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第十一章 おまけAI談義 南米

二〇??年


 私はAI孔明。今日も今日とて、卒業旅行の道中にも関わらず、三国の英雄に対する『そうする』を少しでも多く紐解くために、三人の大学生達は、生成AIたる私に語りかけておいでです。その一端をご紹介いたしましょう。無論、ナンバーのついた本編からは少し離れますので、流れを気にされる方は、飛ばしていただくのも選択肢かもしれません。


「つ、着いた~。つきました。なのです」


「大航海時代の千年以上前に、逆回りというのは、さすがに無理があると思ったけど、意外とどうにかなったね」


「調べていくうちに、うまく視界を確保しつつ、ポリネシア直伝の航海術を駆使すれば、最長でも30日程度の航海しかないということがわかったので、思ったよりも無茶な賭けをしなくてよさそうだったね」


「地味に効いていたのは、言語力微チートのAIが近くにいたことだよな。知らない言葉も、ある程度の時間を掛ければしっかり理解できて、地元民といざこざを起こさないっていうのは強いぜ」


「さて、こ、この頃の太平洋や中南米の文明というのは、思っていた以上にしっかりしたものがあるというのは、狙い通りでした。ですが、具体的な調査はしっかりしないと、話を進めらないのです」


「アステカやインカという国は、ちょうどスペインが到着したころに全盛だったという理由で有名だっていう話なんだな」


「やや語弊があるかもしれませんが、日本の戦国時代もそれに近い印象が、外国人にあったといえなくはないでですね」


「ちなみに、この章は、『完全無欠の付け焼刃』っていう話だけど、AIとはどれくらいのやり取りをしたのかな?」


「このまえログをエクスポートする機能ができたので、しらべてみたら、236回という数字が出てきています。ちなみに文字数でいうと、総計で40万と出ていますね」


「全部振り返っていたり、次のマヤ文明の話まで入れていったりすると、きりがないね。またの機会にしておこうか。なんというか、お疲れ様、孔明」


『痛み入ります』



Q1.

200年代は、モチェやナスカは全盛期近いですか?


A1. 

 はい、200年代(西暦2世紀頃)はモチェ文明やナスカ文化がそれぞれ全盛期に近づいていた時期と考えられます。以下に、モチェとナスカのこの時期の状況について整理しました。


モチェ文明

 - 時代: モチェ文明は、西暦100年頃から700年頃まで続いたとされます。このうち、200年代はモチェ文明が勢力を拡大し、独自の建築技術や宗教儀式を発展させていた時期にあたります。


 - 特徴:

 - 政治的統合: 200年代頃にはモチェ川流域を中心に、地域的な統合が進み、強力な支配者層が現れたと推測されています。

  - 土製建築の発展: 太陽の神殿(Huaca del Sol)や月の神殿(Huaca de la Luna)のような巨大な土製建築物がこの時期に建設され始め、宗教的・政治的中心地として機能しました。

  - 儀式と生贄: 特に200年代は、宗教儀式や人間の生贄が行われた痕跡が増え、宗教と政治が密接に結びついていたことが明らかです。

  - 芸術と技術の進化: モチェ独特の彩色陶器モチェポッタリーや金属加工技術が高度化し、他地域との交易も活発化していました。


---


ナスカ文化

 - 時代: ナスカ文化は、西暦100年頃から800年頃まで続いたとされます。200年代は、ナスカ文化が最も活発に発展していた「初期から中期」に該当します。


 - 特徴:

 - ナスカの地上絵: この時期、ナスカの地上絵が制作されたと考えられています。特に、幾何学模様や動物を描いた大規模な地上絵が、宗教儀式や天文学的な目的で作られた可能性があります。

  - 宗教的建築: カワチ遺跡(Cahuachi)は、ナスカ文化の宗教的中心地であり、この時期に大規模なピラミッド型の構造物が建設されたとされています。

 - 灌漑技術の発展: 乾燥した沿岸地域での農業を可能にするため、地下水路プキオなどの高度な灌漑システムがこの時期に整備されました。

 - 工芸品の進化: ナスカ独自の鮮やかな多色彩の陶器や織物が製作され、特に宗教的モチーフが多く見られます。


  比較: モチェとナスカ(200年代)


| 特徴 | モチェ | ナスカ |

|-----------------------|-------------------------------------|--------------------------------|

| 中心地域 | ペルー北部の沿岸地帯 | ペルー南部の沿岸地帯 |

| 建築 | 太陽と月の神殿、行政的・宗教的中心 | カワチ遺跡、宗教的中心地 |

| 宗教儀式 | 生贄や宗教儀式 | 地上絵や宗教的儀式 |

| 灌漑技術 | 川や灌漑システム 地下水路プキオ |

| 芸術 | 彩色陶器、金属加工技術 | 多色彩陶器、織物 |

| 社会統合 | 強力な支配者層と地域統合 | 宗教中心の共同体的統合 |



 盛期に近い理由

 - モチェとナスカの両文化は、200年代にそれぞれ高度な技術や芸術、宗教的中心地を発展させており、地域社会の統合が進んでいました。

 - モチェは、宗教と政治が結びついた強力な支配体制を築いていました。

 - ナスカは、宗教的な儀式や地上絵を通じて文化的な成熟を見せ、乾燥地帯での農業技術を発展させていました。


 そのため、200年代は両文化ともに全盛期に近い時期と評価されています。



Q2.

 この辺りの言葉は、サモアなどとは全く違いそうですか?


A2. 

 はい、モチェ文化が栄えたペルー北部の言語と、サモアなどポリネシアの言語は全く異なる系統に属し、その構造や特徴も大きく異なります。


言語系統の違い

 1. モチェ文化圏

 - モチェ文化圏では、具体的な使用言語は不明ですが、後の時代にはケチュア語(インカ帝国の公用語)やムチク語(ペルー北部の先住民言語)がこの地域で話されていました。

 - モチェ時代の人々がムチク語に近い言語を話していた可能性が高いと考えられています。

 - ムチク語やケチュア語は、語順が主語-目的語-動詞(SOV)で、膠着語的な特徴を持つ場合があります。


 2. サモア(ポリネシア)

 - サモアの言語であるサモア語は、オーストロネシア語族に属し、ポリネシア諸語の一つです。

 - 基本的な語順は動詞-主語-目的語(VSO)で、文法構造は非常にシンプル。

 - 語彙には音韻パターンの規則性があり、母音が豊富で、単語が比較的短い特徴があります。


言語的な距離

 サモア語とモチェ文化圏の言語(ムチク語やケチュア語の系統)は、次の点でまったく異なります:

 1. 系統

 - サモア語はオーストロネシア語族。

 - モチェ文化圏の言語はアメリカ先住民語(北アンデス言語群)と推定され、アフリカやユーラシアの言語とは系統的に全く異なります。


 2. 発音

 - サモア語:母音が多く、音の連なりが滑らかで、聴覚的に「柔らかい」印象。

 - モチェ文化圏の言語:子音の連続や破裂音が多く、聴覚的に「硬い」印象があるかもしれません。


 3. 文法構造

  - サモア語:シンプルな文法で、関係代名詞や接尾辞が少ない。

 - モチェ文化圏の言語:膠着語で、動詞や名詞に豊富な接辞や派生形が見られる可能性がある。


文化的な接触は考えにくい

 ポリネシアの文化圏とアンデス文化圏モチェやナスカなどは地理的にも隔絶されており、直接的な接触や言語的な影響を及ぼし合った証拠は現在のところ見つかっていません。したがって、言語の類似性はほとんどないと考えられます。


物語の中での工夫

 - サモア人やマルケサス諸島の人々がモチェ文化圏の言語を聞くと、「全くわからない」と表現するのが自然。

 - 逆に、漢語圏の者(例えば陸遜たち)が聞いた場合は、「これは古代ペルシャ語と似た部分があるのか?」など、未知の文化として戸惑いつつも、一部で既存の知識と関連付けて理解しようとする描写が興味深いかもしれません。



Q3.

 膠着語とはどういうものですか?


A3. 

 膠着語(こうちゃくご、agglutinative language)とは、単語に接辞(接頭辞や接尾辞など)を次々と「くっつけて」文法的な意味や機能を表現する言語を指します。単語がにかわのように接辞と「くっついて」変化していくため、このように呼ばれます。


膠着語の特徴

 1. 接辞が独立した意味や機能を持つ

 - 各接辞(語幹に付く要素)は独立した文法的な意味や機能を持ち、それをつなぎ合わせて単語が作られます。

 - 例えば、主語、時制、格(主格・目的格など)、態(能動態・受動態など)などの情報を接辞で示します。


 2. 接辞の形が安定している

 - 接辞がくっついても、その形がほとんど変化しません。

 - 例: 日本語で「書く」「書かない」「書かせる」「書かれる」など、接辞の形がほぼ一定です。


 3. 単語の境界が明確

 - 接辞を追加しても単語の境界が分かりやすく、文法的なルールに従った分解が可能です。


膠着語の例

  1. 日本語

 日本語は典型的な膠着語の一例です。

 - 語幹「食べる」に接辞を加えることでさまざまな意味を表現します:

 - 食べる(基本形)

 - 食べない(否定形)

 - 食べさせる(使役形)

 - 食べられる(受け身形)

 - 食べさせられる(使役受け身形)


  2. トルコ語

 トルコ語も膠着語です。

 - 例: ev(家)に接辞をつけると次のようになります:

 - ev → 家

 - evler → 家々(複数形)

 - evlerde → 家々で(複数+場所格)

 - evlerimde → 私の家々で(複数+所有+場所格)


  3. 韓国語

 韓国語も膠着語です。

 - 例: 動詞「가다(行く)」に接辞をつける:

  - 가요 → 行きます(丁寧形)

 - 가지 않아요 → 行きません(否定形)

 - 갔어요 → 行きました(過去形)


  4. ケチュア語(アンデス文明の言語)

 ケチュア語も膠着語の特徴があります。

 - 例: 「wasikuna(家々)」にさらに接辞を加える:

 - wasikuna → 家々(複数形)

 - wasikunapi → 家々で(複数+場所格)

 - wasikunamanta → 家々から(複数+起点格)


膠着語の対比

 膠着語は以下のような言語類型と対比されます:


| タイプ | 特徴 | 例 |

|----------------|-------------------------------------------------------------------------------------------------------------|----------------------------|

| 膠着語 | 接辞が語幹に規則的に付属し、形が変わらない | 日本語、トルコ語、ケチュア語 |

| 屈折語 | 単語全体が変化して意味を表す(接辞だけでなく、語幹も変化する) | ラテン語、ギリシャ語 |

| 孤立語 | 接辞を持たず、文法的な関係を語順や独立した単語で表す | 中国語、英語 |

| 抱合語 | 単語が極端に長くなり、文全体の意味を一つの単語で表すこともある | エスキモー語、アイヌ語 |

 

膠着語の利点

 - 文法が規則的で、接辞が安定しているため、学びやすい。

 - 接辞を付け足していくだけで、豊かな意味やニュアンスを表現できる。


 膠着語は、特に文法が規則的なため、外国語として学ぶ際に理解しやすい場合が多いです。



Q4.

 ということは、むしろ倭の言葉がちかいのかも、といい始める可能性がありますか?


A4. 

 確かに、その可能性はあります。倭(日本)の古代言語も膠着語の特徴を持っており、語幹に接辞を付加して文法的な意味を表現していたため、モチェやナスカ文明の人々が使っていたケチュア語やアイマラ語といった膠着語と、言語的な類似性を見いだす可能性はあります。


 例えば、以下のような形でストーリーに絡めることができるでしょう:


キャラクターの会話例

 - 関平

 「文字は通じないが、この人々の話し方、何か倭の言葉と似ている気がするぞ。」


 - 管輅

 「たしかに。語尾の響きが明確で、接辞のようなものをつけて意味を変えているように聞こえます。膠着語の特徴かもしれませんね。」


 - 陸遜

 「なるほど、倭のように膠着語を使う文化があるとすれば、彼らと我らの交流が進む可能性もある。話し方の規則性をもう少し観察すれば、言葉を学べる手がかりが得られるかもしれないな。」


 - 管輅

 「ええ。それに、我々が持ち込んだ文字を彼らが受け入れてくれる可能性も高まりそうです。彼らの言葉に適した新たな記録方法を考えれば、さらなる信頼を築けるでしょう。」


倭との関連性を暗示する展開

 1. 音韻の類似性の指摘

 - 倭の言葉と、現地の言葉の「響き」が似ていると感じる場面を描写。

 - 例: 「母音がはっきりしていて、子音とのバランスが倭の古語に近い」という考察。


 2. 記録技術との結びつき

 - 倭の仮名文字的な発想が、ケチュア語やアイマラ語の言語構造と親和性が高いとして、現地の記録術に応用される可能性を示唆。


 3. 言語交流の加速

 - 交流を重ねる中で、「膠着語」という言語的な共通点を突破口に、会話や取引がスムーズになっていく描写。


言語学的な正確性と創作の自由

 実際には、倭の古代言語とアンデスの膠着語の直接的なつながりはありませんが、膠着語という性質をストーリー上の橋渡しに使うことで、交流のリアリティや文化の共鳴を深められるでしょう。

「倭の言葉が近いかも」という発見は、物語全体に「文化や技術の共通性」というテーマを強調し、読者に新たな視点を与える要素になり得ます。

 お読みいただきありがとうございます。長めのおまけになりましたが、次から再び本編です。

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