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冴えない中年営業マン、異世界へ転生する++  作者: 4ris4k4
~第一章~中年は異世界へいざゆかん
2/78

転生につきランディング準備

気が付いた。


随分と眠っていた気がするがするのだが、真っ暗で何も見えない。本当に黒だ。


この黒に思わず恐怖する。


音もしない、何も見えない


これほどの恐怖があるのだろうか、いやないだろう。


そんなもう少しで発狂しそうになった時に唐突に、人魂のような白い、だけれども温かみを感じる炎が現れた。


”なかみち しゅういち”


その炎は声ではない、直接脳に語り掛ける様に俺の前を呼んだ。


「ここは、どこなんだ?俺は、俺は死んだのか?」


”ここは、どこでもない。無、無の空間よ。貴方は、貴方たちの概念ではそう”死んだ”のよ”


「やっぱりか、、、まあ電車の前に飛び出たらそれは助からないか、、、、因みに俺は何で死んだんだ?」


”ギャンブル依存症の50代くらいの酔っぱらないが、思いっきり貴方に肩を当ててそのまま歩き去っていったわ”


「まじかよ、、、、俺そんなんで死んだの?救いが無いんですけど、、、、」


”ええ、そうね”


「ところで、すみません、いきなり聞いてしまって、、貴方はどちら様で?」


”私は貴方たちの概念でいうところの神様になるわ”


「そうでしたか、、、という事はここは審判の場になるのでしょうか?」


”何の審判かは分かりませんけれど、貴方をこれから転生させるわ”


「これが異世界転生というやつなのか、、、まさかの自分が」


”貴方をこれから私が管轄している星のもとで転生させます”


「あの、質問をしても宜しいでしょうか」


”ええ、答えられる範囲でなら”


「先ず1つ目、転生した際に私の今の記憶は残りますか?2つ目、何かスキルとか俺TUEEEEみたいなものを授けて貰えるのでしょうか?3つ目、神様のお顔を拝顔することはできるのでしょうか?」


”1つ目は私が残らせます。2つ目はごめんなさい、叶えてあげる事はできないわ。その代わりでもないのだけれども1つ目の記憶を引き継ぐことはするので何とか自分で頑張って。3つ目は、、、、、私の力が足りなくて顕現化することができないの、だから貴方に姿を見せることができないの。ごめんなさい”



「そうなんですね、、、あの神様の力が足りないというのは」


”私の管轄している星での信仰心が足りないからよ”


「なるほど、では信仰心を高めればお顔を拝顔できると」


”そうかもしれないわね、、、、”


そいう神様の声のトーンは少し落ちたことを感じた。


「あの、ここは暗闇なのですが、神様はまさかずっとこの空間にいる訳ではありませんよね?」


”いえ、私はずっとここにいます”


「え?、まさか他に空間はないのですか、ずっと無にいたのでしょうか?」


”いえ、遥か昔、私も神が集う場所にいたわ”


「では何故、この場所に?」


”さあ、どうしてでしょう。遥か昔のこと故、今となっては思い出せないわ”


そういう神様の声のトーンはとても悲しい感じがした。多分、聞いても教えてはくれないだろう。


「あの、もし俺はこれから転生したとして、再び神様の声を聞くことは叶うのでしょうか?」


”わからないわ、最初の頃はあの星の民とも会話ができていたの、しかしそれも年月を経るについて会話はできなくなり、星を眺めることもできなくなり、何も見えなくなり、何も聞こえることはなくなったは”


「そうなのですね、、、あの最後に、最後に転生する前に教えてください」


「俺を、俺の魂を救ってくださったのですか?」


”、、、、、、”


少しの沈黙が続く


”救ったと言って良いのかしら、貴方の魂がこの虚無の空間に漂っていたのを固着させたことを救ったと言って良いのでしたら確かに救った事になるかしら”


「そうでしたか、、、分かりました。俺の魂を救って頂きありがとうございました!」


”ええ、大丈夫よ、星についたら幸せになれるよう頑張って下さいね。貴方もなかなかこれまで苦労されたようですので、こちらでは幸せになれることを願っています”


「ありがとうございます!神様も息災で!神様に息災でというのもおかしいですが、、、ではよろしくお願い致します!」


”ええ、ではいってらっしゃい”


神はそういい、残り少ない己の力を振り絞り、彼を転生させた。


無限とも言えるこの虚無の空間で、ただただ己の消滅を待つしか無い身に、突如として現れた魂。


本当は一緒に居て貰いたかった。この空間に縛り付けたかった。もう一人は嫌!この空間はあまりにもあまりにも言葉では到底表現できない程に寂しすぎるのだ。無くなりたくとも無くなれない、この様な無限の空間で出会った魂


だからこそその魂にも自分と同じ思いをさせたくは無かった。


”まあ、でも彼に使った力のお陰で私の消滅までの時間も少なくなった様だし、よかったのよね、これで、、、、”


虚無の空間でその炎は誰に言うともなくそのように呟いた。


その神様、女神の名はエルティア


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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公が信者を増やし、信仰を広めることで彼/彼女を助けることができることを願っています。また、彼女が女神であることを願っています。
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