図書室
今日はお館様の許可を得たので図書室にいる。
と言っても精々6畳間程度の大きさではある。
しかし、革製である事を考えるとここだけでもかなりの金額になるだろう。
「さてさて、どこから手をつけたら良いものか」
とまず一番手近にあった書棚の本を手に取る。
おっとこれは挿絵が一切無い本の様だな。全く何が書いてあるのか分からん。
文字はアルファベットに近い感じだが英語でも無い。どちらかというとケルティックっぽい。
それから暫く本を取っては戻してを繰り返す。
「探してる本は見つかったの?」
ふと声を掛けられ、声がした扉の方を見ると奥様がドア枠に持たれながらこちらを見ていた。
「それ以前に文字が読めずです。挿絵が、入った本で文字の勉強が出来ればと思ったのですが」
「あらそうなのね。でも残念そんな本は無いわ。都の方には挿絵ありのもあるけど少なくともこの蔵書には無いんじゃないかしら」
「そうなんですね」
ガックシと肩を落とす。
「教えてあげましょうか?」
「え?」
「だから字を教えてあげましょうかって言っているのよ。勿論、付きっきりはできないけど基礎くらいは付き合ってあげるわ」
「奥様の手を煩わせるのは心苦しいです」
「あら心苦しいと思うのなら、そうね、私が喜びそうなものでも作って貰いましょうか、あとクロエも一緒ね」
「えっ?ベルティーユ様、クロエも良いの?」
「勿論よ、貴女も一緒に勉強なさいな」
「ベルティーユ様ありがとうございます!」
「あらあらクロエは可愛いわね」
いつのまのか凄い距離だな2人は。
まあ仲が良いのは良いことだあまり深くは考えない様にしよう。
「ありがとうございます。それで是非宜しくお願い致します。」
「じゃあ、そうね明日の貴方の仕事が終わった後なんてどうかしら」
「こちらは教えて頂く身ですので奥様のご都合のよろしい時間にお願いします」
「分かったわ、じゃあそういう事で」
そう言って奥様はもう用は済んだのかクロエを連れてどこかへ言ってしまった。
、
、、
、、、
、、、、
もうここには何もないようだ。
「俺も移動しよう」
〜
「ほお、奥様がそんな事を」
やることがなかったのでラフォンさんに進捗状況を確認するために会った時に今あった出来事を話した。
「良いんでしょうか好意に甘えてしまって」
「よろしいのでは無いでしょうか。奥様ご本人がそう申し出てらっしゃいますから。それに」
「それに?」
「心なしか、貴方とクロエさんが屋敷を出入りするようになってからか、旦那様の奥様も明るくなった様な気が、、、いえそうに違いありません」
「そうなんですか」
「ええ、前も悪くはなかったですがやはり若い人達がいると違いますね」
「そうでればいいんですが」
「そうですよね。それにこうやって新しい事を持ち込んでくれたのですからこれからも期待してますよ貴方には」
「いえいえこちらこそラフォンさんも宜しくお願いします」
そうやってしばしラフォンさんと話し込んだ。




