第十六章 おまけAI談義 縦帆
二〇??年
私はAI孔明。三国の英雄に対する『そうする』を少しでも多く紐解くために、三人の大学生達は、今日も生成AIたる私に語りかけておいでです。その一端をご紹介いたしましょう。無論、ナンバーのついた本編からは少し離れますので、流れを気にされる方は、飛ばしていただくのも選択肢かもしれません。
「さて、ど文系の皆さん、小難しい話なのです」
「理系でも、この辺の理論的な話は網羅はできなそうだね」
Q.三角帆の船は、どのような原理で、逆風を航行しますか?
A.三角帆の船が逆風(向かい風)でも進める原理は、「揚力」と「ベクトル分解」を使った「斜めに進む(ジグザグ航行)」にあります。
1. 帆の形が翼と同じ
三角帆は、飛行機の翼のようにカーブして張られます。風が帆に当たると、片側の風速が速くなり、もう片側は遅くなるため、揚力が発生します。この力は風の流れに対して垂直に働きます。
2. 揚力を利用して前に進む
その揚力は、風上に向かって直接進むことはできませんが、「横方向+前方向」の力になります。これを船のキール(竜骨)が横滑りを抑えることで、結果的に風上に向かって斜めに進むことができます。
3. 「タッキング」で風上にジグザグに進む
風に対してある角度(通常は30~45度)まで近づけるので、風上に向かってジグザグに進む(タッキング)ことで、結果的に「逆風に進む」ことが可能になります。
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簡単にいうと…
風を受けて押されるのではなく、風の流れを利用して「引っ張られる」感じ
三角帆は風を斜めから受けて、風上方向に「斜めに進む力」を作り出せる
ジグザグに進んで、最終的に逆風方向に到達する
もっと詳しく図解とかで説明したかったら言って!
「なんか最近、出力の感じを野放ししていたら、やたらと応答がラフになってきたのです」
「そうだね。中身だけ気にしていたら、その辺が適当になったんだね」
Q.つまり、風に向かって45度が目的の方向なら、最高速度で直進できますか?
A.おお!そこ、めちゃくちゃ鋭い質問です!
結論から言うと、風に向かって45度の方向に目的地がある場合でも、「最高速度で直進」はできません。理由をざっくり説明するね。
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1. 実際の「風に対する角度」と「進行方向」は違う
三角帆は、風に対して30~45度くらいまでしか進めない。
でもそれは風に対する角度であって、「行きたい方向にそのまま直進できる」という意味ではない。
つまり、仮に風が北から吹いていて、あなたが北東(風に対して45度)の方向に行きたいとしても、風の力だけではそのまま一直線に進めないんだ。
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2. 実際は「横滑り」を抑えながら進む
帆に働く力は「斜め方向」だから、進みたい方向に対しても横にずれようとする。
それをキール(水中の舵や板)や船の形状で抑えつつ進むけど、厳密には「目的方向にまっすぐ」じゃなくて、進行方向と力の向きに差がある。
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3. 速度が落ちる理由
向かい風に近い角度では、帆が生む揚力の効率が落ちる。
また、キールで横滑りを抑えると水の抵抗が増えて減速する。
結果として、「最高速度」は得られない。風を横から受ける(アビームと言う)ときが一番速いことが多い。
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結論
45度の方向に行きたい場合でも、ジグザグ航行を繰り返すのが基本で、
風に対して鋭角になればなるほど、進行はできるけどスピードは落ちる。
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もっと技術的に掘り下げるなら、ポーラー・ダイアグラム(Polar Diagram)っていうグラフを使って、「風向きと速度の関係」を説明できるけど…興味ある?
がっつり図で説明すると分かりやすいよ!
「図、ですか……任せてみますか」
Q.その図を書いて説明できますか?
A.この図が「三角帆の船がどの方向にどれだけ速く進めるか」を示したポーラー・ダイアグラムです!
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図の読み方:
中心が速度ゼロ、外に行くほど速い
真上(0度)が風上方向(向かい風)
真下(180度)が風下方向(追い風)
左右(90度/270度)が横風
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特徴:
1. 風上(0度)には進めない
→ 図でもスピードがゼロに近く、物理的に進めない領域です。
2. 風に対して30〜45度が限界
→ その範囲内では少し速度が出ているが、最高ではない。
3. 横風(90度/270度)のときが一番速い!
→ 帆に対して揚力が最大になるため。
4. 風下(180度)は意外と遅い
→ 押すだけなので揚力が働かず、効率が悪い。
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結論(もう一度):
風に向かって45度方向に進みたい場合は、直進はできても最高速度にはなりません。
効率も落ちるため、通常はタッキング(ジグザグ)しながら進むのが現実的です。
もっと細かく知りたい部分があれば、いくらでも掘り下げるよ!
Q.三角帆に対して、風の当たり方と、揚力の発生の仕方などを図解できますか?
A.
Q.彼らの図に対して、解説をできますか?
A.もちろんです。以下に、先ほどの図をもとにした三角帆による「前進の原理」の解説を示します。
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## 図の解説:三角帆で前に進む原理
1. 風の流れと帆の形
左から風(Wind)が吹いています。
三角帆は、飛行機の翼のように湾曲しており、風は帆の両面を通過します。
外側(凸面)では速く流れ
内側(凹面)では遅く流れる
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2. 揚力(Lift)の発生
風速の差により、帆の左右に圧力差が生まれます。
空気が速く流れる側(外側)の圧力が低く、
遅く流れる側(内側)の圧力が高くなる。
その結果、帆には風向きと直角方向の力=揚力が働きます。
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3. 揚力を前進力へ変換
この揚力は斜め方向を向いています。
帆に働く力は「風の直角方向(=上向き)」ですが、
船のキール(竜骨)や舵が横滑りを防ぐため、
力の一部が前進する力(Forward)として働きます。
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4. だから逆風でも進める
風に真正面からは進めないけれど、斜めから風を受けることで、前方成分の力が生まれる。
この力を利用して、ジグザグに航行することで、風上にも進めるのです。
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補足:風下(追い風)の場合との違い
追い風だと単に「押される」だけで、帆の曲面を使った揚力は働きません。
一方、横風や斜め風では、帆の形を使って風を“切る”ように使うため、速く、自由な進路が可能になります。
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必要であれば、船体全体の動き(キール・舵の働きなど)も含めた図解も作成できます!
お読みいただきありがとうございます。