窯元
「こんにちは~誰かいますか~」
今日は窯元にやってきた。
「おう、誰だいあんちゃん?」
そういってにょろっと奥の部屋から顔を出してきた中年男性。
「すみません、突然。農民の子、エロワと言います」
「俺はブリスだ。で子供がこんなところに何の用だ?」
「はい、まずこれを読んで頂ければ」
そこでドミニケ様に書いてもらった手紙をブリスに手渡す。
ブリスは手紙を開封し、読んだ後
「あんちゃんは変わってるな、領主様がこんな事をするのは初めてだよ」
「と言いますと?すみません、手紙に何が書かれているかは分からないものでして」
「領主様はあんちゃんが何かを望んだ際には、できる限り協力するようにとのことだ」
「そうなんですか、それは恐れ多いですね」
「ホントだよ。で、何が欲しいんだ?」
「テラコッタ(素焼き)で焼くことは可能ですか?」
「勿論可能だ」
「良かった、実は焼いて欲しい形状がありまして。こう、大きさはこれくらいの長方形で、厚さがこんな感じの板を作ることは可能ですか?」
「そりゃあ可能だが、釉薬などを塗らなくていいのか?表面がザラザラになるぞ?」
「はい、今回はこのザラザラが欲しいので」
「そうか、分かった」
「はい、これを5枚ほど欲しいのですが、お値段いくらくらいになりそうですか?」
「まあ、ただの素焼きだからな。1枚銅貨20枚ってところだが大丈夫か?」
「ええ、それならば出せそうです。お手数ですがお願いしてもよろしいですか?」
「ああ、そうだな。他のものをまとめて焼くから大体1週間くらい掛かるが大丈夫か?」
「はい、それで問題ありません。よろしくお願いいたします。頭金は必要ですか?」
「まあ、本来ならば貰わないといけないんだが、領主様の推薦があるなら出さなくて大丈夫だ」
「そうなんですか、ありがとうございます。ではよろしくお願いいたします。」
「ああ」
そう、挨拶して家路につく。
家につきながらぼ~っと考えるが、まあ想像してたよりはお金はそう簡単には集まらない。だからコツコツ増やしていかなければならない。
お金も増えれば重くなる。常にぶら下げてジャリジャリさせるわけにも行かないから、保管方法を考えなければならないな~
およそ11歳らしからぬことは考えてしまう。
もう少しゆっくりしたい気持ちもあるんだけど、先立つものがなければ心もとない。
今は、とにかく動いて稼がないとな!




