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冴えない中年営業マン、異世界へ転生する++  作者: 4ris4k4
~第一章~中年は異世界へいざゆかん
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今更なのだけど俺何歳?

ザッ、ザッ


俺は枝をナイフで切っている。


薄く長方形の板の形に先ず整える。


長さは10cm×18cm程度だ。


長方形が出来てから、今度は中心部分を中心に、


反りの形状に削る


「くそっ、やっぱり竹じゃないから難しいな。この反りも本当は火で炙って曲げたりするのだが」


そう一人で悪態をつきながら何度か失敗して、ようやく望?の形を手に入れる。


「やっとできた」


その板の真ん中に穴をあけて、細い棒を挿す。


「ふう、やっと完成だ」


それから試しに、細い棒を両手で挟んで思いっきり回転させて空に離す。


そうするとその物体は、回転しながら空を上っていき最後は落ちてきた。


「よし竹とんぼ、ならぬ木とんぼの完成だ!」


まあ、想像していたよりも大分飛ばないが、突貫で作ったものなのだから仕方が無い。


「お~い、クロエ。こっちにこい!」


そう、大声で妹を呼ぶと


「何お兄ちゃん、いきなり大声で呼んで?」


そう言いながら家の裏から出てきた。


「ああ、前に約束していたおもちゃだ」


「嘘ほんと!?作ってくれたの?」


「ああ、ほらこれだ」


「、、、、何これ?」


「これは木とんぼというんだ。ほらどう遊ぶか見せてやる」


そういってさっきと同じように両手で棒を挟んで思いっきり回転させながら空に離す。


「ええええ!?すごい!すごいよお兄ちゃん、空に飛んだよ!何これ?なんで飛ぶの!?」


「これはな揚力というのが働いてだな」


「ようりょく?」


「ああ、まあそんなこといってもわからんな。とにかく回せば飛ぶ」


「そうなんだ!凄い凄い!ねえ私にもやらせて!」


「ああ、お前のだ」


そういって渡す。


そうするとクロエはなんとか飛ばそうと最初の頃は失敗していたが、その内飛ぶようになりはしゃいでいる。


「お兄ちゃん、凄いよありがとう!」


満面の笑みに兄貴も面目躍如といったところか。


「ああ、喜んでくれてうれしいよ。」


「ところでクロエ」


「うん、なあに?」


「うむ、大分話が進んで今更感もあるのだが、俺は今何歳だ?」


「ええええええ???」


クロエはかなりびっくりしたようで木トンボを地面に落とす。


「ちょっと本当なの?お兄ちゃん?」


「ああ、今更ながら何歳なのか分からない」


「グスン、お兄ちゃん」


そういって項垂れる我が妹


「お兄ちゃんは11歳だよ!」


「そうか、俺は11歳なのか。クロエは?」


「クロエは8歳だよ」


「そうなんだな、覚えておく。じゃあアルバンとリディは何歳だ?」


「アル兄は12歳、リディちゃんは14歳だよ」


「そうか分かった」


「本当に今さらだよねお兄ちゃん!」


「ああ、すまんすまん」


そういってしばらく後ろからクロエが木トンボを遊ぶのを眺めていた。





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