リディの面接
~領主の部屋~
コンコンコンコン
「入れ」
「失礼致します。ドミニク様、エロワと面会者が来ましたので連れてきました」
「うむ、ご苦労。下がって良い」
「失礼いたします。」
「失礼いたします。」
そう言うと、リディもエロワに続き書斎に入室する。入った後は領主様の机の前にエロワが立ったので横にならぶ。
「ほう、その子がお前が言っていたリディとやらだな?」
「はい、こちらがお話をさせて頂いていたリディでございます。リディ、挨拶を」
「はい、お目にかかれて光栄です。リディと申します。」
そういって、事前にエロワ君に教えて貰ったように、両手で左右のスカートをつまみ、足を広げ腰を落とす。
「あら、お辞儀がきちんとできるのね、すごいわ」
「リディ、こちら奥様のベルティーユ様です。」
「お目にかかれて光栄です。奥様、リディと申します。」
そういってもう一度お辞儀をする。
「ふむ、最低限の所作はもう教えてたという訳か?」
「と言いましても私奴が知る限りの事しか教えることができず、至らぬところがあるかもしれませんが、その時は私奴をお責めください」
「ふん、そんな見え透いた建前などいらんわ。早速だが、本題に入る。リディは、我が屋敷で働く意思はあるか?」
「はい、是非働かせてください」
「エロワちゃんから話は少し聞いたけど、計算ができるんだってね?実は屋敷の中でも計算ができる人間は私を入れて3人だけなの、だから本当に計算ができるのであれば頼もしいわ」
「とは言っても、本当にできるのか確かめる必要がある。今から問題を出すが答えられるか?」
「はい、ですがもし宜しければ陶板を使うことをお許し頂けるでしょうか」
「エロワが作った例の陶板か、構わん」
「ありがとうございます」
「では問おう。1個銅貨3枚の人参が3本、1玉銅貨5枚のキャベツが5玉、合計でいくらだ?」
思わず緊張で頭が真っ白になりチョークを持つ手が震えたが、横でエロワ君が応援してくれているのが分かる。す~と息を吸い、吐く。
この時の為に一所懸命に勉強したんだ。頑張らないと。
「銅貨34枚です。」
「。。。陶板で計算はしていないようだが?」
「はい今の問題でしたら、書かなくても計算できます」
「まあ! 凄いわ」
「ふん、一応最低限はできそうだな。では次に行く。1個銅貨30枚の石鹸を32個。一匹49枚のフナが3匹。合計は?」
聞いた問をすぐ陶板に書き込む
「30×32=960枚、49×3=147、960+147で答えは1,107枚です!」
「ほう、千の位まで計算ができるのか」
「はい」
「ねえ、貴方、もう十分なんじゃないの?」
「そうなだ、とりあえずこの程度の計算ができるのであれば少なくとも整理の役には立つだろう」
「ありがとうございます。」
「働くとなった場合には、、、どうしたい?すでにお前の両親の事は聞いている」
「はい、できればお屋敷で住み込みで働かさせて頂ければと思います。勿論、計算以外の雑用でも何でも致します!」
「そうか、分かった。待遇についてだが、見習いとして昼と夜のまかない付き、部屋付き、他の使用人と同じ扱い。それと給与として月銅貨200枚だ」
「はっ、はい。ありがとうございます!」
そういって腰を落とす。
「エロワは何か言いたそうだが、わしとしては未だ貴様の能力が分からん。もっと良い待遇を望むのであれば実力で勝ち取れ」
「滅相もございません。しかし、この御恩、働きで返させて頂きたく存じます」
「これから、よろしくねリディ」
そういって夫人はリディの手を取り微笑む。
「はっ、はい、奥様」
「住み込みになるけど何時から移るの?」
「はい、今日からでも問題ございません」
「あら、家に何か取りに行かなくても良いの?」
「いえ、あの家には、、、私のものは何もございません、、、」
「そう、じゃあ使用人の紹介するから付いてきて」
「リディさん、おめでとう。がんばってくださいね」
「あっ、ありがとう!エロワ君、本当にありがとう!」
「良いよそんなの、頑張ったのはリディさんだから」
「うおっほん! 領主前で良い度胸だな?」
「ああっ、すみません。」
「まあ良い、用事が何ならとっとと下がることだ」
「はっ、ありがとうございました。失礼致します。」
そう言って退席する。
がんばれリディさん!




