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5話

「ォォォッ!!!」


「…うるさいな。」


:おいおい!?

:マジでソロで行くやつがあるか!

:確か出れるはずだからはよ逃げて!

白獣 ノノ:わたしと一緒に挑も!?だからとりあえず逃げて!

:これでトラウマになって辞めていった探索者が何人いるか…!!


所詮コボルトジェネラルだよ?

レベルにしても精々上振れていて10くらいの雑魚だよ。

私の目の前で吠えて、隙を無駄に晒してるよ。


とりあえず、どうやって見てても飽きないように倒せるかな。


「うん、よくわかんないから、ゆっくり倒す。」


:…ん?

:見間違いか?なんか当然のように全て紙一重で避ける神技が見えるんだが

:なーに言ってんだ、ダンジョンに入って即日で五層ソロ突破出来るやつなんて…出来そうだな!?

:5層突破RTAかな?

:アンタッチャブルレコードにも程があるw


「えっと、このくらいのモンスターなら余裕だよ?

少なくとも、私は。」


とりあえずメインじゃないけど、刀を取り出して、装備する。

いや、刀と言うよりも、脇差かな。


とりあえず弱い装備が脇差しかなかったから装備したけど、これでもオーバースペックかな…

気にしても仕方ない、か。


「ん、それじゃあ、軽くしばく。」


:しばく??

:刀ですが??w

:↑多分大きさ的に考えると刀ではなく脇差

:細かいなおいw

:言い方草なんだ


私は鞘から抜かずに、そのままコボルトジェネラルの頭をしばいた。


「グォォッ!?」


:いやまてw

:ホントに鞘でしばく奴があるかよw

:もしや、かなりのポン?w

:いやこれはポンってレベルじゃねぇよw

:ルナちゃん、それはね、刀って言ってね?鞘から抜いて斬るものなんだよ?

:↑煽りでは??

:↑↑バカにしすぎ定期

:↑そんな定期は無い


「いや知ってるよ?

ただ、この程度の相手だと盾ごと真っ二つにしちゃうから…」


そう、仕方ない。

決して、決してしばきたい気分とかじゃないよ。

…ほんとだよ?


:お?お?その武器、どのレベル帯で適正か言ってみ??

:おじさんたちが聞いてやんよ

:むしろ教えてくださいお願いします

:上が土下座しますから!!

白獣 ノノ:いいなぁ…わたしの今の武器、弱いんだよね…

:↑いや、ノノちゃんの武器一応世界でもトップレベルだからね?

:レベル700くらいの装備と比べられましても…


「えっと、この武器はね、多分だけどレベル300くらいが適正かな。

だから正直オーバースペックなのは否めないけど、いちばん弱い武器がこれだから仕方ない。」


「グォォォッ!!!」


「おっと…

遅いね、この程度ならスキルがなくても、見てから回避出来る。」


コメント欄に返事をしていると、隙と見たのか鋭い爪が私の目の前に一瞬で迫る。

しかし、それはあくまで配信ドローンを見ている普通の人から見たら。


私から見てみると、かなり遅くて軽く手を撫でてもふるくらいは出来る。

というかした。


「えいっ、えいっ!」


そのまますれ違いざまに10回程殴ったが、まだ倒れそうにない。

レベル1桁にしては中々耐えてるから、多分レベル上振れの10、かな。


:…おい、何回今しばいていたように見えた?

:わい、8回に見えた

:↑マジ?一回に見えたんだが…

:↑それは動体視力雑魚すぎ

:多分6回と見た!

白獣 ノノ:…多分、10回、かな?


「ん、ノノさん正解。

よく見えたね。」


白獣 ノノ:もっちろん!その前の爪避けた時、コボルトジェネラルの手をもふってたのも見えてたからね!


「…それは気にしないで」


:ちょいまてぇ!!

:何故あの避けた時に攻撃しないのかと思ったら…

:まさかのもふってたから!?

:いくらなんでも余裕こきすぎじゃね!?

:早く倒さないと大変だよ!?


「…でも上振れてるにしても体力が多すぎる。」


こんなにコメント欄と戯れていたとしても、私はきちんと攻撃を捌きながら合間にしばいている。

それでも全然倒れないのがすごく不思議。


このレベルなら余裕で死ぬはずなのに。

ジェネラル個体が通常より強くなるケースは3つだけあって、ひとつがユニーク個体であること。


これは倒した時に魔法書がドロップするから分かりやすい。

それに通常よりも大きな魔石をドロップするからありがたい。


二つ目は単純に硬くなるスキルを手に入れた個体であること。

これは倒しても特に何もドロップは変わらないから、分かんない。


一番めんどいのは、イレギュラー。


イレギュラーで、ボスがこいつではなくキング。

その場合は、キングのバフを受けてるからこんなに硬いんだと思う。


勿論鞘から刀を抜けば一瞬だが、それだと見てても楽しくないだろうし、戦ってても楽しくない。

とりあえずしばき倒してから考えよう。


「グォォ… 」


「うるさい」


また叫びそうだったので、真ん前に移動して顔を鞘で殴る。

うん、ストレス解消にいいかも。


…あ、別にこれは趣味とかじゃないけどね。

本当だよ?


「そろそろ、倒せるかな。

…えい!」


「ガォッ…ォ、ォ…」


そのまま数十発しばいたら、ようやく倒せたようで前のめりに倒れ、消えていった。

ジェネラルが消えた場所には、ドロップアイテムも何も落ちていなくて、三番目の理由だったと理解する。


「…面倒だな。」


:おめ!!

:ソロ討伐オメデトー!

:多分ノノちゃん以来の快挙かな?

白獣 ノノ:みんな待って!ドロップアイテムがない!

:は!?ほんまや!?

:ちょっと待って、どういうこと!?

:…終わってない、とか?

:え、でも普通の戦闘だと倒す度に消えていくよね?


「ん、説明してみると、統率の能力持ちのバフがかかっているモンスターのドロップ品は、統率の能力持ちを倒さないとドロップしない。

そして、統率のバフを掛けれるのは、掛ける相手よりレベル的に上である必要があるよ。」


:…つまり?

:イレギュラーって事!?

:おい!はやくにげないと!

:あぁ…バカでかい犬面が…!


「ん、あれはコボルトキングかな。

レベルにすると…50程度?」


何でジェネラル…将軍よりも王であるキングの方が強いのか分かんないけど、多分強いものが王になるって言う設定なんだろうね。


それか、王だから生まれつき強いとか?

まぁ気にしても仕方ないよね。


:コボルトキング!?

:初めて聞くぞ!?

:10層でも別のモンスターだよな…?

:ちなみにルナちゃん、逃げる気は…?


「ん?

この程度で逃げるわけない。」


:この程度…??

白獣 ノノ:レベル50がこの程度かぁ…

:もしやルナちゃんレベル引き継いでない?w

:↑流石に…な?


「…よし、さっさとしばこう。」


まさか気付かれそうになるとは…

まぁ、明言しなければ大丈夫…大丈夫だよね?


「グォォ!」


「吠え方一緒だね。」


さっきとは比べ物にならないくらいうるさいけど、吠え方は一緒。

声だけだと違いがわかんないね。


:やべぇなんもわかんねぇw

:全く見えんのだが?w

:現在日本最前線を走っているノノさん!どうですか!?

:ノノちゃんを使うの草

白獣 ノノ:残念ながらわたしも何も見えません!

:日本最前線走ってる人が見えぬのマジ?


「なるほど、ゆっくり見えるように錬金でいじっとく。」


必要な素材は…時幻龍…?

余計な効果つきそうだな…


:まじかよ錬金なんでもありだな

:錬金術が最強に見える…!

:でも実際は素材をそれ相応にしないといけないのであまり強いのは作るの大変

:それに素材も増えるから魔道具以外は別の生産職でいいんだよなぁ…

:魔道具に関しては今のところいいのないし


「…錬金術強いのに。」


「グォォー!!」


「黙ってて。」


「ガッ!?!?」


私はめんどくさくなり始めて、鞘から抜こうか悩みながらナイフを取り出して喉に刺し、咆哮できないようにすると同時に出血のスリップダメージを狙う。


体力の多い面倒なやつ相手は一撃で首を落とすか、まぁもしくは地道に倒すしかないんだよ。

首とか分かりやすい弱点がないと面倒。


こいつなら首を落とせばいいんだけど、私の武器、鞘だから切れない…


「おっと…

えい、えい」


:あのー、ルナちゃん?

:別に縛り解いてもいいのよ?

:てかむしろ解いて倒して??

白獣 ノノ:全く見えないの不安なんだけど、とりあえず、ばこっ!って音は聞こえるから鞘から抜いてないのは分かるんだよ!

:しかもめっちゃバコバコ鳴ってるからなんか笑えるのw


まぁ、余裕だからね。

よく考えて見てほしい。

私のレベル、今は雑魚狩りばかりだから8レベルだけど、ステータスではレベル1008クラスって事だよ。


勿論そんな単純なものじゃないけど、大体そんなもん。

だからまぁ、レベル50程度の奴じゃ負けないよね。


「ん、この程度のやつなら縛り継続。

刀を抜いたらよゆーだからね」


:おや?調子に乗ってらっしゃる?w

:見えないけどドヤ顔してそうってことは分かるw

白獣 ノノ:そういう所も可愛いよー!

:ノノちゃんこれはただの推し活中のオタクでは?

:ノノちゃん、ルナちゃんの全肯定botで草


「そろそろ終わらせるね。

せっかくだし、皆にも見えるように超級魔法使おうかな。」


うん、それがいい。

近接戦だとあんまり見えないだろうし、魔法なら派手だから分かるよね。


ダンジョンなら超級使って破壊しても再生するし。


:マジ!?

:超級魔法!!見たい!!

:あ、でも、詠唱長いんじゃ…

:そんな余裕…ありそうですねぇ!!

:誰も心配しないの草

:いや一部心配してるやろ!


「ん、神級まででも詠唱破棄余裕だよ。

ぶい」


大きな犬の攻撃を避けながらもアイちゃんに向かってブイサインを見せつける。


:わかったからきちんと避けて!?

:危ないよー!?心配だよー!?

:いやまて、神級まで余裕って事はやったことある!?

:え、それマジ?神級も使えるってことになるんだが…

:…でも使えても不思議じゃないなぁ…

:だって星のカケラで魔導書?が作れるんだろ?

:魔法書で確か上級まで覚えた前例があるだろ?

:なら神級まで出る可能性が…?


「あ、説明忘れてたね。

魔導書は超級以上しか出ないよ。

げーむでいうところの星四以上確定単発ガチャチケット?

魔法書は…一応超級以上も出るけど、ほとんど出ない。」


超級魔法…何を使おうか。

…よし、あれにしよう。

私の二つ名とは真反対だけど、仕方ないよね。


「【アイスコフィン】」


「……!?!?」


私が一言呟くと、コボルトキングが一瞬で凍りつき、驚きの表情のまま凍りついた。

うん、派手じゃないけど、これからが派手だからね。


:やべぇ、一瞬目を離したら凍りついてたんだが?

:【アイスコフィン】…氷の棺?

:かっけぇ…けど地味…?


「【アイスコフィン・ブルーローズ】」


このまま放置でもいいんだけど、どうせ配信だからね。

綺麗な方がいいでしょ?


:!?!?

:はっ!?

:おいさっき地味って言ったやつ!これのどこが地味だよ!?

:いや、氷が砕けて青い薔薇のようなものに変わるなんて誰が予想できるかよ!!

:それはそう

:それにしても…綺麗だなぁ…

:現実逃避やめてもろて

:いやだって…こんなん逃避しても仕方ないやん…

白獣 ノノ:わたしの超級魔法より凄い…!

:待って、ノノちゃんも使えるの!?

:いやそれも気になるが今はこの綺麗さに浸る時…

:これを一言二言で使えるのマジ?

:これが人間兵器…ですか…

:よく見りゃこれ、この部屋全て凍らしてねぇ!?


「あ、よく気付いたね。

確かに周り全部凍ってるよ。

ついでに壁をちゃんと見て?」


アイちゃんを壁に向けると、氷の薔薇が壁にも咲いており、上からはキラキラと氷の粉が落ちてきているので幻想的な風景になっている。


「うん、この魔法、それなりに強いしやっぱり綺麗だね。」


デメリットとして素材採取できなくなるから、ブルーローズまでは使えることがほぼないのが悲しいけど。

ここダンジョンならドロップアイテムって感じだからいいよね。


:やべぇ、綺麗すぎて…こう、綺麗

:語彙力とけてるやついる!?w

:仕方ねぇよw

:あ、よく見たらドロップアイテムも凍りついてて草

:あ、砕け散ったw


「あ…

解除遅かった…」


:落ち込みルナちゃんかわいいw

:そういうとこも好きよ?w

:やはりポンなのでは?


…やっぱりこの魔法あまり素材集めには向いてないよ…!!

はぁ、やらかしたなぁ…


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