肉屋で内臓を確保する
「おうエロワとクロエじゃねえか」
「やあアルバン、お手伝い凄いね」
「おはようアル兄」
「お前がそんな事言うなんて気持ち悪いな」
「まあそんな事言わないでよ事実じゃないか」
「なんか、馬車に轢かれてからお前変わったな?」
「そうかな?自分じゃ何も感じないが?」
「そうか?」
単純なのか、アルバンはそれ以上考えることを放棄した様だ。
「ところで何で市場に来たんだ?なんか用事でもあったのか?」
「うん今日はちょっと調べ物でね。豚肉を売ってるんだ?」
「ああ、うちは主に豚を育ててるからな」
「因みに毎日売ってるの?」
「いや、基本は一週間に1回~2回だな」
「そうか、毎日じゃないんだな。因みに捨てる部分とかあったりする?」
「あんまりないな、量が少ないから値段が高い。だから無駄にはできん」
「キロでいくらくらいなの?」
「今はキロ銅貨141枚だな」
「それは、、、めちゃくちゃ高いね。。。」
「ああ、しかもこんな村じゃ殆どお祝い事があるときくらいしか買わんだろうな」
「でも昨日も売ってたよね?」
「ああ、豚自体は一週間で1頭だ。屠殺した当日は生で売るが売り切れなければ鍋にぶち込んで茹でて次の日も売る。」
「ええ、そしたら売れないと日ごとに悪くなるよね」
「ああ、だが当然その分安くもなる。3,4日目くらいになると大分安くなるから売れきれる」
「3,4日目って大分臭いんじゃないの?」
「ああ、だが鍋にぶち込んでワインやら玉ねぎやらで長時間に混めば分からなくなる」
「う~ん、なるほどね。でさ、さっきの質問になるんだけど。やっぱり何も残らない?」
「そうだな、最終的に残って捨てるのは大腸とか一部の内臓とかだな。あんまり食べたくはない部分だ」
「じゃあさ、その部分をさ、貰う事できる?」
「なんでだ?」
「うん、ちょっとね。上手くいったらアルバンにも良いことはあるよ」
「そうか?まあ、どうせ捨てる奴だからな。でも一応親にも聞いてみないと」
そういってアルバンは親のところにいってこの話をし、少し経ったらこっちに戻ってきた。
「親がエロワにだったら良いって」
「そうか、ありがとう。両親にもお礼言わないとな」
そういって忙しそうにしていたが、屋台の裏に回り挨拶をする。
「おばさん、おじさん、おはようございます。内臓の件、ありがとうございます。」
「あらエロワちゃん、良いのよ。いつもアルバンと遊んでくれてありがとうね」
「おうエロワ、変な事には使うなよガハハハ」
「アルバン!あんたもちったあエロワちゃんを見習いなさい!」
「ちえ!俺は俺だよ!」
「何言ってんだい!はあ、これからもバカ息子とよろしくね?」
「いえいえ、こちらこそ宜しくお願い致します。」
「で、エロワ内臓だが来週でいいか?今週はもう捨てちまってないんだ」
「ああ、来週からで良いよ。ありがとう。」
「で、今日は午後にどうだ?」
「良いね~じゃあ午後からあそぼっか!」
「おう、じゃあまたな~」
よしこれで内臓は確保できたぞ!