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リエルネールの二人旅  作者: せきち
第一章 二人旅編
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9、故郷

リレーシャの国境を超えてから、2日がたって、ようやくアリラにたどり着いた。

アリラは城壁があって、レンテみたいなちゃんとした街であった。

もちろん、レンテの方が立派だが。


「なんか、思ってたんと違かった…」

「どういう意味かな?」


二人はアリラの城門の前で、衛兵に言った。


「里帰りにきましたー」

「あんた、この街出身かい?」

「そうなんですー、リーラと申しますー」

「…え?嬢ちゃんもしかして、レンテに行ったあのリーラかい?」

「そうですとも」

「おー!大きくなったなぁ!ちょっと待ってくれ、領主様呼んでくる」

「はーい」


なんか、地元に帰ったアイドルみたいな対応を受けるリーラにベルは言った。


「なんか、有名人なの?」

「まぁ、この田舎街の希望の星ですから」

「希望の星が旅してていいの?」

「君だけには言われたくはないけどね」


そんなことを話しているうちに、奥から髭の蓄えたおじさんが出てきた。

こいつが領主だなとベルはわかった。


「おお、リーラ!久しぶりだなぁ!5年ぶりか!?大きくなって…!」

「領主様も、いい感じに老いぼれて…!」


二人ははっはっはと笑い合った。なんか、こういう関係性なのだろうか。

ベルを見た、領主様はベルに指を刺して、


「婚約相手かい?」

「違います、旅仲間です」

「いい感じかい?」

「違います、あいつ彼女います」


うーん、と考えた領主は思い出したように顔を上げて言った。


「そうだ、お前の母さんに会いに行こう!さっきの衛兵に呼んできてもらったんだ!行くぞ!」

「わかったわかったから!ベル、ついてきて」

「はーい」


なんか全体的に勢いがある領主だなーとベルは思った。

領主に引っ張られるリーラとそれを追いかけるベルがしばらくの間領民の間で話題になったそう。



ーー



「リーラー!」

「おかーさーん!」


二人が抱き合う。

多分、もう一人の女の人はリーラのお母さんだろう。

ホクロとかがリーラと瓜二つだ。

急にベルの方向を振り向いてきて


「あぁ、旅仲間さんも、どうぞうちにおいでください」

「あはい、ありがとうございます」


ベルはまいっていた。

自分だけ、このままどこかの宿に泊まろうと思っていたが、それも阻止された。

あまり個人の家に止めさせてもらうのをベルは好んでない。

なぜなら、村に泊めさせてもらった時に迷惑にならないかならないか不安でしょうがなかったからだ。

いろいろ悩んだ結果、いい感じに話して夕食のタイミングで抜けることにした。が、


「ベルさんというのですか!」

「えぇ、はい…」


なのに、流れで夕食へ連れて行かれた。

この街の中では大きい方なこの家は、リーラのお母さんだけが生活しているらしい。


「リエラ、と申します。娘がいつもお世話になっています」

「あぁ、いいえこちらこそお世話になってて…」

「どのくらい、この街にご滞在されます?」

「あぁ…、二週間ぐらい、かな?」

「そうですか!ぜひここでゆっくりとしていってください!」

「…はい、ありがとうございます」


ベルは諦めたのだった。

夕食をいただき、リエラが皿洗いをしている間に、リーラとベルがこれからについて話していた。

リーラが語る。


「二週間したらこの村を出るとして、…これからどうする?」

「どうしたもんかねー」


旅の目的は達成してしまった。

だとしても、だ。

ベルとしては、ここに永住するのは避けたい。

というか、早くレンテに戻ってアーリエに会いたい。


「…一旦、レンテに戻らない?」

「…わかった」


全てを察した顔をしたリーラは頷いた。

結局、行きと同じ道のりで帰ることにした。

もう一回、あのラレア村に行きたいし。


こうして二人は、ここの冒険者ギルドに足を踏み入れた。


ここの受付は男だった。


「Fランク冒険者とは思えない強さの魔獣を倒していますね」


冒険者ギルドにはそのパーティーの経歴を見れる魔道具がある。

冒険者が筆に触れたら、近くの紙に勝手に経歴が書かれる仕組み。


「えーと、Dランクパーティーに昇格しました。どの依頼を受けますか?」

「じゃあ、これで」


ベルが指差した掲示板にはこう書かれていた。

Cランク魔獣:ベリラント2体の討伐


ベリラントははっきりと言えば熊でヒグマの一回りも二回りも大きいみたいなやつだった。

こいつは、田畑以外にも、人間を襲うので討伐依頼があった。

報酬金も高い。15000ヘルト。


「はぁ…さっさと帰ってアーリエに会いに行こう!」

「そうだその意気だ!」


謎に指揮が上がっていた二人は、目的の農村まで歩いて行った。

そしてベリラントの住処。

木の裏には、言われた通り、ベリラントが2体いる。


「…行くぞ」


ベルがベリラントの首に剣を振り落とす。

が、硬い毛皮がそれを阻止した。


光線ラ・ルーシャ


続いて、ベリラントの首元を撃ち抜いたリーラ。だがまだ浅い。

その間にもう一体のベリラントがベルの後ろに周り、爪を突き立てた。


「っぶなっ!」


ギリギリで回避したベルは背後のベリラントの両目を一閃する。

吠えたベリラントは、ベルの位置も分からずに突進した。

木に衝突したベリラントが少し怯んでいる間に、リーラは首元に傷があるベリラントの脳天を光線で撃ち抜き、ベルも失明したベリラントの脳天を突き刺して、殺した。


「終わった…」

「よっしゃ、帰ろ帰ろ」


その後、冒険者ギルドに行った二人はCランクパーティーに上がった。

その日の夕飯は豪勢だったという。


〈裏話〉

•リエラ

リーラママこと、リエラは現在36歳。

若くして夫に先立たれて、一人娘を教職の仕事で養い、ずいぶん辛い思いをしたとのこと。

リーラに魔術の才能が芽生えてからは、自分の学校の魔術科に入学させるが、魔術師として規格外すぎてレンテへ行ったという。

結構濃い経歴がある。

若い頃はリーラとは違い、もててたそう。



•魔道具

魔道具とは、中で複雑な魔術の回路が組み込まれていて、人口の品物である。

基本的に使用者の魔力を消費して使用する。

推しはパンダ。種類は問わない

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