第一工場建設中
知ってるか?
日本の工場でAGVが流行らないのはなぜか?
それは第一工場の、第二工場と工場を拡張していくが、大抵は水平な地面じゃなくて段差があったり手狭であったりして今のレベルのAGVじゃ中小企業に導入するにはハードルが近いからなんだ。
と誰に言うまでもなく呟きながら館の中の工場建設地を眺めている。
「エロワ君、ちょっとこっちに来てくれるかい。紹介したい方がいるんだ。」
そう言って背の低いドワーフのいかにも親方という風貌の男との間に手招きしてきた。
「どうもこんにちは、エロワと申します」
まずは挨拶してみた。
「ふん、貴様がエロワか」
「はいおそらくそのエロワだと思います」
「ふん、貴様のなんだ動線と言ったか、あの考えは面白い。確かに経験的には分かりそうではあるが実際に名を付けて考えとしてまとめたところは大したもんだ」
「ありがとうございます。」
「我々は鉱山などでも採掘を行ったりしているが、確かに手狭な通路やスペースで、事前にどう形作ろうかまでは考えていたが、そこから更に人の動きまでも事前に考慮するという事は表だっては認識していなかった。これを体系化すれば全体でも改善が見込めるだろうよ」
「方法を思いつく事は誰でも等しいチャンスがありますが、思いついた事を実際に行うのとでは天と地との探しありましょう」
「坊主、面白い事を言うな。気に入ったぞ」
そう言ってバンバンと背中を叩いてきた。
「うお、痛!」
「ガハハ軟弱だな」
「このクソ餓鬼があああああ!」
「!?」
いきなり、眺めていた隊列にいたその人物と目が合うが先に、其の者がこちらに襲いかかってきた。
俺は難なく飛びかかってきた者を躱す。
「うお!?」
まさか躱されるとは思わなかったのか、其の者は前につんのめる。
ザザー!!!
顔から砂利の地面に突っ込んだ。
うわあ~見ているこっちが痛くなる。
「いて~!!!!」
そういいながらそいつは地面を転がりまわる。
「うるせえぞ、コイツ!」
ボンッ!
駆けつけた兵士が地面にいるそいつを棍棒で叩きつける。
「いでええ!!!」
今度は海老反りに叩かれた背中を庇うように転がり回る。
一体何をしたかったんだコイツは?
「ふむ、彼はリディさんのお父上ですな」
ラフォンはまるで競馬場でコーヒーでも飲みながら走る馬を見ているような感じでそう言った。
「え?あっ、確かに見覚えがあったようなと思ったらリディさんのお父さんでしたか」
確かに言われてみればこんな顔だったかもしれない。
「はあ、はあ、このクソガキが!お前の所為でこんな目に合ってるんだぞ!」
「え?いやいやそもそも子供虐待をしていたのは貴方でしょう?」
「俺の子供をどうするかなんて俺の勝手だろ!」
「いやいや、それは正しいような正しくないような。しかし、生まれてきて以降、自我があるのだからやはり親子どいえど勝手にどうにかする権利なんてないだろう」
「ごちゃごちゃうるせえんだよ!」
「どっちにしろワラ様の裁きは受けるだろう。教会に引き渡すよう旦那様にお知らせ致しましょうか?」
「ひい!それだけは勘弁してくれ!」
「なんで急にこんなに怯え始めたのでしょうか?」
「それは今の我々が優しすぎるくらいにワラ教徒は姦淫、特に子供に対しては苛烈ですからね。我々でも見るのが憚られるほどの拷問をされる事でしょう。」
こっちも一番の狂気はやはり宗教なのか。
「ならば、大人しく働け。心を入れ替えればもしや何時の日か自由が訪れるかもしれないぞ」
「チッ!」
納得はしてないが、これ以上暴れてもどうにもならないことは分かったようでリディのお父さんは大人しく列に戻り作業を再開した。
「その年で業が深いですねエロワ君は」
「いやいや、自業自得でしょ?!」




