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リエルネールの二人旅  作者: せきち
第二章 黒のローブと賢者編
26/63

24、王都カルネルにて

レノフは二人にことの経緯と、この魔術を知った経緯を話した。レノフが夢の中で見ていたことだ。

あと、この事件から二人に会うまでの数日間は、見えない魔術を自発的にいつでも打てるように特訓していたらしい。


話を聞き終わったリーラは色々な感情のせいで、泣いていた。

ベルは、静かにレノフの頭を撫でる。しかし、手を跳ね除けられた。


「俺の目標は、魔術協会を潰すことだ」


それを聞いた二人は、互いに顔を合わせていた。


「えぇ、まじか」

「それは、まぁ随分大きい夢を持ったんだねぇ」


二人の反応は、意外と控えめだった。

当たり前だ。魔術協会ともなると、ここ100年ちょっとの魔術のほぼ全ての教育を支援している、とても重要な役割の教会だ。

簡単にぶち壊せるもんじゃないし、警備だっってとんでもないのだろう。

ちなみに魔術教会は、レンテ魔法学校も経営している。


「まあ、とりあえず今日は寝よう」


ベルが持ち前の切り替えの速さを活かして、地べたに寝転び、眠りについた。

リーラも、眠ろうと、横になる。


「レノフも、早く寝ろよ」

「俺、さっきまで寝てたから寝れん」

「そ、じゃあ見張り番を頼む」


子供相手に容赦がない師匠。


「……ふぅ」


ため息をついたレノフ。

一瞬で眠りについた二人を尻目に、レノフは焚き火をじっと見ていた。

じっくり炎を見るなんて、いつぶりだろうか。


「…孤児院かぁ…」


いつの間にか、レノフは眠ってしまっていた。

次の日、

3人は歩いていた。


「この魔術、見えない魔術シャ・ラームの発動条件は、多分ストレスとかだと思う」

「…そうなの?」

「わかんない、まだ10回も使ったことない」

「じゃあ、レノフ怒らしたら、死ぬじゃん」

「だな」


二人はさりげなくレノフから少し距離を離す。


「怒るぞ」


そういうと、二人は先ほどの位置に戻った。

それから、少ししたあと、


「…レノフって、まだ子供なんだなぁ」

「どういうことだ?師匠」

「いや、私がレノフの歳の時は、まだ魔術の訓練をしてたから、偉いなぁって」

「…お世辞か?」

「そんなわけないだろ?」


リーラは笑った。

つられて、レノフも笑った。


それから、二週間が経った。少し、夏の暑さが見え隠れしてきた頃。


「ようやく…つきましたよ」

「でっけぇ…」


3人の前にあったのは、巨大な城壁に囲まれた、王都カルネルだった。

城門からの人の出入りも激しく、いかにも栄えている国って感じだった。


「新国王のパレードまで、まだ五日あるぞ」

「んじゃ、その間に海を見にいくかぁ…」


3人はとても長い、城門での検問を抜け、初めての王都へ足を踏み入れた。


「すげぇ…」


城門を抜けた先には、市場が広がっている。

そこまでなら、レンテと同じだが、圧倒的に、カルネルの方が大きい。

大通りの横幅も500メートルぐらいあるし、何よりそこら一帯に人が溢れえっている。


田舎の人が初めて都会に来たような、とてつもない衝撃が走る。


「じゃあ、海の方向の南門に行くぞ」

「わかった、レノフ、おいてかれないようにな」

「魔力の位置がわかるから、大丈夫だ」

「あっそ」


3人がそんな会話をしている中、北門の城壁の内側の監視塔に2人の男女がいた。

二人は椅子に座り、テーブルで向かい合っていた。


「んでパレードは五日後なんだって?」

「らしいねぇ」


女が相槌をする。

目が黒い。こいつら、魔族だ。

しかも、男の方はヴィアルムだ。


もう一人、魔族の男が監視塔の扉を開け、に入ってきた。


「警備、全員殺してきたぞ」

「おう、サンキュ」


ヴィアルムは自分の隣の椅子を叩き、男がここに座るよう暗示する。


「で、あの人はどうする気だ?こんな治安警備隊が多そうな国に呼んで」

「ん、じゃあ、先に話のすり合わせをするか」


会話が、本当に人間みたいだ。

3人とも椅子に座ったのを確認し、テーブルに乗り出すヴィアルム。


「まず、ヴァーテが死んだ」

「…本当か?それは」


返事をしたのは隣に座っている男の魔族だった。


「あいつは、少なくとも500年は生きている。そんな簡単に死ぬやつじゃないはずだ」

「二人組のパーティーだそうだ」


ヴィアルムが返答をせずに、言葉を続ける。

再び、空気が凍った。



「たったの、二人組のパーティーに…バカみてぇだ」

「そいつは、勇者パーティーか?」


そう聞いたのは女の魔族だった。

ヴィアルムは被りを振る。


「違う、ただの野良パーティーだ」

「…嘘は言ってないよな?」

「あの人が言ってるんだ。俺は信じるしかないよ」

「…私は、あの人のことが嫌いだ」

「大丈夫、俺もだよ」


話を切り替えよう、とヴィアルムは一度手を叩く。

熱くなった空気が一瞬で消え失せた。


「さて、今回の作戦には、俺らの他にも10人の魔族が参加する。あの人も、もちろんいる」

「あぁ」


ヴィアルムが立ち上がったのを見て、二人の魔族は立ち上がる。

ヴィアルムが男の魔族に目を向ける。


「土の魔族、ディレン」


女の魔族の方を向く。


「風の魔族、フェリオン」


そして、自分の胸に手を当てる。


「火の魔族、ヴィアルム、3人に、任務を授ける」

「「了解した」」


そのあと、人の足音が聞こえた。

先ほどの警備の追手だろうか。


「んじゃ、解散ってことで、フェリオン」

「……はぁ」


ヴィアルムが風の魔族、フェリオンに視線を向ける。


竜巻ア・カルフル


石造の、監視塔の壁が破壊された。

圧倒的な魔力の風が巻き起こり、街の外へ通じた。

3人は宙に浮かび、顔を合わせる。


「んじゃ、また五日後」

「わかった」


その時、先ほどまで3人がいた監視塔の一室から警備隊が現れた。

ほとんどが剣士のようで、空に浮かぶ魔族に対し、何もなす術がない。

ヴィアルムがそこに手を向ける。


焔の手フ・ラルド


監視塔が、燃える。

発火剤も何もないのに、移るように燃え広がる。

悲鳴が響いた。


「じゃ、また4日後に」


ヴィアルムはもうどこかへ行った、見えない二人の魔族に返事をして、自分も去っていった。


〈裏話〉

•覚えにくくなってきた

カタカナの名前が増えて、作者も名前覚えんのが面倒くさくなってきた。

だから、魔族の場合だけ、毎回とまではいかないけど、

風の魔族、フェリオンとかそう言う感じの説明する。


•今回出てきた3人の魔族の細かい設定

ヴィアルムは白いローブをした白目の肌に黒髪の直毛の男。イケメンなら、なおよし。


ディレンは重々しい服をした、褐色っぽい肌の色に、黒い直毛。顔はなんでもいいけど縦長がよし。


フェリオンは人間が来ているようなワンピースをきた、白目の肌に、白色の髪のセミロング。顔は可愛い方がいい。

意外と家から海が近い。

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