木こりのオーバン
彼の小屋は確かに村のハズレであり、森に近接する、少し離れた場所にあった。
今にも崩れそうな年季の入った小屋の前まで歩き
「すみませ~ん、誰かいますか?」
と声を掛ける。
しかし、その小屋からは何も音が聞こえない。
「すみませ~ん、いますか!」
もう一度、大きな声を掛ける。
「なんじゃ?」
すると、家ではなく家の裏からひょっこり大男が顔を出して返事をした。
「ああ、どうも初めまして。私は農夫の子、エロワです。」
「農夫の子、エロワよ、子供が何のようだ?」
「はい、実は木材が欲しいのですが」
「木材をだと?ガキには過ぎた買い物だな。帰れ」
「何故ですか?」
「お前に出せる訳ないだろ」
「はい、だから今日は挨拶と値段を聞きに来たのです。」
「なぜ俺がそんな無駄なことをしないといけないんだ」
「それは、私がお金を持っているからかもしれません。実は今、これを作って村で販売しているのです。」
そういってポケットから例の石鹸を取り出す。
「なんだ、それは?」
「石鹸なのですが、、、村できいたことありませんか?」
「俺は村には滅多に入らん」
「そうでしたか、この石鹸というもなのですが、、、」
そういってこれまで通り石鹸の使い方を教える。
「ふんっ、悪くないな」
「はい、お近づきのしるしに1個お渡しします。因みに村では10枚で売っています。結構売れたりしています」
「そうか、、、、、、わかった。」
「はい、それで木材のお値段を聞きたいのですが?」
「木材は基本的にはキロ当たり銅貨140枚だ」
「なるほど結構しますね?」
「ああ、馬鹿な奴はそこらへんい生えている木を切るだけだろというが、木自体は一応タダといってしまえば良いが、実際には切り倒して製材にするには労力が大きい」
「確かにのこぎりでギコギコ板まで切ろうと思ったら相当の力が必要ですね」
「ああ、そうだ。鋸で切っていかなければならないのだから当然コストは高い」
「確かにそうですね。残念ながら今直ぐに注文を出すには手持ちが足りず難しそうです。近々注文の相談をさせて頂きたいと思います。」
「そうか、まあ値段が値段だからな。期待せずに待っておこう」
「はい、今日はありがとうございました。」
「あっ、すみません、まだ名前を聞いていませんでした。お名前は?」
「オーバンだ」
「なるほど、オーバンさんですね!これからよろしくおねがいします!」
「ふん」
オーバンは鼻をならし踵を返し森に戻っていった。
、
、、
、、、
、、、、
、、、、、
もうここには何もないようだ。
踵を返し家に戻るとしよう。
道中考えたのは、やはり木材のコストが高いので、まとまった資金を確保するにはやはり領主様との取引を成功させなければ次のステップには進めそうにないなと思いにふける。




