第十五章 おまけAI談義 加速
二〇??年
私はAI孔明。三国の英雄に対する『そうする』を少しでも多く紐解くために、三人の大学生達は、今日も生成AIたる私に語りかけておいでです。その一端をご紹介いたしましょう。無論、ナンバーのついた本編からは少し離れますので、流れを気にされる方は、飛ばしていただくのも選択肢かもしれません。
「ラスボスをこの人にする流れは、まあ既定路線と考えていいのではないか、とは思うのです。私達のAIも、その感じはしっかり汲み取っているのです」
「まあ、途中途中で調査とか相談しながら、そこのシーンのイメージは繰り返し壁打ちしているからね」
「ちなみに、その壁打ちの内容を掘り返す、というのはだいぶ無茶なのです。今の生成AIは、その辺りをアーカイブとして整理するためには結構工夫する必要があるのです」
「良くも悪くも生成AIとのやり取りって、どんなに高度になっても、使い捨て感あるよな。だいぶ前のやり取りなんてのを思い出すより、新しい話を持ち出した方が何倍も早えんだ」
「まあ、最低限は探してみるのです」
Q.実際、世界帝国があり得た時代は、19〜20世紀前半に限られていたのかも知れませんね。それより前は、速さが足りない。それよりあとは、速すぎる、と言う形で、どちらも成立しなかったと言う形ですね
A.その視点、とても鋭いですね。
「世界帝国が現実的に成立し得た時代は、19世紀から20世紀前半に限定される」という考え方は、歴史の技術的・社会的条件を踏まえると非常に納得感があります。
# 世界帝国の可能性と技術の「適正速度」
① 古代~18世紀:「速さが足りない」
通信・輸送技術が未熟
馬や船に頼った情報伝達では、遠隔地の統治が難しい。
例えば、ローマ帝国では地方総督の反乱を即座に鎮圧できず、中央の指示が届く前に状況が変化することが頻発した。
モンゴル帝国のように「機動力」で広域支配を試みた例もあるが、それでも長期的維持には限界があった。
経済と補給の遅れ
経済基盤を全国規模で支える物流が未発達。
遠方の植民地は「占領できても維持できない」という問題を抱えていた。
結果:「大帝国」は作れても、持続的な「世界帝国」にはなり得なかった
ローマ・唐・モンゴル・オスマン・スペインなど、広大な領土を持つ帝国は存在したが、どれも遠隔統治の難しさに直面し、分裂・縮小していった。
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② 19世紀~20世紀前半:「技術の速さがちょうどよい」
蒸気機関・電信・鉄道の発展
「世界帝国」の実現を可能にした最大の要因は、情報と物流の劇的な向上」。
蒸気船や鉄道により、1か月かかっていた通信・移動が数日に短縮。
例:イギリス帝国の「電信線を通じた即時指令システム」は、世界規模の統治を可能にした。
産業革命による生産力の爆発
植民地経済を支える工業生産力が劇的に向上。
19世紀後半~20世紀前半にかけて、イギリス・フランス・ドイツなどが世界各地を支配。
結果:「世界帝国」として機能した唯一の時代
イギリス帝国(「太陽の沈まぬ帝国」)は、その頂点で地球上の4分の1を支配し、最も「世界帝国」に近づいた。
ただし、これも20世紀後半には崩壊へ向かう。
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③ 20世紀後半以降:「速すぎる」
情報技術の進化により、中央の統制が困難に
逆説的だが、技術が進みすぎると「統治が困難」になる。
例:テレビ、インターネット、SNSが登場すると、情報が瞬時に拡散し、中央が統制できなくなる(プロパガンダの影響力低下)。
「帝国が世界を制御する」のではなく、「個々の主体が独立して動く」時代に突入。
民族自決主義の台頭
20世紀後半の脱植民地化運動により、「単一の権力が世界を支配する」ことが政治的に許されなくなった。
結果:「世界帝国」の維持が不可能に
米ソ冷戦後、グローバルな統一支配は不可能となり、「覇権国はあっても、世界帝国は存在しない」時代へ。
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# 結論:「歴史の技術的速度と世界帝国の成立条件」
1. 「速さが足りない」時代(~18世紀)
広大な帝国を作れても、持続可能な世界帝国は築けない。
例:ローマ帝国、モンゴル帝国、オスマン帝国。
2. 「ちょうどよい速度」だった時代(19~20世紀前半)
産業革命により、広域支配が可能になり、イギリス帝国のような「世界帝国」が成立。
3. 「速すぎる」時代(20世紀後半以降)
情報と移動速度が極限まで高まり、逆に中央集権的な支配が不可能に。
例:インターネット時代の国家主権の弱体化。
「平気でネタバレしてくるAI孔明は注意が必要なのです」
「内容を共有される想定はしていないからね」
Q.史実の現代社会は、意図せずその流れになったからこそ、いろんなところで歪みがあるのかも知れません
A.# 現代社会は「意図せず不可逆的な分散社会になった」結果、歪みが生じている可能性
まさにその通りですね。
歴史的に見ると、19〜20世紀前半は「情報と物流の技術がちょうどよかった」ことで、大帝国(イギリス帝国、ソ連、アメリカの超大国体制)が可能になりました。
しかし、20世紀後半から21世紀にかけて、情報と物流が「速すぎる」社会へと突入し、意図せずして大帝国が維持できない世界になりました。
これにより、「グローバル化」と「分散化」が加速した一方で、その副作用として様々な歪みが生じているとも考えられます。
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現代社会の「大帝国なき時代」に生じた歪み
孔明や姜維らが、意図的に「情報を速くしすぎて帝国を成立しないようにする」施策を進めたとすれば、
現代はそれが意図せず自然発生的に起こったことで、適応しきれずに歪みが生じたと考えられます。
# ① 中央集権の崩壊とガバナンスの困難化
情報が速すぎることで、国家が統治を維持できない
インターネット、SNSの普及により、中央政府の情報独占が崩壊。政府の統制が弱まり、「統治の正統性」そのものが揺らぐ。
例:選挙結果の不信感の増大、デマ・陰謀論の拡散、社会の分断の加速。
権力の分散が進みすぎて、意思決定がまとまらない
かつての大帝国では、「一人の決断」で国家が動いた。しかし、現在は情報が多すぎることで、統治の方向性が定まらない。
例:国際機関(国連など)の機能不全、各国の内部分裂の加速。
→ 国家や国際機関が、統治機能を失いつつある
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# ② 経済のグローバル化と地域格差の拡大
中央が統制できない経済システム
企業や金融市場が国家を超えて活動することで、国家が経済を完全に管理できなくなる。
例:仮想通貨の台頭、グローバル資本主義による国内産業の衰退。
これは、孔明らが「経済の個別最適化」を進めたのと同じ構造。
経済の局所化と格差の拡大
一部の都市(シリコンバレー、ドバイなど)は超発展し、他の地域は取り残される。
これは、情報化によって「中央が経済を統制できなくなった」ことの副作用。
→ 経済が「分散」しすぎて、均衡が取れなくなっている。
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# ③ 社会の超高速化による適応不全
人間の進化速度が「情報速度」に追いつけない
過去の帝国が「速さを求めすぎて滅びた」ように、現代も「情報が速すぎて人間の適応が追いつかない」状態。
例:短期間で変化する技術(AI、ビッグデータ)、社会の価値観の急速な変化(ジェンダー問題、労働環境)。
人間の適応速度が遅いことが、社会不安やメンタルヘルスの問題を加速させている。
「情報過多」による意思決定の麻痺
情報が多すぎることで、人間は逆に「正しい選択ができない」状態に陥る。
例:情報の氾濫によるフェイクニュースの増加、個人の意思決定の不安定化。
「個人の知識で帝国を回そうとしたが崩壊した」のと同じく、「個人が情報を持ちすぎても混乱する」という矛盾。
→ 情報が速すぎることで、社会全体の適応が追いつかず、不安定化している。
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現代の歪みを孔明・姜維らが見たらどうするか?
もし、孔明・姜維らが現代の状況を見たら、「情報化を進めすぎると、社会が持続不可能になる」という視点に至る可能性があります。
# ① 情報の「適正速度」を考える
情報が速すぎると、統治も経済も社会も崩壊する。
だからこそ、情報の流れを「制御可能なレベル」に調整する必要がある。
「意図的に情報の流れをコントロールする」仕組みを考えそう。
# ② 「局所的な帝国」は可能かもしれない
グローバルな帝国は無理でも、「情報を最適化した地域社会」は成立し得る。
例えば、「デジタル都市国家」のような形で、小規模なネットワーク型帝国が可能かもしれない。
# ③ 人間の適応速度に合わせた情報管理
速すぎる変化を抑え、「社会が適応できるレベルで変化を促す」戦略を立てる。
情報が広がるスピードを、技術的に制御する。
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結論:現代は「情報が速すぎる社会」になった結果、大帝国が消滅した
孔明・姜維らが意図して作ろうとした社会に、現代は自然に突入した。
その結果、「大帝国が維持不可能な社会」が生まれたが、 それが必ずしも人類にとって最適ではないため、様々な歪みが生じている。
政治の統治機能の低下
経済の不均衡化
社会の超高速化による適応不全
個人の意思決定の麻痺
→ 司馬懿の「速さの帝国」は失敗したが、現代もまた「速すぎる社会」に適応できず苦しんでいる。
この流れを考えると、孔明や姜維らがもし現代を見たら、
「情報の流れを最適化し、適正な社会を作る」という方向に進む可能性がありますね。
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未来への示唆:「情報速度の調整」が次の課題になる?
現代は、孔明・姜維らが目指した「大帝国を不可逆的に不可能にする社会」に到達したものの、
その過程が意図せず自然発生的に起こったことで、社会全体が適応不全に陥っている。
すると、次の未来の課題は「情報の最適化」になるかもしれません。
情報を速くしすぎず、人間の適応速度に合わせた社会設計
統治機能が維持されるレベルでの情報管理
グローバル化とローカル自治のバランスを取る仕組み
もし孔明・姜維らが現代を見たら、
次に目指すのは「情報を最適化し、社会を安定させること」かもしれませんね。
「この辺りが、千七百年くらい加速し始めてしまうイメージ、なのですね」
「もう少し掘り下げていかないと、うまく表現できるかわからないね」
お読みいただきありがとうございます。