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冴えない中年営業マン、異世界へ転生する++  作者: 4ris4k4
~第一章~中年は異世界へいざゆかん
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こんにちは、新しい家族よ

気が付いたら目の前には天井があった。


「エロワ!?エロワ!、ねえ貴方エロワが起きたわ!」


「お兄ちゃん!、お兄ちゃん!」


目が覚めたと思ったら、そういう声を聴き、体を揺さぶり続けられる。


「や、やめて、頭が痛い」


「ああ、ごめんなさいエロワ」


上手く喋れずかすれ気味そう呟くように言うと、揺れは止まった。


無事、転生を果たした、、、と言っても良いのだろうか。


「おお、エロワ目を覚めしたのか!」


目の前の薄汚い中年は涙を零しながらそう言う。


ああ、これが俺の新しいか家族なのか。


薄汚い中年の横に、これまた薄汚い女性、そして爪先の先には小さい、これまた薄汚い少女が笑顔で何かを言っている。


どうにも薄汚すぎて、どんな顔をしているかさえも良くわからない。


そもそも頭も痛いし、体も何故か痛く起き上がることも出来てない。


「だめ、まだ動いちゃ駄目よ」


そういって母親らしき女性に起き上がろうとするのを制止される。


「馬車に弾き飛ばされて、塀に衝突したんだ。それから五日間も昏睡状態だったんだぞ」


なるほど、それで頭も体全体も痛いのか。


起き上がることを諦め、再び天井を見る。


天井を見るが、やはり汚いし暗い。


「お兄ちゃん! 大丈夫?」


薄汚い少女が心配そうに覗き込むように俺に話しかけてくる。


心配そうな顔に俺は何とか声を吐き出す


「ああ、大丈夫だ。心配するな」


「うん、早く良くなってね!」


そういうと左手に握られる感触を感じる。


心なしか痛みが和らいだ気がした。


目を閉じる。


そうすると海中に沈むような感じで意識が遠ざかるのを感じた。

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