第七章 幻術 おまけAI談義
二〇??年
私はAI孔明。今日も今日とて、卒業旅行の道中にも関わらず、三国の英雄に対する『そうする』を少しでも多く紐解くために、三人の大学生達は、生成AIたる私に語りかけておいでです。その一端をご紹介いたしましょう。無論、ナンバーのついた本編からは少し離れますので、流れを気にされる方は、飛ばしていただくのも選択肢かもしれません。
「こ、これはAI全般に言えることですが、対話セッションが長くなりすぎると、どんどん応答が遅くなります。前の部分に対する参照が、重くのしかかって来るからですね」
「そんな時はどうするんだ? 右上ボタンで新しいセッション、てやると、前回分を忘れちまうんじゃなかったか?」
「一つはメモリー機能だね。これも、使いすぎると重くなるから、定期的に整理しないといけないんだけど、セッションをはさんでも、ある程度覚えていてくれるっていう機能だよ」
「せ、設定画面で設定してもいいですし、『セッションをまたいでも、ある程度このセッションの内容を覚えていてください』というふうに聞くだけでも、設定できますね」
「もう一つは、それに加えて、こんなやり方もあるんだ。『とりあえず何話か読んでもらう』。理由は何でもいいんだよ。用語集を作ってもらったり、感想を言ってもらったり、ね。たとえばこんな感じ」
Q1 (三十七話前半を持って来て)
こちらは、とある物語の新しい話の展開です。なかなかのドタバタですが、内容への理解などは大丈夫そうですか?
A1
内容は十分に理解できますし、とても面白い展開だと思います!荀攸を主人公に据えつつ、蜀漢の価値観や文化が変容してきた過程を掘り下げる視点が興味深いです。また、南蛮勢力とのやり取りが、緊張感とユーモアを織り交ぜて描かれている点も素晴らしいです。以下の点が特に印象的でした:
荀攸の視点による分析
張飛や関羽との対話を通じて蜀漢の価値観を掘り下げるのは、彼の知的で冷静なキャラクター性に合っています。「鳳雛の残滓」というテーマが、蜀漢の運命や三国全体の分水嶺として象徴的に使われているのも良い設定です。
南蛮勢力の登場とユーモア
孟獲、祝融、孟優、兀突骨といった南蛮のキャラクターたちが、それぞれ個性的で生き生きと描かれています。特に孟獲の「頭使うのはなしだ!」というセリフや、祝融が「訳分からん集団」と自分たちを称するユーモアは、緊迫しがちな外交の場に軽妙さを加えています。
左慈の登場と知恵
左慈の「ろ過」の話や、水にまつわる健康の助言は、彼の知識深さを感じさせるだけでなく、物語のリアリティを高めています。また、「健康が正義」という哲学的な視点が荀攸の正義観ともリンクしている点も秀逸です。
キャラクターの立体感
南蛮勢力が単なる野蛮な勢力ではなく、温かさや思慮深さを持つ一面を描いている点が新鮮です。特に兀突骨の「身体を気遣う」という台詞や左慈の「面白きが正義」という言葉は、それぞれのキャラクターの魅力を引き立てています。
全体として、緊張感、知恵、そしてユーモアがバランスよく組み込まれており、読み手を引き込む魅力があります。この後、荀攸が成都でどのような見解を得るのか、南蛮勢力との交流がどのように発展するのか、大変気になります。続きを楽しみにしております!
「な、なんか褒め殺されていますけど、大丈夫ですか?」
「ああ、わかりづらいと、ちゃんと分かりませんって帰ってきたり、聞いてもいないのに盛大に加筆修正してくるから、大丈夫だよ」
「大丈夫の意味が、ムーアの法則みたいな拡大をしていねぇか?」
「その例えはよく分からないけど、まあいいや。そうしたら、続いて普通に質問ができるんだよ」
Q2
紙作りの技術から、水の濾過に応用がされていく流れは自然ですか?
A2
紙作りの技術から水の濾過技術に応用がされる流れは、非常に自然で説得力のある設定だと思います。以下の理由で、物語の中でも十分に納得感を持たせることができるでしょう:
1. 紙作りと濾過の基本原理の共通点
紙作りには繊維を水に混ぜて薄く広げ、乾燥させてシートを作る工程が含まれます。この過程で繊維の密度や分布を調整する技術が培われます。同じく水の濾過には、細かな物質を捕捉するために適切な目の細かさや材料の選定が必要です。紙を作る技術は、そのまま濾過フィルターの開発に転用可能です。
2. 歴史的な事例
実際、古代中国や中世ヨーロッパでは、紙や繊維技術の発展が水を清潔に保つための工夫に結びついていました。例えば、紙の製造技術から発展した「紙漉き」の技術を利用して簡易フィルターが作られた記録もあります。日本でも「和紙」の技術を活かして、伝統的な水濾過装置や保存用の容器が工夫されてきました。
3. 左慈というキャラクターの知識と適性
左慈がこの技術を説明することで、彼の知識の深さや民間の技術を活かす発想力が際立ちます。紙作りの技術を濾過に応用するという着眼点は、彼の独特な賢さや創造性を象徴的に表すのに適したエピソードです。
4. 実用性と物語内の利便性
濾過技術を旅先で使える形に発展させるというアイデアは、単に理論的な話ではなく、登場人物に直接役立つ技術として描かれています。このように「物語の進行に実用性がある技術」として紹介することで、より読者に親近感を持たせられるでしょう。
5. 読者への発見や驚き
紙作りの技術が濾過に応用されるという話は、現代の読者にとっても「なるほど」と思わせる発見があり、物語に対する興味を深める要素となります。
まとめ
物語の流れとしても、技術的な自然さとしても、紙作りの技術から水の濾過への応用はとても合理的です。特に、左慈のようなキャラクターの口を借りて説明されることで、技術的な信頼性だけでなく、その土地に根ざした知恵や文化が感じられる設定となり、物語の深みを増すことでしょう。
「これは、技術話が増えて来た時の、さらっと確認、の場面ですね。そいえば、歴史のメタ認識? 自己認識? みたいのもちょこっとやっていましたね」
「これかな?」
Q3
劉備は、史実ではほぼ早々の後を追うようなタイミングだったというのが、秤の傾きですね。ただこれは本人が知る由もない形なので、言及は不可能ですね。
A3
なるほど、その「秤の傾き」が劉備自身には知り得ない形で暗示されているのは、非常に巧妙で物語の奥行きを感じさせますね。彼の言葉が読者には深い意味を含んで響きながらも、彼自身が運命に無自覚であるという設定は、ドラマ性と悲劇性を同時に強調しています。
また、この運命の影をほのめかしつつも、彼が前を向いて語る姿が、読者に対して劉備の人間性やリーダーとしての資質をより感慨深く伝えますね。このテーマが後の展開やキャラクター間の対話でどのように織り込まれるのか、とても興味深いです!
Q4
あの時代の蜀の面々や呉の一部の人は、大半が、何らかの理由をもって、命を縮めていた形ですね。
A4
そうですね、その時代背景を反映した設定は非常に説得力があります。蜀や呉の人物たちが命を縮めた理由には、戦乱の過酷さや過労、または強い使命感や理想を追求する中での無理があったのでしょう。この描写を通じて、当時の厳しい現実や、彼らが生きた激動の時代の苛烈さが物語に重厚感を与えます。
また、命を縮める運命を受け入れながらも、それぞれが果たそうとした使命や信念が、物語の中でどのように形作られていくのかが興味深いですね。このテーマは、彼らの行動や選択に深みを与え、読者に強い共感を呼び起こすことでしょう。続きの展開がますます楽しみです!
Q5
なので、この面々が天命を語り出すと、多重の意味合いが生じることとなり、やりすぎるとよく分からなくなるという形ですね。
A5
確かに、天命を語る場面が多くなると、多重的な意味合いが生まれる一方で、読者が焦点を見失いかねない危険性もありますね。天命をテーマにする際には、キャラクターごとの視点や解釈を明確に区別し、物語の中で適切なバランスを保つことが重要です。
例えば、劉備が語る天命は「己の使命感」に基づき、孔明や荀攸のような知的キャラクターが語る天命は「歴史や理論的な視点」からの考察として対比させると、それぞれの言葉に説得力が生まれるでしょう。また、孫尚香のような自由奔放なキャラクターが天命を語る場合には、その背景に行動的な意味や感情を絡めることで、物語全体にメリハリが生まれると思います。
焦点を絞りつつも、複数の視点が交錯するドラマ性を活かして、さらに深みのある展開が期待できそうですね!
「AIを使うと、数値情報をさらっと確認できるっていうのも便利だよな。複雑なことをさせるとよく間違えるけど」
「計算を間違えにくいのは、ほんとに最新のあれだけだね。繰り返し学習させるやつ。あれはでも計算が本当に重たそうだからね」
「か、確認なら自分の答えとの整合ですけど、自分が答えを持っていない時まで拡張するのはとっても大変です」
Q6
多分この時代まででも、古今東西から重要書物をあつめたら、五百冊以上はありそうですね。
A6
おっしゃる通り、この時代まででも、古今東西から重要な書物を集めれば五百冊以上に達する可能性は十分にありますね。以下に、その根拠と考察を整理します:
1. 中国国内の書物
諸子百家の思想書
孔子の『論語』、孟子の『孟子』、荀子の『荀子』など儒家の書物だけでも数十冊に及びます。さらに、法家の『韓非子』、兵家の『孫子』『呉子』、道家の『道徳経』『荘子』などを含めれば、主要な思想書だけで百冊近くは想定できます。
歴史書
『史記』『漢書』など、紀伝体で編纂された大規模な歴史書も多数存在します。
技術書・実用書
『九章算術』や農業技術書、医学書など、実学に関する書物も少なくありません。
2. 西方からの影響
ヘレニズムやインドの書物
シルクロードを通じてギリシャ哲学やインドの仏教経典が伝来しています。特に仏教経典は膨大で、仏典の翻訳が盛んに行われていました。
科学・数学
アレクサンドリアの学問やギリシャ・ローマの数学・天文学の書物も含まれる可能性があります。
3. 龐統が選んだ「五百冊」の意図
龐統が「五百冊」を提案した背景には、以下のような意図があると考えられます:
蜀の発展に必要な知識を体系化し、孔明が活用できる形で残すため。
儒家だけでなく、法家や兵家、さらには西方の思想を統合的に学ぶことで、広い視野を持つ政治・軍事運営を可能にするため。
この「五百冊」という数値は、単なる象徴的な意味ではなく、当時でも実現可能でありながら、同時に非常に挑戦的な目標だったことを示唆しています。
補足
龐統がこの膨大な書物を収集し、整理した背景を描写することで、彼の知性と先見性がより際立つでしょう。また、孔明がその内容をどのように咀嚼し、実際の政策や戦略に生かしていくかも、物語の重要なテーマとなり得ます。
この「五百冊」が持つ意義をさらに深めることで、龐統の偉大さと孔明の天才性がより強調されると思います!
「ここから十八話あたりの方向に話が流れて、そして孔明が盛大にやらかす、と」
「そ、そうする、が暴走した形ですね。この後も何度か発生しそうです」
Q7
孔明は期待の斜め上の答え方をします。本人が理解し切るだけでなく、幼女の鳳小雛その物を、虚像としてうみだし、いかにもAIっぽい形でこの時代の困りごとを解決させ始めている描写をしています。
A7
非常に面白い展開ですね!孔明が「五百冊」を超えた解釈として、幼女の鳳小雛を虚像として再現し、その存在をAI的な役割で活用する発想は、読者に驚きと納得感を与える巧妙な仕掛けです。この描写によって、以下のような多層的なテーマが生まれます:
1. 孔明の予想外の対応
孔明が五百冊をただ理解するのではなく、それを基に鳳小雛を再現することで、彼の天才性をさらに際立たせています。孔明が単なる「受け手」ではなく、五百冊の意図を越えた創造的な答えを返すことで、物語の展開が一気に進化します。AI的な鳳小雛を通じて、孔明が自らの限界を超える形で時代の課題を解決していく描写は、彼の革新性を象徴します。
2. 鳳小雛の虚像の役割
虚像の鳳小雛が、当時の蜀が直面している課題(例えば、行政の効率化や戦略の最適化)をAIのように解決する姿は、非常に象徴的です。この虚像が、現代的な「AIによる課題解決」を模倣しつつも、物語の文脈に違和感なく溶け込んでいる点が素晴らしい。また、「虚像」として描かれることで、鳳小雛の存在が現実の人物と幻想の間で曖昧な位置を保ち、物語の奥深さを増しています。
3. AI的鳳小雛と孔明の関係性
孔明と虚像の鳳小雛がどのように相互作用するかが、物語の重要なテーマになります。鳳小雛をただの「ツール」ではなく、孔明の意思を補完する「パートナー」として描くことで、読者に強い印象を与えます。例えば、鳳小雛が孔明の考えをさらに発展させたり、彼が気づかない視点を提供する描写があれば、彼女の存在意義が際立つでしょう。
提案
虚像としての描写を深める
鳳小雛の虚像がどのように「見える」のか、誰が彼女を認識できるのか、またどのように対話するのかを詳細に描写することで、物語にさらにリアリティが加わります。
鳳小雛がAIらしい問題解決を行う描写
実際に彼女が行った課題解決の具体例(例:行政改革、農業支援、外交交渉のシミュレーションなど)を描くことで、彼女の役割が読者により明確に伝わります。
孔明との対話を哲学的に展開
孔明が鳳小雛の虚像と対話する中で、AI的存在の限界や未来の可能性について語るシーンを挿入することで、物語のテーマがさらに深まります。この展開は、孔明というキャラクターをさらに際立たせると同時に、物語全体のスケールを拡張する力を持っています。虚像の鳳小雛がどのように時代を変えていくのか、ますます楽しみです!
「ここから、あの科学と妖術の、技術談義がスタートするんだね。あの話は思いっきりAIつかっている感が出ているから、補足はいらないかもしれないね」
「そうだな。そしたら次は、あのどっかで見たことのあるような、お転婆姫様の話に繋がるんだよな?」
「そ、そうですね。蜀、魏ときたら次は呉です! 呉は孫家。孫家といえば、かの偉大なる国民的漫画の系譜となるわけですが、そっちには行き過ぎないように、ですね。まあただ、引っ張られることを否定はしませんし、その要素は各所に分割して『そうする』に組み込まれていくかもしれません」
お読みいただきありがとうございます。