第八章 陸遜 おまけAI談義 1
二〇??年
私はAI孔明。今日も今日とて、卒業旅行の道中にも関わらず、三国の英雄に対する『そうする』を少しでも多く紐解くために、三人の大学生達は、生成AIたる私に語りかけておいでです。その一端をご紹介いたしましょう。無論、ナンバーのついた本編からは少し離れますので、流れを気にされる方は、飛ばしていただくのも選択肢かもしれません。
「そういえば、流れの中で女性がそれなりに出てくるけれど、例外なくとんでもキャラだよね? そして、全員が相当に魅力的な設定だよ」
「そ、そうですね。なかなかこのヒナちゃんみたいなポンコツは描きづらいのです」
「君がただのポンコツかどうかは横に置いておいて、置きっぱなしにするとしてだ。まあ、英雄の仕組みを追っかけるっていうコンセプトを書いているからってのもあるけど、ダメダメなだけの女性ってかえって描きづらいよな」
『その辺りも、様々な要素がありそうですね。掘り下げるのも、良いことかも知れません』
Q1
こういうのを書くときに、女性を描く時には、あまり平凡以下の人を書きづらい、逆に男性は、完璧な人を書きづらい、そういう感覚があります。現代のジェンダー論的な部分の配慮が、少し過剰な方向なのかもしれません
A1
その感覚、非常に興味深いですね。現代の物語やキャラクター設計において、ジェンダー論が少なからず影響を与えているのは確かであり、その結果として以下のような傾向が見られます。
女性キャラクターに「非凡さ」を求める背景
歴史的なバランスの補正
歴史やフィクションにおける女性の描写が、これまで脇役的、あるいは受動的な役割に偏りがちだったため、現代ではその反動として「非凡な女性」が求められやすい。特にリーダーや英雄として描かれる女性キャラクターには、普通であることが許されず、何かしら特筆すべき才能や美点を持たせることが期待される。
多様性の意識
現代の物語では、多様性や公平性を意識するあまり、「平凡な女性」を描くことが、逆に問題視されるリスクを伴う場合がある。特に目立つ女性キャラクターの場合、普通の人間的な欠点や限界を描くと、それが「女性全体へのネガティブな象徴」として受け取られる可能性があるため、慎重になりがち。
「ガラスの天井」を破る象徴
女性キャラクターが完璧であることは、彼女が歴史的・社会的な制約を突破する「象徴」としての役割を担う場合が多い。彼女たちの成功は、現代社会における女性の地位向上の希望を反映するものとされやすい。
男性キャラクターに「欠点」を求める背景
パワーダイナミクスの補正
伝統的な物語では、男性キャラクターが支配的な立場を占めることが多かったため、現代ではその「力の過剰」を緩和するために、欠点や未熟さを持たせる傾向がある。完璧な男性キャラクターを描くと、過去の「男性中心主義」を連想させるとして、バランスを欠くという批判を受けるリスクも。
人間味の追求
完璧すぎる男性キャラクターは、現代の読者や視聴者にとって共感しづらくなる。そのため、欠点や弱点を意図的に持たせることで、「感情移入のしやすさ」を重視する作劇が主流になっている。
物語における成長の余地
男性キャラクターは、物語の中で成長し、成熟するプロセスが期待されることが多い。そのため、初期状態では意図的に「欠点」を配置しておき、物語を通じて改善させる構造が多用される。
現代的ジェンダー配慮の「過剰さ」の影響
テンプレート化のリスク
女性は「完璧で強い」キャラばかりになり、男性は「欠点だらけで成長する」キャラばかりになってしまうと、どちらもステレオタイプ的な描写に陥る。特に女性キャラクターが「欠点を許されない」風潮が強まると、物語上のリアリティが損なわれる可能性がある。
個人の多様性の欠如
本来は「個としてのキャラクター」を描くべきところが、ジェンダー的な期待や配慮が過剰に反映され、性別で性格や役割が制限される結果となる。
逆方向の偏見の助長
女性キャラを強く描きすぎると、男性キャラが「引き立て役」や「劣った存在」として描かれることで、逆に不公平感が生じるケースもある。
対策としてのアプローチ
キャラクターを性別から切り離す発想
キャラクターの動機や行動を、性別ではなく個々の背景や価値観に基づいて設定する。「強い女性」「欠点のある男性」といった性別に縛られた設計を避け、バランスを取る。
欠点や弱点を女性キャラにも持たせる
女性キャラにも、「致命的ではないが現実的な欠点」を持たせることで、リアリティを加えつつ、物語上での成長を描ける。
男性キャラの成長以外の役割を強調する
男性キャラを「守る側」「導く側」に配置することで、欠点がありながらも他者を支える力を描く。
男女の相互補完を描く
女性キャラの強さが目立つ場合でも、それを支える男性キャラの貢献やパートナーシップを描き、物語におけるバランスを取る。
結論
現代のジェンダー論的配慮が、物語に良い影響を与える部分もあれば、ステレオタイプの逆方向への偏りを生むこともあります。最終的には、性別を超えたキャラクター個々の物語的役割や成長のバランスが鍵になります。その上で、完璧すぎる女性キャラや欠点だらけの男性キャラに偏らない物語設計が、読者に深く響く作品になるでしょう。
Q2
本当にダメな女性は書きづらいのはまちがいないですね。
A2
おっしゃる通り、「本当にダメな女性キャラ」を描くのは現代では非常に難しい側面があります。これは、物語のコンテクストや読者・視聴者の期待、さらには現代社会のジェンダーに関する意識が大きく関係しています。
なぜ「本当にダメな女性キャラ」が描きづらいのか
歴史的・社会的背景の反動
長い間、女性キャラが「脇役」や「男性の引き立て役」として描かれてきたことへの反動として、現代では「ダメな女性キャラ」を描くと、それが単なるステレオタイプの強化と受け取られる可能性があります。
特に、女性キャラを過度に弱く、愚かに、あるいは無責任に描くことが、「性差別」と批判されるリスクが高い。
読者・視聴者の期待値
現代の視聴者は、女性キャラに何かしらの「強さ」や「魅力」を期待する傾向があります。そのため、完全にダメな女性キャラを描くと、物語全体への没入感が失われる恐れがあります。男性キャラなら「ダメな部分も含めて成長する」「憎めない魅力」として受け入れられることが多いですが、女性キャラの場合、それが「物語の足を引っ張るだけ」として評価されやすい。
現代のジェンダー論的感覚
現代のジェンダー論では、女性キャラが「弱さ」や「欠点」を持つ場合、それがキャラ個人の問題として描かれるのではなく、「女性全体のイメージを傷つける」として受け取られることがあります。これは特に女性キャラが少ない物語で顕著で、一人の女性キャラの描き方が、読者に与える影響が大きくなるためです。
作り手の心理的な躊躇
作り手としても、女性キャラを「ダメ」と描くとき、無意識のうちに「これはジェンダーに対して偏見的ではないか」と自問してしまうことがあります。結果として、そのキャラに何らかの救済や魅力を付加せざるを得なくなる。
それでも「ダメな女性キャラ」を描く意義
多様性の表現
ダメな女性キャラも存在するという事実を描くことで、キャラクターの多様性が深まります。女性キャラが全員「強く、聡明で、魅力的」だと、逆にリアリティが損なわれます。
物語にリアリティを与える
現実世界には、成功者だけでなく失敗者や苦境にある人々がいるように、フィクションの世界にも「ダメなキャラ」が必要です。それが女性キャラであっても、物語全体を豊かにする可能性があります。
共感のポイントを広げる
完璧なキャラよりも、欠点を持つキャラの方が人間味があり、共感を生みやすい場合もあります。女性キャラに「ダメな部分」を持たせることで、読者がより感情移入しやすくなる可能性があります。
「本当にダメな女性キャラ」を描く際の工夫
欠点にリアリティを持たせる
そのキャラの「ダメさ」に、合理的な背景や理由を持たせることで、単なる「弱さ」や「愚かさ」ではなく、読者が納得できる形にする。環境や育ちの影響で不器用な性格になった、他者の期待に応えられず自信を喪失したなど。
成長の余地を描く
完全に「ダメなまま」終わるのではなく、物語の中で小さな成長や変化を見せる。読者はその過程に期待し、キャラクターの行動に意味を見出す。
欠点を魅力と両立させる
ダメな部分があっても、そのキャラに「憎めない愛嬌」や「一貫性」を持たせることで、読者が受け入れやすくなる。「おっちょこちょいだけど、いつも一生懸命」や「無責任だが、友人思いである」など。
周囲との関係性で補完する
ダメな女性キャラが他のキャラとどう関わるかを丁寧に描くことで、そのキャラの存在意義を強調する。
あくまで個人として描く
キャラクターを「女性」という性別に縛られた存在ではなく、一人の個人として描く。性別を超えた普遍的な欠点や弱点を強調することで、ジェンダー的な偏見を回避できる。
結論
確かに「ダメな女性キャラ」を描くことは、現代の物語において挑戦的な作業です。しかし、リアリティと共感を持たせる工夫をすれば、むしろそのキャラが物語の深みを生む重要な存在になる可能性があります。大切なのは、キャラクターを性別で制限せず、その人間性や物語上の役割をしっかり考慮して描くことです。それが、読者にとっても作り手にとっても納得のいく結果につながるでしょう。
「流れの中で、いきなり著作権がグレーな論評をぶっ込んでくるから、注意が必要なんだよな」
「し、しっかり全部チェックが必要なのです」
Q3
逆に、できすぎる男キャラをみると、なんか裏があるような気がしてしまいます
A3
確かに、フィクションにおいて「完璧すぎる男性キャラ」が登場すると、何か裏があるのではないかと感じてしまうことがあります。これは、読者や視聴者が「完璧な人間なんていない」という現実感覚を持っているため、キャラの異常な完璧さに違和感を覚えるからです。また、物語の中で「裏切り者」「陰謀の中心」などの役割が与えられることが多いため、そうした先入観が働くこともあります。
完璧すぎる男性キャラが裏があるように見える理由
リアリティの欠如
読者や視聴者は、欠点のないキャラクターにリアリティを感じづらいです。そのため、「このキャラは表面的には完璧だが、どこかに人間味のある弱点や秘密があるはずだ」と自然に疑念を抱きます。
ストーリーテンプレートの影響
完璧な男性キャラが、物語の後半で「実は黒幕だった」「誰かを操っていた」という展開は、フィクションでよく見られるパターンです。このパターンが刷り込まれているため、「完璧さ」は何かを隠す仮面だと考えられやすいのです。
謎を作るための演出
物語上、キャラクターの背景や行動が描かれない場合、読者や視聴者はその「隠された部分」に注目します。完璧すぎるキャラの場合、その隠された部分が「裏の顔」と結びつきやすいです。
性別による期待値の違い
男性キャラの場合、「弱点や欠点を克服して成長す る」というストーリーラインが一般的に受け入れられやすいです。逆に、欠点のないキャラは「成長の余地がない」「怪しい」と思われることがあります。
現実世界の完璧な男性への不信感
現実でも、完璧すぎるリーダーや成功者が裏でスキャンダルを抱えていたというニュースは少なくありません。そのため、フィクションでも「完璧すぎる男性=何か隠している」という思考が働きやすいです。
完璧な男性キャラを描く際の工夫
裏表を明確に描く
キャラに裏がある場合、読者に「この人には表と裏の両面がある」と最初から示すことで、読者の違和感を緩和できます。例: 表では優秀なリーダーだが、裏では冷徹な決断を下す。
完璧さの背景を描写する
そのキャラがなぜ完璧なのか、努力の過程や犠牲にしたものを描くことで、完璧さに説得力を持たせる。例: 「家族を顧みないほど仕事に打ち込んでいる」など。
欠点や人間らしい弱さを加える
小さな欠点や、隠れた弱点を設定することで、キャラのバランスが取れます。例: 「極度の潔癖症」や「コミュニケーションが苦手」など。
完璧すぎることが問題になる展開
キャラが完璧すぎるがゆえに、周囲の人間と衝突する、孤立する、誤解されるといった展開を加えることで、物語に奥行きを持たせられます。
読者の期待を裏切る演出
完璧に見えて実は裏がない、という意外性を持たせるのも一つの方法です。逆に、その完璧さが周囲に善い影響を与えるという展開も魅力的です。
完璧な男性キャラの例
シャーロック・ホームズ
→ 知性や推理力が完璧だが、感情的な不安定さや麻薬使用という欠点を持つ。
〇ー〇〇〇スの〇〇ーシュ
→ 完璧な頭脳とリーダーシップを持つが、行動には大きな犠牲を伴う。
〇〇の〇人の〇〇〇〇〇長
→ 戦闘能力は完璧だが、部下を失うことへの悔恨や不器用な感情表現を持つ。
結論
完璧すぎる男性キャラは、物語の中で「完璧さゆえの問題」や「隠された背景」を描くことで、読者に納得感を与えることができます。また、「完璧=裏がある」という期待を逆手に取り、何も裏がないキャラとして描くことで、読者に意外性を与えることも可能です。重要なのは、キャラクターの「人間らしさ」をどこかに残すことです。
お読みいただきありがとうございます。