帰り道にリディに会う
「ねえお兄ちゃん、内臓なんて何に使うの?」
「まあそれは内臓を手に入れてからのお楽しみだ。上手くいけば来週手に入るからその時に何に使うか見せてあげるよ」
「ほんと? 絶対だよ?」
「ああ」
そう言いながら目の前を見ると、ひとりの少女が歩いている。地面を向きながらだ。
あれは確か、隣の家のリディといったか。
「リディさん、おはようございます」
「え?あっ、エロワ君、おはよう。それからクロエちゃんもおはよう」
「おはよ、リディお姉ちゃん!」
考え事をしていたのか、直ぐにこちら側に気づかなかったようだ。ふと彼女を見るとところどころ汚れている。いや薄汚いのはこの村全体に言える事なのだが、どうにも床に倒れなきゃそこまで汚れないだろうと思うくらいの土埃がところどろこ衣服についていた。
しかも、ちょっと泣いていたのか目元が赤い。
「なにかあったの?」
「え!? 何も無いわよ?」
「そうか、気の所為ならば良いんだけど」
まあプライベートなことなのだから本人が話そうとしないことをいきなり聞いてもキモイ奴認定を受けるだけだからな。
「そう?じゃあ私はもう行くね」
そういって足早に俺たちから去っていく。
こんな狭い村にそんな急いでいくところなどあるのだろうか?いや、無いだろうから俺たちを避けたんだろうな。とは言っても何もわからんし、気にしない事だな。
そう考え、家に戻るのであった。