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第5話 俺(私)の名前

第1章 はじまりのはぢまり?!

第5話 俺(私)の名前

-=-=-=-=-


―チュンチュン

鳥達のさえずりが聞こえ、窓からは優しく陽の光で目が覚めた。

何時の間にかふかふかのベットの上に寝かされていた。

どうやってここまで来たかは覚えてもいない。

『ひさしぶりにゆっくり寝た気がする』

のそりのそりとベットから這い出て起き、窓の外を眺めた。


眼下にはレンガやブロックで組み合わされて作られた家々、石畳でできた道が広がっていて、まるでヨーロッパの国々を思わせるような景色だった。ま、俺は行った事ないんだけど、そういう景色が広がっているというのは聞いた事がある。

家々の間を走る道には車なんて言うものは走ってはおらず、走っていても馬車で大抵の人は徒歩だ。

そして、街の中を行き交う人々の格好も毎日がオクトーバーフェスト?それともどこぞのテーマパークなのか??と思ってしまうような格好をしている。

昨日は人のいない所に投げ出されていたのと、魔法が使えて『ヒャッハー』状態で楽しみ過ぎた結果、大惨事を起こした挙句に信じたくないような現実を突きつけられてしまい、実感という実感がなかった。

いや、今でも信じたくないし信じられない事もあるにはあるんだが。


部屋の中には鏡があった。

そっと鏡を覗く。

そこには昨日みた少女が写っている。

本当にこれが俺なのか?と。

確認のために『ステータス』を唱えスターテスメニューをだし、鏡と表示されている写真を見比べる。

やはり同じ顔。

『夢であって欲しい、いや夢なんだ、夢じゃなきゃなんなんだ。』心の中で叫んでしまった。

夢ならば痛みを与えれば覚めるハズ―頬を常ってみても痛いだけ。頬を常った程度では変わらないのならと鏡に向かって頭をぶつけてみた。


ゴチン!!


鏡にぶつかった額が赤くなりヒリヒリする。

鏡にヒビは入っていないけど、額がぶつかったとこが額の油で薄っすらと汚れてしまっていた。

もうこれが現実と受け入れるしかないのかもな―そう思った。流石にこれ以上やったら流血の事態にになりそうだし。


イテテテ・・・


正直言えばちょっとやり過ぎたかも。

頭をポリポリと掻いた。オッサンの髪と違ってふわりと柔らかい髪の感覚が伝わってくる。

『女の子になってしまってる。』

そう実感させられた。実感させられたと共に『あの駄神め・・・。これが罰なのかよ?!』とついつい恨み節にもなった。


グゥ


腹の虫が鳴いた。

そういえば、昨日の夜から何も食べてないんだっけか。

食べる物なんて持ってないし、どうするかな。とベットに腰かけ考えているとドアをノックしてメイドが入ってきた。

「失礼します。お加減はどうですか?」

昨夜、あのような事故を起こしてしまっているのに怒られもせずに、逆に丁重に扱われてしまい困惑が隠せない。

それに下手にこの外見でぶっきらぼうに話すのも問題があるだろうし。

「い、いえ、本当にすいません。た、多分、大丈夫です。」

正直、怒られるのには慣れてはいるのだが、こういう扱いされた時にはどう対処したらいいのかわからない。

「朝食の準備ができておりますので、外でお待ちしておりますので、よろしければついてきてください。」

メイドはそういうと一例して部屋を出ていった。

呼びに来たメイドを待たせても悪いし、ここでこれからの事をウダウダ考えても変わらんだろうし、それよりなにより腹が減っていては考えもまとまらんので、ここは有難く朝食をいただくことにした。


◇◆◇◆◇◆


綺麗な白い布がかけられた大きなテーブルと造りの良い椅子が何脚も置かれた大きな部屋に連れておられ、案内されるままに椅子に座る。

一般家庭に生まれた俺にとっては正直縁遠い光景で居心地が悪い。

少し間をおいた頃に昨日ぶつかってしまった少年がやってきた。


かなり気まずい。


ぶつかった挙句、怪我させた上にクッション替わりに下敷きにしてしまったんだから。

俺が俯きどうしていいのかわからない顔をしていると少年が話しかけてきた。

「昨日は大変だったけど、大丈夫だった?」

『いやいや、俺を心配するよりも自分の心配をしなよ』とツッコミを入れたかったが、こちらはゲスト扱いされているのだからそれをやってしまったら礼儀知らずになってしまう。

「は、はい。大丈夫です。昨夜はご迷惑をおかけしたのに、すいません。」

「それなら、良かった。僕の方は大丈夫だし。執事のドレイクとメイド長のクレアが君に聞きたい事があるようなんだけど、食事の後でいいよね?」

この少年、見た目は12~3歳ぐらいのようだけど、話し方や身のこなし方をみていると年相応に思えない。

この屋敷もそうだし、もしかするといいとこの子なのかもしれない。

うわー詰んだ。詰んでしまった。食事の後に聞きたい事があるってそれ次第じゃ俺死亡確定って事なんじゃ?

頭の中で悪い事ばかりがぐるぐる巡る。

何時の間にか、テーブルには朝食が運ばれてきていた。


メニューは卵焼きにフランスパンのような固いパンとサラダ、そしてポタージュスープのようだ。

食器も白を基調とした陶磁器のようだし。異世界の食事というと何の肉かわからないものとかパンも黒くて固い物体だったりしてもおかしくないと思っていただけに拍子抜け。

ペヤン〇ソース焼きそば超超超大盛GIGAMAX2142kcal+菓子パンや〇郎のラーメン大ヤサイ・カラメマシ+アイス、藤の1kgチャーハンセット+スイーツなどデカ盛りを好んで食っていた俺にとっては身体に優しすぎて食べた気がしないメニューではある。

有難く朝食をいただく事にしたのだが、パンを半分、サラダも半分、スープも半分の量を口にしたところで胃が受け付けてくれない。

こっちに送り込まれる前の俺なら考えられない。なにせ、デカ盛りを10分もあれば余裕で食い切れただけに。

少女の身体になっている今、俺のプライドを保つためのステータスがこんな事で失われるとは。

『もうだめだ―おしまいだー』食事中ではあるが心の底から叫びたかった。


◇◆◇◆◇◆


食事が終わり、一息をつくと執事の男性『ドレイク』と白銀狐耳メイドの『クレア』が昨夜使ったのと同じ水晶と薄い液晶モニタを持ち反対側の席に腰をおろした。

「少々お時間をいただいてもよろしいですかな?」と執事の男性が切り出してきた。

「あ、はい、ご迷惑をおかけしたのはこちらですし。」

「では、坊ちゃんも今日は休みでいらっしゃいますし、いくつか質問をさせていただきたいかと。」

「わかりました。」

「昨夜は時間も遅かったのもありますし、混乱していたところもありましたから。まずはお名前をお伺いしてもよいですかな?」

「は、はい―」

な、名前だって?俺の転生前の名前でいいのだろうか?いや良くないだろ。見た目と違い過ぎる。ましてやこの世界で漢字の名前は使えるのだろうか。使えない可能性もある。どうすればいいんだ?

「思い出せませんか?やはり、記憶喪失なのかもしれませんね。ゆっくりでもいいので思い出してみてください。」

そうメイドに言われたのだが、ここで答えないのもどうかとも思う。とりあえず思いつく名前を―

「わ、私はレ、レミリア・・・」

思いついた名前、俺が好きな某弾幕シューティングゲーのキャラの名前。まあ今の見た目も似てるしいいかなーと。安直すぎるかもしれん気にしない。気にしてもいられない。


まだ、質問は続くのだろう。この程度で済むとは思えないしな。

お読みいただきありがとうございます。

変なとこで切れて申し訳ありません。とりあえず、この続きは次回って事で。

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