執事ラフォンとの打ち合わせ-その3
「さてとでは、昨日の続きをしましょうか?」
「そうですね」
「、、、奥様は今日も見学でいらっしゃいますか?」
「ええ、私はここから拝見させて頂きますので、お気になさらず」
「お気になさらずって、、、、はあ、まあ承知しました。さて、昨日の続きです。」
俺は見学者にも説明が聞こえるように少し声のボリュームを大きくして、説明をする。
「昨日準備した油脂と木灰汁ですが、先ずこの2つの温度を温めます。大体人肌より温かい程度です。別々に鍋を使用して温めていきましょう」
そういうとラフォンさんは、温める準備をさっと始める。
「ありがとうございます。はい、ちょうどこんな感じの温度ですね。指を入れてみて下さい。おおっと、濃い木灰汁は触れたあとにそのまま放って置くと皮膚が被れますので、触れて温度が分かれば直ぐ水で洗ってくださいね」
「なるほど」
「油脂と木灰汁が同じ温度になりましたら、この2つを混ぜていきます。油脂に木灰汁を撹拌させながら足していきましょう。こんな感じです。」
俺はそう言いながら木灰汁を掻き混ぜながら油脂の中に落としていく。
混ぜる
混ぜる
ひたすら混ぜる
「はあ、はあ、こんな感じで混ぜていきます」
「エロワ殿代わりましょう」
「あ、ありがとうございます。」
そうして二人で混ぜていく。
「なかなか、大変なのね」
う~ん、離れたところから奥様が優雅に紅茶を飲みながら一言。
「ところでエロワちゃんはいつ妹さんを連れてくるのかしら?」
「いやいや、流石に昨日の今日で連れてはこられませんよ。最低限マナーを教えてからでないと」
「あら、そんな気を使わなくても良いのに」
「いやいや、会ったら挨拶をする、走らない、触らないといった基本もですよ」
「真面目なのねエロワちゃんは」
「それは真面目にもなりますよ、粗相一つで首が飛ぶかもしれませんから」
「まあ、その用心深さはこんれから必要になるわね」
「褒め言葉として頂きましょう。あっ、ラフォンさん、そろそろ良さそうです。はい、こんな感じのちょっとドロっとした感じになってきましたね、こんな感じです。」
「ほお、これがか」
「これがあの固い石鹸になるのね」
「うわっと、奥様そんな近くに寄らないで下さい。危ないですよ」
「そんなちょっとくらい良いじゃない、でもだいぶ柔らかいのね」
「ええ、お使い頂いた石鹸の硬さになるには一週間は干さないといけませんので。まあ業務用には一ヶ月ほどは干しておきたいですが」
「それでこのドロっとした液体をですね、この準備した型に入れます。型にいれたあとに一日待ちましょう。この際、この形の周りを藁で覆って、温度が下がるのをゆっくり下がるようにしましょう」
「ふむ、急激には下げてはいけないと」
「はい、奇麗に固める為にはゆっくり冷まさせる必要があります」
「さて、ここまで来たら殆完成です。あとは明日、この塊を使いやすい大きさにカットして押印を押して風通しの良いところで一ヶ月程度干せば完成です」
「なるほど、大体の工程がこれで分かりました。この規模だと1回で50個程度の数量が作れそうですな」
「はい、確かにこの量であれば取れるのはそれくらいの数量になりますね」
「量産時には日産でどの程度作るべきか?を決める必要がありそうですな」
「そうですね、仮定する生産量に応じて工場の敷地面積を決める必要があります。勿論、将来的な増産も見越したうえで拡張性を持たせるか?も検討が必要ですね」
「ふむふむ、大体のイメージが湧いてきました。失礼ながら奥様、この石鹸、数量にしますと一月あたりいかほど需要が見込めるものでしょうか?」
「そうですわね、売れるといえば幾らでも売れるでしょうけど、いきなりそのような規模の投資は我が家では厳しそうですわね。それよりは、この釜と瓶の専有面積と我が家の面積を考えますと、精々4倍程度の大きさの面積くらいではないかしら?それ以上の規模で行うには、色々と準備が大変になるとおもうわ」
流石奥様、伊達に領主様の手伝いをしている訳では無いな。大体のイメージをパッと言えるのは具体的な数字がイメージできているからだ。
「流石です。奥様、私奴もいきなり大規模での生産は大変かと思いますので先ずはその程度の規模で始め、販売が軌道に乗った際には別途、工場を建てるのがよろしいかと思います」
「私も同意致します。」
ラフォンさんもこの考えに異論は無いようだ。
「ではそれでお願いね」
いつのまにか奥様が仕切っているが、まあ領主様の台所は奥様が管理してそうなので問題ないか?
「では私の方で、この瓶と鍋の数量で作業できる建屋について素案を大工と一緒に作ります。」
「ありがとうございます。ラフォンさん」
こうして、あらかたの石けん作りのテストは終了した。
え?まだ石鹸に切っていないって?いやあとは切断してミントを押し込んで乾燥させるだけだから、後はどうにでもなるよ。




