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√4 〜孤狼のゲーム〜  作者: 鷹出筑前
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条件探し


『ど、どういう事!?これ逃げるゲームなんじゃなかったの!?』


透がそう叫んで、神谷はあわあわとしていた。


『……確かに、あいつは逃げろって言ったはずなんだ。しかも、こんなだだっ広い会場だから、逃げれるスペースなんてさらにあるはず。しかもあいつは夕方がタイムリミットとも言っていた。……何か、何かが違うのかもしれない』


『……天利さん、とりあえず、どうしますか?』


『……』


明確なヒントなんてろくに提示されてない。さらに言えば恐らくあのクリア者は偶然クリアになったという可能性もある。たまたま“正解のルート”をたどって偶然クリアになった。そうなれば、一体何があるのか……


『……探すしかないか。たしか、西と南があったはずだよな』


『え、ええ。この先真っ直ぐ行けば……』


『ルート自体が不透明だから虱潰しだ。東館は今狼立ちで溢れかえってるはずだから危険。だから、南から確認して行く』


『分かった!神谷さん、行ける?』


『は、はい!』












南館


程なくして俺たちは南館の入口に着いた。


『あ、洋人、これ館内地図じゃない?』


透が指さしたのは、壁に提げられた妙に細かい館内地図だった。


『見せて』


そうして俺は、その館内地図をじっと見つめた。


『……あの、何してるんですか?天利さんは』


『あれ?洋人は記憶力が抜群に良くてね。1度見たものは忘れないの。だからかな?チェスが異様に強いのって』


『チェス?』


『そう。ありとあらゆるデータからパターンを探って当てはめてチェックメイト(たおす)。それが天利洋人なの』


『……凄いですね。彼は』


『……ええ。だから──』


『行くぞ!2人とも!』


俺に呼ばれて共に走り出していく。そして、館内を一から順繰りに見回していく。


『……』


その間も俺は、ウルの言葉になにか引っ掛かりがないかを思い返していた。


『洋人!なんも無い!』


『よし、次は西だ!』


だが、一向に糸口が見つからず、西館へ向かうために屋上へと飛び出した。すると、南と西を繋ぐ連絡橋に誰かがいた。


『ん?』


その男は細めの体で短髪赤髪で、怖い顔立ちをして橋に腰を乗せていた。


『……ん、お疲れさん。そっちに無かったか』


『だ、誰だよ』


『……さあ?俺は誰なんでしょうかな?』


『今ふざけてる場合じゃねぇだろ!』


『……不動だ。西にゴールなんかなかったろ。俺もさっき調べ終わったばっかだ。因みに、南館にもゴールなんかなかったぜ』


あっさりと名乗り、更にはそんな情報も渡してきたこの男。妙にあっけらかんとして怪しさ満点。俺は警戒心を強めた。


『……来るぞ』


『ん、何が?』


『洋人!あれ!!』


透が指さした先には、総勢20匹の狼の群れがのしのしとこちらに向かってきていた。


『くそ、あそこ通らないと次に行けない!』


『おい、戦闘経験あるやついるか?』


『あたし動けるよ。何かあるの?』


不動という男は笑みを浮かべて懐から拳銃を2丁、影で見えなかったが立てかけていた日本の刀のうち1本をこっちに明け渡した。


『な、銃刀法違反だろこれ!』


『今の日本に憲法もへったくれもねぇだろ。たまたま展示会があったからそっから調達した。ウルってやつは逃げろって言ってたが、戦うなとは言ってねぇ。現に俺はもう50匹は殺し終えてる』


なんて男だと、恐怖した。この男はこの状況下で反撃の意志を持つなんて、と。


『……洋人、大丈夫?』


『……天利さん……』


『……神谷さんは隠れてて。多分、一番危険なのは君だから』


『……死なないでください』


『分かってる。透、どっちがいい?』


『早く動けるなら拳銃がいい』


そう言って、俺は刀を、透は二丁拳銃を手に取って、狼に対峙する。


『さぁ、狼狩りか人間狩りか、はっきりさせてやる!』


1匹の遠吠えで、戦いが幕開けだ。




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