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第01話 おっきぃぃ!

「あっ……ぐっ……!?」


 私は手にしたグラスを落とし、並んだ料理をぶちまけながらテーブルに突っ伏す。

 喉が焼ける、胸が苦しくなる、視界が急速にぼやけていく、音もだんだん遠くなっていく――


「な……んで……」

「お姉さまが悪いんですよ……」


 妖艶(ようえん)な笑みを浮かべて女の子が見下ろしてくる。

 女学園の後輩で、背が小さくとても可愛いこの子は、私の複数いる恋人の一人だ。

 そんな彼女から食事に招かれたのだけど――


「私だけを愛してくれていると思ったのに……ずるい人ですね……」

「たす……け……」

「大丈夫ですよ。お姉さまを1人にはしませんので。すぐに私もいきますからね――」


 にっこりと笑ってグラスの中身を一気にあおる彼女、それが私の見た最期の光景だった……




「……て、起きてください!」

「はっ……!?」


 ゆさゆさと揺さぶられて唐突に目が覚める。

 生きている……?

 さっきのは夢だったの? でもあのあまりにもリアルな苦しみ、死の恐怖はとても夢だったとは思えない……


「まぁこんなに汗をおかきになって……」


 ハンカチで丁寧に額の汗を拭ってくれる。


「あ、ありがと……」


 そうお礼を言って女性を見ると、


「……誰?」


 ――見知らぬ女性だった。しかもメイド服で胸が大きい。

 年は私より少し下だろうか。とても可愛くてそして胸が大きい。

 でも誰?


「は? お嬢様、寝ぼけています?」


 お嬢様って誰? 私の家はそこそこ裕福だけど、お嬢様と呼ばれるほどでもないし、ましてやこんなメイドさんを雇った覚えも、そこまでの余裕もない。

 そもそも私は学園で寮生活をしているんだから、メイドさんなんていない。


「早く起きてくださいね。今日は学園への入学式ですよ? お仕度を整えませんと」

「入学式?」


 なんのこと……? 私は3年だし、そんなのとっくの昔に過ぎているんだけど。


「ほら急いでくださいっ。私が奥様に叱られてしまいますっ」


 メイドさんにグイと腕を引かれて、ベッドから引きずり出される。

 当たってる! 当たってる! 胸おっきいぃ!

 だが――


「……え?」


 胸も相当に大きかったけど、ベッドも大きすぎる。

 きらびやかな天蓋(てんがい)付きのベッドという、学園の寮にはあまりに不釣り合いな豪華さ。

 さらに部屋もとてつもなく広く、調度品の数々はよくわからないものの凄く高そうだということはわかる。

 ――ここは私の部屋じゃない。


「……ここ、どこ? 学園長の孫娘の部屋とかででも寝てた? まだあの子は落としてないはずよね」

「何をおっしゃってるんです? 学園はこれから入学するんですよ?」


 意味が分からない。やはり私はまだ夢を見ているのだろうか。

 それともやはりさっきのが現実でここは死後の世界なのか。


「ほら、御髪(おぐし)を整えますから、鏡の前に来てくださいね」


 混乱状態の私はメイドさんに引きずられて、これまた豪華な鏡台(きょうだい)に座らされ――私の混乱はそこで頂点に達する。



「……誰?」


 ――見知らぬ女の子が鏡の前に座っていた。

 金髪の巻き毛に緑の瞳、真珠のように透き通る肌。それに私のよりだいぶ大きな胸。

 年は私より2~3才は若いだろうか、どこからどう見ても私ではない。


 メイドさんに胸を押し当てられて髪をとかされているというヨダレが出そうな状況なのに、それを味わう余裕さえない混乱ぶりだ。


「えっ……何……何がどうなっているの……これは夢? それとも天国?」

「もう……寝ぼけてますねぇ」


 そしてされるがままに髪を整えられ、パジャマから着替えさせてもらった。

 ようやっと寝起きの頭からは冴えてきた感じがするけど、夢から覚める気配は一向にない。


「はい、できましたよ。今日も可愛らしいですね。お嬢様」


 ニコニコとするメイドさん。可愛いのはあなたなんだが。

 そんな彼女をベッドに連れ込みたい衝動をぐっとこらえ――


「ねぇ……ちょっと頬をつねってくれない?」

「え? こうですか?」


 ためらいなく私の頬をつねってくる。いたい。


「……夢じゃないのね」


 他にも可能性はあるけど、それらを消去法で消していくと――

 どうやら私はいわゆる生まれ変わりをしてしまったようだった――


お読みいただき、ありがとうございますっ!!

小説初挑戦になります……! 至らぬ点多々あると思いますが頑張ります!


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