー、知らない!」

「いや、アヤラのおばちゃんなら依頼受けてくれるよ!」

「アヤラのおばちゃんってね、とっても忙しそうにしてるの!」

「独り身なの!」


情報が一気に入ってきた。

アヤラのおばちゃんと言う人が、依頼を受けてくれるかもしれないらしい。

独り身だから、忙しいと言うことだろうか。


「…そのおばちゃんの家ってどこにあるか知ってる?」

「こっちこっち!」

「ついてきて!」


子供に急かされ、ベルが歩きその後ろをついていくリーラ。

レンガ造りの通りを歩き、5分が経つ。


「あれあれ!」

「あれ?」


子供たちが指を刺す先には、一軒の小さな家があった。


「じゃ、僕たち帰るね!」

「ばいばーい」

「はい、ばいばーい」


ベルが子供達に手を振り、正面にある扉に目を向ける。


ベルは右手を突き出し、扉をコンコン叩く。


「すみませーん、依頼ありませんか?」

「誰だい?」


声がする。おばちゃんと言うより、おばあちゃんの声だ。

扉が開かれる。ベルより少し身長が低い白髪のおばあちゃんがそこにはいた。


「依頼を受けさせてくれる人を探してまして」

「あぁ、ちょうどいい。いま薪割りしてくれる人を探してたんだよ。入ってくれ」

「お邪魔しまーす」


その部屋は、本や空のコップやらで散らかっていた。

おばあちゃんが微笑み、ベルに振り向く。


「すまんね、汚くて」

「ああ、いえ」

「じゃあ、裏庭にある薪を全部割ってくれ。5000ヘルト出すよ」

「わかりました」


報酬が多い。

木こりの斧を受け取り、にやけ顔でベルは裏庭へと消えていった。

それを見届けて、おばあちゃんはリーラに振り向く。


「さて、あんたにゃ何してもらおうかね」

「…この部屋掃除しましょうか?」

「おぉ、いいのかい?ありがとうねえ!」


それから1時間後。

ベルがへとへとで裏庭から帰ってきた。

本人曰く、毎日使ってても冬まで保つ量の薪を割っていたそうな。


リーラは雑巾でおばあちゃんと共に部屋をきれいにしていた。

今更だが、リーラは綺麗好きである。


「んじゃ、これが報酬だよ」

「ありがとう、アヤラおばあちゃん」


リーラが親しげにおばあちゃんに別れの挨拶をする。

掃除をしている中で仲良くなったそう。

金貨五枚を荷物にしまい、2人は宿に戻った。


「これで、あしたは依頼受けなくてよくなったな」

「子供達さまさまだね」


2人がニヤニヤ笑っている。

いつの時代も休みと言うのは至福の時間なのだ。


そして、2日後の朝。

2人は城門前にたどり着く。

少し、小走り。

ちょっと、遅刻してしまった。


そこには、自分たち以外に二組のパーティがいた。


そして、その真ん中には、金髪の女がいた。

この人が先導の回復役だろうか。


「さて、全員集まりましたかね」


長い金髪を揺らして、回復役の人はみんなを見回す。


「私の名前は、フラルです。今回の先導役ですね」


にっこりと女は笑う。


「今日は、よろしくお願いします!」


無駄に、元気がよかった。


〈裏話〉

・リーラ

リーラは可愛い顔がいいのか、かっこいい顔がいいのか、悩ましい。


・オール家

アネルは現在、カルネルに遠征しにいっている。

家にある観葉植物が俺より背が高い。

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