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第4話 俺が魔法少女?!

第1章 はじまりのはぢまり?!

第4話 俺が魔法少女?!

-=-=-=-=-


やってしまった。この世界に来たばかりだというのに。どう考えても大事故。

「あいたたた・・・」

魔力を無駄遣いし過ぎたのも原因なんだろうけど、身体が重い。なかなか思うように動かない。

やらかした事がやらかした事なのでどうも周りが騒がしい。

「坊ちゃん、物凄い音がしたのですが、大丈夫ですか?!」

執事と思われる中年の男性が部屋に駆け込んできた。

その後をぞろぞろとメイドと思われる人達も。


部屋に駆け込んできた執事やメイド達はあまりの惨状に驚いていた。

そりゃそうだよね。室内にあった調度品や家具、机の上にあった本などが散乱していて、テラスと反対側の壁には大きなヒビに突き刺さった箒。

壁の下には、少年の上に覆いかぶさるように倒れた俺がいたわけで。

「?!」

絶句する一同。俺だって同じ状況にいたらそうなる。


・・・何とも言えない空気が流れる中、メイドによって起き上がらせて貰えた。

「ごめんなさい!こんな事するつもりはなかったっす!」

もう何言ってんだ俺って感じ。逃げる事も出来ない状況だし、頭がパニック状態で回っていない。

「空を飛んでいたら、飛龍に追いかけられて。逃げ回っていたらこんな事に。」

取り繕うように頭を掻きながら話していると、俺の下敷きになっていた少年が救助され、メイドの一人に回復魔法をかけてもらって意識を取り戻したらしくキョトンとした顔で見つめられていたワケで。

俺は謝るしかなかった。だってあからさまにこの状況を作ったのは俺なんだし。

「ご、ごめん!酷い目に合わせてしまって、本当にゴメン!!」

焼き土下座するしかないって勢いで謝った。

あまりにも必死で謝ったもんだから、少年を驚かしてしまったようで。

「僕は大丈夫だよ。回復魔法もかけてもらえたし、このとおりね。それよりも君こそ大丈夫なの?」

「ああ、俺は大丈夫。このとおりね」

こう返すしかなかった。こう返して俺は腕まくりして仁王立ちして大丈夫アピールをするしかなかった。

「えっと・・・君、女の子なんだよね?・・・僕は男の子だし、怪我したりするのは普通の事だからね。それに君みたいな可愛い子を怪我させてしまったりしたら心が痛いし・・・。」

うん?なんか目の前の金髪でブロンド色の瞳をした目鼻立ちの整った少年に変な事を言われたような気がするんだが。

「えっ??女の子??何処にそんな子が???」

この時、俺の頭の中で「わけがわからないよ」って白い猫のような宇宙人の悪魔が頭の中で囁いたのは言うまでもなく―。


呆然としていると執事と白銀の髪と狐耳を持ったメイドが少年と何やら話している。

「・・・もしかすると記憶喪失なのかもしれませんな。」

「ええ、その可能性は否定できません。」

「僕とぶつかった時に僕を守るようにしてくれたみたいだし・・・。」

「一度、例の物で確認した方が良いかもしれませんな。」

「わかりました、準備します。」

話が終わると白銀狐耳メイドが部屋を出ていった。


記憶喪失??いや何を言っているんだろう??


そうこうしているうちに何やら水晶のような物と薄い液晶モニタのようなパネルを持って白銀狐耳メイドが戻ってきた。

「君、この水晶に手をかざしてくれないだろうか?」

執事に言われるままに手をかざす。液晶モニタを執事と白銀狐耳メイドは何やら険しい顔で見ている。

俺にはわからない情報が見えているらしく、その様子をキョトンとみていた俺に執事が自分で確認してみろと言わんばかりに「君、『ステータス』の魔法は使えるかい?使えるならそれで確認してみるといい。何か思い出すかもしれない。」と言った。

言われたとおりに『ステータス』の魔法を無詠唱でイメージして唱えた。


目の前に薄い液晶モニタのようなモノが現れ


(水色のロングの髪、水色の瞳を持った少女の顔写真)


NAME:???????

SEX:♀

AGE:11

種族:魔法少女

状態:(ハートマーク)・(クリスタルのようなマーク)・(水滴のようなマーク)


と表示された。


え?えええ?!

『なんじゃこりゃー!!』太陽に〇えろのジーパンの殉職シーンばりに魂の叫びが口から出そうになった。

俺、無事30歳を迎えた童貞のパーフェクト魔法使いのオッサンだったハズなんだが。

なんなんだよ、これ。

あの安崎と名乗っていた神―もう面倒だから駄神でいいや、あの駄神の仕業か?!俺への嫌がらせなのか?!


異世界でも大事故起こしたと思ったらなんなんだよ、この展開。もう思考回路はショート寸前なんですけど。

あまりの衝撃に俺は固まっていた。固まって無反応の状態でいたとこにトドメの一撃を食らってしまった。


一人のメイドが俺の前に鏡を持ってきていたのだった。

鏡に写っていたモノ―さっき『ステータス』の魔法で表示された少女の写真と同じ人物だったからだ。


この後、どうなったのかは覚えていない。あまりにも衝撃的過ぎて。


◇◆◇◆◇◆


少女が飛び込んできた部屋の片付けと後処理を一通り終えた執事と白銀狐耳メイドが近場の椅子に座り話をしていた。

「魔法少女ですか。まさか1000年前に滅びたと言われるジョブ持ちが現れるとは。」

「私もビックリしました。ステータス欄にはスピリチュアルゲージもありましたし、間違いはないかと。」

「今回の件を雇い主に報告し対応を早急に煽り方向性を決めないと。その為にも上手く報告しなければ。」

「そうですね。私の取り越し苦労でなければ良いのですが。厄介な―」

重い空気が流れる。どう考えてもこれから先に起きるであろう事は面倒なものばかりという事だ。

なにせ1000年前に滅んだという種族『魔法少女』―。その種族について記載された古文書は少なく、何故滅んだかすらわからない。

魔法少女について失われた情報を隠し持っている国や研究機関からしたら喉から手が出るほど欲しい存在であろう。

そのような存在が現れてしまったのだから。


何時までもこの重い空気のまま話を進めない訳にはいかず、頭を切り替え、報告内容をどうするかを決めた。

朝を迎える前に雇い主への報告を済ませ、一安心していた執事ではあったがその返答は『そちらに任せる。』という思った以上に投げやりで現場泣かせなものであったため、彼の負担と心労が増えたのは言うまでもなく。

『やはり、上は何らかの際にバレた場合の責任はとりたくないんだろうな』

執事は誰もいない室内で本音を漏らしてしまっていたのだった。

お読みいただきありがとうございます。

第4話を書くに辺り、頭の中でうまく文章がまとまらなくて現実逃避の夜出発・深夜になる前に帰ってこようなノリの弾丸プチ旅行(往復4時間)してしまいました。

お蔭で何とか書く事ができたかも。

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