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<第五話>朝食会

 「おはようございます。警視庁捜査一課から参りました青野と純情です。」

 青野がインターホン越しに応答している。普段は名前で呼ぶようにしてもらっている姫子だが、初対面の望月氏には、当然苗字で紹介されてしまう。出来れば、朝食会の後には姫子と呼んでもらえるようにしたいものね…と姫子はいつもの小さな野望を持った。

 「おはよう。朝早くからすまなかったね。車は入って左の来客用のスペースに止めるように。玄関は、停めた脇の階段を登ったところだから。」望月氏がテキパキと指示をだしていた。


 そして車の通れるサイズの大きな門が、スウーっと音もなく開いた。


 玄関を入ると、そこで望月氏・娘の佳菜の二人が出迎えてくれた。


 「佳菜、今日から一週間、お前の警護をしてくれる刑事さんだ。青野さんに純情さん。」

 「刑事さん?本物の?」

 佳菜ちゃんが確認している。

 「そうだよ。わがまましてご迷惑をかけちゃいけないよ。」

 望月氏が優しく話していた。


 朝食会は、ダイニングで行われた。

 望月財閥会長の自宅は、大豪邸ではなく、品の良い邸宅という印象であった。六人がゆったり食事を出来る位の広さのテーブルの上には、綺麗に料理が並べられていた。

 姫子の予想通り食事は、お取り寄せされたものだった。メニューは和食。洋食を想像していた青野は料理を見た瞬間、少しだけ落ち込んでいたが、どれも良い味だったので幸せそうに食べていた。


 「イケメンの刑事さんだね。」

 佳菜ちゃんが青野に言っていた。青野は照れながら否定していた。

 「姫子さんも刑事さん?」

 次に佳菜ちゃんが私に聞いてきた。(自己紹介で純情姫子と名乗った時、姫子という名前が友達に多いから、名前で呼んでいいかと聞いてくれたので、快諾している。)


 子供でも疑問に思うのは、当然だろう。そう私姫子は、おばあちゃんなのだ。


 「佳菜、姫子さんは探偵さんだよ。今まで数々の事件を解決に導いた名探偵。パパも警視庁のお友達から話を聞いて、一度会ってみたいと思っていたんだよ。」と望月氏がきちんと訂正していた。

            (続く)





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