翌日
次の日
とりあえずアシルさんから領主の館に来るよう命じられていたので向かう。
道中これまでを振り返るが、
何か思ってたのとちがう~
何か思ってたのとちがう~
異世界転生で俺TUEEEE、俺モテRUUU!!!
と思ってた。
しかし、実際はどうだろうか?
多少は暮らしは良くなったが、相変わらず荒屋に毛が生えた程度の家に住む、果ては盗賊に追われて肥溜めに飛び込む始末である。
魔法学園ストーリーはいつ始まるのだろうか?
そんな、仕様もないことを考えているうちに門の前に到着。
「頼も~!!!!」
やるせないので対応も若干雑に成らざる得ない。
「おお、エロワか?」
「おはようございます。エタンさん」
「アシル殿から話は聞いている。昨日は大活躍したんだってな?」
「妹を助けるので精一杯でしたよ」
「いやガキなのにすげえよ、じゃあ、、、と今日はこっちだ。こっちにこい」
?
「?屋敷ではなくて?」
そういってエタンに着いていき通されたのが庭だった。庭には椅子と、椅子から離れた場所にこれまたテーブルと椅子が置いてある。
「お前はこっちの椅子で少々待ってろ」
「はあ」
そういって指定された椅子に座っておく。
暇なので庭を見渡すが、まあド田舎の領主様なのでTHE貴族というイメージほどには広さは無い。しかし、庭などは手入れされており、好感が持てる造りだ。
「エロワ君!」
バッ!
いきなり後ろから抱きつかれた。
「!?リディさん???」
「エロワ君、心配した。。。。すごく心配したわ。無事で良かった」
むむむ、後ろから抱きつかれ、、なにやら柔らかい感触が、、、い、いかん心を無にしなければ・
「リディさん、はは、心配ありがとうございます。この通りピンピンしていますよ」
「昨日、領主様から街に盗賊が入って、エタンくんが盗賊に追わたって聞いた時は心臓が止まるかと思ったわ」
「はい、幸いなんとか、、、無事です。あ、あのそろそろ離れて頂けると、、、その」
「あ!?ごめんなさい私」
「うおっほん」
いきなりわざとらしい咳をする声が聞こえ目をそちらに向けると、領主様がこちらを見ていた。
「あらあらリディさんは大胆ですこと」
扇子で口元を隠しながら、ベルティーユ様もこちらを見ている。
「し、失礼致しました」
リディさんは急に顔を赤くしながら、そそくさと後ろに下がる。
「感動の再会のところ、悪いがね」
「いえいえ」
「うむ」
そういってお二人は俺よりも少し離れたところに座る。
気がつけば、テーブルにはティーセットが置かれていた。
「昨日は大活躍だったそうだな」
「はっ、ありがたきお言葉。して今日はなぜ外で?」
「お前が分かっておろう、、、他に逃げ場は無かったのか?」
!?
まさか俺が汚いだと!?
「体はしっかり洗いましたが?」
「気分の問題だ」
「はあ、まあしかしガキが逃げても直ぐに追いつかれるでしょうし、部屋に小屋に入ろうものなら叩き入られるか火炙りにされるでしょうし」
「ふむ、確かにな。闇雲に肥溜めに飛び込んだという訳でもないか」
「あの時のベストではありましたね」
「そうだな。お前が通りを直線に通らなかったお陰で被害は最小限に抑えられた。お前の家は村の入口に近いからな」
「はっ、ありがたきお言葉」
「何でもとは言えぬが、望みがあれば言ってみろ」
「ありがとうございます。では子供用の言葉を勉強する本をお借りする事はできないでしょうか?以前、書斎への立ち入りを許可はして頂きましたが、その前に読み書きができるようにならねばと思っておりました」
「ふむ、、、」
「あら貴方、それならば私が丁度良い本を持っておりますわ」
「お前そんなものを持っていたか?」
「ええ、、、昔いずれ使うだろうと購入したのがございますわ」
「、、、そうか済まないな」
「お気になさらず。エロワ君、あとでエタンに届けさせるわ」
「本はワシの腹は痛まぬがゆえに、他に何か要望はあるか?」
「はっ、それでは大変厚かましくはございますが、私奴の妹も書斎への入室をご許可頂ければ」
「貴様の妹だと? 字は読めるのか?」
「いえいえ、今は読めませぬ。しかし、私奴が教えようと思います。」
「そうか、家族は大事にするに越したことはない。許可しよう」
「はっ、ありがとうございます」
「うむ、では今日はこれくらいか。下がって良い。あっ、そうだ。石鹸の量産に関しては早く実現急げ」
「はっ、仰せのままに」
今度こそ話は終わった。
「ではリディさんお仕事がんばってくださいね。」
帰り際、端に控えていたリディさんにも挨拶する。
「うん、エロワ君も気をつけて帰ってね」
さて、家に帰るとするか。




