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第11話 そっちなんだぁ~

 運動後にお風呂に入って汗を流した後、私はエメリアと自室に戻り――エメリアの膝枕で柔らかな太ももを堪能していた。

 晩ご飯までのそう長くはない時間なんだけど、エメリアは律義にメイド服に着替えてからベッドに腰かけ、「さあどうぞ」と勧めてきた。


 疲れていたこともあって私は喜んで膝を貸してもらう。もちろん疲れてなくても喜んで貸してもらうけど。

 メイド服越しに伝わる弾力が脳に染み渡り、疲労がす~っと抜けていく。


 しかし、エメリアってば、ごくごく自然に私を膝に招いてくれたんですけど。

 もしかして記憶が無い間の私も毎日こんなことをして貰っていたのだろうか。羨ましすぎるんですけど。


 悔しいので頭をぐりぐり膝に押し当てると、風呂上りということもあり、石鹸とエメリアの香りが混じりあって鼻をくすぐる。

 なんていい香りさせてやがる。私はたまらず顔をお腹の方に向けて、鼻をスンスンと鳴らす。


「あっ……やっ……か、嗅がないでくださいっ……」

「え~だってこんないい香りをさせてるエメリアが悪いんでしょ?」


 抗議を無視して腰に抱き着き、存分に味合わせてもらうことにする。スンスンスンスンスンスン。

 あえて鼻が鳴る音が聞こえるくらいわざとらしく嗅いであげたけど、エメリアは困ったような、でもまんざらでもないような感じだった。

 「もうっ……甘えんぼですねぇ」とか言いながら、私の好きなようにさせてくれたし。


 晩ご飯前だというのにお腹が膨れてしまうほどエメリアの香りを堪能した後は、ごろりと顔を上に向け、今度は目でエメリアを堪能することにする。

 う~む、絶景絶景。天井がほとんど隠れてしまうほどの実に素晴らしい眺めだ。


「いやぁでもびっくりしましたねぇ、まさか先生方で結婚されているなんて」

「そうだねぇ」


 お胸越しに返事を返す。まるでお胸に話しかけてるみたいだ。

 そしてまたお胸から声が降ってくる。


「もう小さなお子さんもいて、そのお子さんに何を着せるかで大喧嘩したって、ほんと可愛い理由ですよね」

「そうねぇ」

「赤ちゃんかぁ~いいですねぇ……あ、でも……驚いたのはあれですね、テッサ先生の方がお子さんをお産みになったってことですね」


 私からすれば本当に女同士で子供が作れるという事実が一番の驚きだけどね。なんて素晴らしいんだ。

 野球チームが双方ベンチ入りメンバー含めて試合ができるくらい子供が欲しいな。さすがに多いか。


 それはそうと、何でそこがエメリアの驚きポイントなんだろう。


「ん……? そう?」

「ええ、だって、その……なんて言いますか、えっと……」


 なんか口ごもっている。

 この感じはあれだ、ピンクな感じのあれだ。短い付き合いだがピンときた。

 こういう時はつつくに限る。防御に回ると脆いエメリアはつついたほうがいいリアクションをするのだ。


「ん~? 何が驚いったって?」

「え、えっと……ほらアリーゼ先生っておとなしめな感じで、テッサ先生は快活な感じじゃないですか」

「うんそれで?」

「いや……その……そ、そっちなんだぁ~へぇ~って……」

「何が?」


 いやなんとなくわかったけどね。でも敢えてエメリアの口から聞きたい。


「い、いえ、ですから……あぅぅ……」

「教えてよ~」


 強制的に聞き出そうと、無防備にさらされている(わき)をくすぐる。それはもう容赦なく無慈悲にだ。


「ひゃああぁぁんっ!!!! ちょっ!! あっ!! わ、腋はっ……!! 腋は弱いんですっ!!」

「んん~~ここか? ここがええんのか? んん~~?」

「だっ、だめぇっ!! それ以上されたら……おかしくなっちゃうっ……!!」


 ゆっさゆっさと揺らしながら身もだえするエメリア。

 ほんと天然えっちなんだけどこの子。このままではおかしくなるのは私のほうだぞ。押し倒されたいのか。

 私の理性が勝つか、エメリアの天然が勝つかのせめぎ合いだったが……


「わっわかりましたっ……!! 言うっ! 言いますっ!! だから止めてください~~っ」


 なんとか理性が勝ったが危ないところだった。今後軽率にいたずらをするのは控えよう。今度は勝てるかわからんし。

 はぁはぁと荒い息をはくエメリアに、再び理性が屈しそうになるが何とか堪える。


「えっと……そ、その、す……る、方と、し……て貰う方、があるじゃないですか……? 大抵は、まぁ絶対じゃないんですけど……その、……て貰う方が産むことが多いので……」


 途切れ途切れになりながらもなんとか説明するエメリア。うむ、実にいい。

 しかしなるほど、そういうものなのか。つまりあの二人の関係は……ふむふむなるほど。

 まぁこの質問ぶっこんだのもルカなんだけどね。ルカ強すぎる。無敵か。

 

 それにしても人妻か~。ハーレムに加えた教師の中にもいたけど、あれはあれでとてもいいものだった。

 しかも百合人妻って。もう響きが堪らない。

 複数との結婚もありみたいだし、ここはあの2人も候補に加えておこう。


 でもそれより一番気になるのは……


「ふ~ん……ところでエメリアはどっち?」

「ふえっ!?」

「どっち?」

「えっと……わ、私は……」

「ねぇねぇ」


 指をワキワキとさせて威嚇する。

 腋を攻められるのは本当に弱いのか、観念した様子で、

 

「あ、……赤ちゃんが……欲しい……と……思ってますっ……」


 と、赤面して消え入りそうな声でなんとか絞り出す。

 ふむふむ。なるほど。


 そしてしばしの沈黙が訪れた……



「えっと、膝枕、続きいい?」

「は、はい、わかりました。どうぞ……」


 そしてベッドに腰かけなおしたエメリアの膝に頭を乗っけると――

 おもむろにメイド服のすそをちょいと摘まんで軽く引き上げた。


「きゃあっ!?」


 慌てて私の手を掴み、スカートを元に戻す。ほんの膝まで上げただけなんだけど。


「な、何をなさるんですかっ!?」

「いや、どうせなら生足で膝枕して欲しいな~って。制服の時はミニにしてくれたでしょ?」

「だ、だめですっ!! 私にとってメイド服は神聖なものですから!! まくるなんてとんでもありません!」


 なかなか職業意識が高い。う~む、だがそうなると何かいい手は……

 ……そう言えば。


「ミニスカメイドってあったよね……」

「え? 何か言いました?」


 こっちの世界の慎ましいメイド服もいいものだが、元の世界にはミニスカメイドなるものもあることを思い出したのだ。


 まぁあれは真のメイド服なのかと、メイド服原理主義者とミニスカ派は絶え間無い抗争を繰り広げているとか聞いたような聞かないような気もするが、私はあれはあれでいいよね派だ。

 しかもれっきとしたメイド服。あれなら生足でも文句はつけられまい。なにせそれで完成形なのだ。


 問題はどうやって調達するかだが……まぁそこは職人さんにデザインを渡して作ってもらうしかないだろう。

 どんな感じだったかな……私の趣味全開でいっか。


「ふふふ……楽しみねぇ」

「えっ? アンリエッタ? どうしたんですか? なんか嫌な予感がするんですけど」

「べっつに~?」


 現代知識はこういう使い方もあるのかとほくそ笑み、デザインを考えながらエメリアの膝を堪能し続けたのだった……


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