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冴えない中年営業マン、異世界へ転生する++  作者: 4ris4k4
~第一章~中年は異世界へいざゆかん
40/78

ほお、◯板とな?

領主様への初納品後の資産はどれくらいか把握しておかないとな。


----------俺の金融資産----------

期初-銅貨:+354枚

期中-銅貨:+197枚 //売上-油脂-アルバン取り分

--------------------------------

期末-銅貨:+551枚

--------------------------------

--------------------------------


----------俺の棚卸資産----------

ただの石鹸(20gタイプ):56個

--------------------------------

--------------------------------


※実際には銀貨もあるが、便宜上銅貨相当で換算


ってところか。


そろそろ、テラコッタも出来上がっている頃だから取りに行こう。






窯元(かまもと)


「ブリスさ~ん、いますか?」


「おう、こっちだ」


そういってブリスさんは小屋の横の作業場から声を出してきた。


「こんにちは」


「おう、来たか。頼まれたものはもう出来てるぞ。こっちだ」


そういって窯から出てきて作業棚の方へ歩き、その長方形のものを取り出す。


「これだこれ、どうだ?お前が望んだものか?」


「はい!ちょうど良い感じですね~全く問題なしです」


「そうか、なら良いんだがね」


「はい、ありあとうございます。1枚銅貨20枚でしたよね?それであれば銀貨1枚で良いですか?」


「ああ」


そういってこっちが出した銀貨1枚を受け取る。


「確かに受け取った。勿論、落としたら割れるから気をつけろよ」


「はい、ありがとうございます。おそらくこれからも色々お願いするかもしれません。その時は是非よろしくお願いいたします」


「ああ、注文は大歓迎だぞ!」


そういって、受け取ったテラコッタの内、4枚を一旦家に置いて、それから残りの1枚を片手に領主の館へ向かった。






~領主の部屋~

コンコンコンコン


「入れ」


「失礼致します。ドミニク様、エロワが来ましたので連れてきました」


「うむ、ご苦労。下がって良い」


「はっ」


「さて、前置きはいらん。今日は何のようだ?」


「はい、以前ご紹介頂きました窯元についてですが、口添え頂きましてありがとうございました。お陰様で目的のものが手に入りましたので、今日はその新しいものを紹介いたしたく参上しました」


「ふむ、続けろ」


「はい、これは変哲もないただのテラコッタです。」


「そうだな、そんな陶器の板で何をするつもりだ」


「それはですね、こうするのです」


そういって俺は数日前に自宅で作った卵の殻とオーツ粉を混ぜ合わせて固めて乾燥させた棒を取り出し、領主様の前でスッとその陶器の板に軽く押さえながら引いた。


「なっ!? 字が書けるだと?」


「はい、これを陶板と名付けます。前々からなにか書くものが欲しいと思っておりました。石板は手に入らないでしょうし、木板も高い。それならば粘土で作った板ならばまだコストも安いだろうと思った次第です」


「確かに、土ならば木材の板を作るよりは難しくないな。しかし、貴様字の読み書きはできるのか?」


「いえ、出来ません。農民の家には字に関連するものが置いてあるはずないですし、読める人を探すのは難しいのではないでしょうか」


ズテン、と領主様がズッコケた。おお、領主様も突っ込める口なのか?


「そうだ、字の読み書きができるやつ等、非常に少ない。我が領に至ってはわしと妻と執事くらいだろう。ならば、読めないのに何をするつもりだ」


「字は分からなくとも数の記録を取ることはできますよね」


なるほど、こいつは商売の記録を取りたいというのか。字は読めないが、記録は取れる。全く歪な奴だ。


「なるほどな、で、それは売るつもりか?」


「う~ん、どうでしょ。正直、陶板もこの棒、私奴はチョークと名付けますが、どちらも製法は至って簡単ですので、あんまり売ろうという気にはなりませんね。というかそもそも、我々農民のうちどれだけの人が”記録する”ということを知っているかですね」


「では、あくまで自分のためにと?」


「はい」


「そうか。これは貰って良いか?」


そういって陶板とチョークをもらう仕草を見せる。


「はい、どうぞ。贈呈用で持ってきましたので」


「そうか、礼を言う。しかし、正直に言えばこれは助かる。これまで計算をしようとも山羊の皮で出来たこのブックはあまりにも高価すぎて書き間違えた日には恐ろしいからな。この陶板で事前に計算して、確認したら転写するという方法が使えれば非常に助かる!」


「そういって頂ければ嬉しいです。ちなみに、書き終わったなら、乾燥した布で叩くようにさらえば文字は消えると思いますので、また再利用できると思います。それでもきれいにならなければ水で洗って天日干しすれば良いかと」


「うむ、分かった」


「はい、ではこれにて失礼致します」


「待て、この礼という訳ではないが、わしの書庫の閲覧を許そう」


「え!? 良いんですか?」


「ふん、この館じゃ読める人間が限られているからほとんど読まれてないに等しい。決して安いものではないからな。だからもし貴様が興味があるならば読んでみるが良い」


「はっ! ありがとうございます。」


俺は願ってもいないドミニク様の思いがけない提案に感謝を示す。






~エロワが帰った後の領主の部屋~


「あなたが書庫を他人に公開するなんてびっくりしましたわ」


「ふんっ、奴はこれからもなにかいろいろとやるだろう。書庫を開放するだけで、奴の気が惹けるなら安いものではないか?」


「あらあら、あなた大分気に入ったのねエロワ君のことが」


「ふんっ」


そういって書斎の窓から、もう門のところを出ようとしているエロワを一緒に眺めていた。





----------俺の金融資産----------

期初-銅貨:+551枚

期中-銅貨:-100枚 //陶板20×5枚

--------------------------------

期末-銅貨:+451枚

--------------------------------

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----------俺の棚卸資産----------

ただの石鹸(20gタイプ):56個

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