とある日の晩、アルバンの家では
「ただいま~」
「お帰り。手は洗ったかい?」
「まだ、洗ってくるわ」
エロワが石鹸を作って以降、少しずつ石鹸を使った事のある家庭では、汚れたら石鹸で洗う、帰ってきたら石鹸で洗うという衛生観念的なものが芽生え始めてきた。
「洗ってきたよ~」
「そう、もうご飯できるから。これテーブルまで持って行って」
「はいよ、父ちゃんは?」
「酒場にでも顔出してるんじゃないの?もう帰ってくる頃だろうね」
ガチャリ
「ただいま~」
「お帰り、手は洗ったかい」
「ああ、洗ってきたよ」
3人集まったのでみんなでテーブルについてワラ様へ短い形式で祈祷する。
「さて、食べようかね」
「いただきます!」
テーブルの上にはパンとスープだけ。スープに玉ねぎや人参が入っている。うちは肉を卸していることもあって他の家よりも肉の量は多いと思う。
「おっ、そういえばこれ今日エロワから貰った分!」
そういってアルバンはエロワから貰った稼ぎをテーブルに置く。
「こんなにあるのか?」
「うん、俺も多すぎるとは思うんだけど、豚の油を提供したり手伝ってるから正当な報酬だとかなんとか」
「とても11歳とは思えないわね」
「そうだな。アルバン、お前はエロワ君を裏切らないことだ」
「何でだよ?」
「とてもじゃないが彼は普通じゃないな。まあ良い意味でだ。彼はアルバンに良くしてくれているのだろ?その友情を大切にしなさい。」
「そんなの言われて大切にするもんじゃねえだろ、エロワはもとから俺のマブダチだ」
「そうか」
そういうと親父は温かい眼差しでこちらを見てくる。
うへ、なんかなれない視線で気持ち悪いぜ。
「でも、これはあんたが稼いだ金なんだから自分で取っておきなさいよ」
「いや、でもそもそも金なんて何に使うんだよ。この村で何が買えるんだよ」
「うっ、それは、、、そうだな」
確かにここはど田舎。市場といっても売られているのは食べ物や、必需品。おもちゃやお菓子の類などは一切売られていない。
「結局、俺の楽しみは晩ごはんだ。だったら家に貢献して少しでも美味しいものが食べたい」
「食い意地か、わかったよ。この金は食卓に貢献してもらうよ」
「おうよ!」
そういって家族3人晩餐を楽しんだ。




