第2話 恩寵
「じゃあ女神に会う方法は?」
・・・・・・
ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「起きてから何も食べてないから腹へった、精霊、なんか出して」
「そんな食いものなど持ってない、精霊は腹が減らんからな。それと俺の名はプリトだ!」
精霊は腹が減らないのか・・・・と感心する正。
「じゃあどうすりゃいいんだよぉーー!」
「この世界ではお前がいた世界で食べていたような生物の他に魔物がおるが、ここらには魔物しかおらんそれも相当強力なものしかな、そんな魔物しかおらんからここは入ってしまったら終わりという意味を込めて“終わりの荒野“と呼ばれている」
「おいおいおいおい、まじかよぉー――――!
いや、待てよけど俺は転移者だから『恩寵』があるんじゃないか?異世界物のお約束としては転移者にはチート能力が与えられるわけだから実は余裕なんじゃないか?」
「それなんだがな・・・・・・」
自分に与えられたチート能力『恩寵』はどんな物なのかとワクワクしながらプリトを見る正。
「実は正には『恩寵』がない」
「・・・・・・え?」
「だから『恩寵』はない」
「いや、どういうことだよ!」
「実は『恩寵』というのは女神が魔力を使って作った俺ら精霊の力なんだがその精霊と転移者を契約させることで転移者に『恩寵』を与えている。つまり転移者に与えられる『恩寵』の力は俺ら精霊の力というわけだ」
「そして俺の『恩寵』は・・・・・・
発現しなかった」
「どういうことだよ!」
「これは初めてのことでな、女神様ですら驚いておられた。普通は魔力を消費することで水を使えたり、風を使えたり、火を使えたりするのだけれど・・・・
俺は魔力を使っても何も起こらなかった。つまり無能力だった」
あまりに衝撃的すぎるその言葉に正はしばらく口をひらけたまま静止していた。
「じゃあ俺はこの世界でどう生きろってんだよぉー――――!」
正はまた叫び声を上げた。
その後項垂れていた正だったが、もうこのままここにいても魔物の餌になるか餓死するだけだろうと思い、魔物を討伐しに行った。
そして歩くことたった2分。
正は初めての魔物に出会った。というより目があった。
“そいつ“を見た正は思った勝てるわけがない、俺はここで死ぬと。
それもそのはず目の前にいるのは高さ20mはあり、体は非常に硬そうな鱗に包まれており、鋭い爪、長い尻尾を持っていて、さらには電気まで纏っているのだ。
これを見てただの馬鹿でかいトカゲだと思うのは正には無理なことだった。
そう、それが明らかに“ドラゴン“だったからだ。
「正、やばいのに目をつけられたぞ!ドラゴンだ!ドラゴン!それも全体の1%にも満たないと言われる“上位竜“だ‼︎」
正には“上位竜“の希少性の凄さはわからなかったが1つだけわかったことがあった。
「死ぬ」
そうつぶやいた次の瞬間、正の体は強烈な光と轟音の中に消えていた。




