第2話 うっせぇ目の前でいちゃつくなー!
第1章 はじまりのはぢまり?!
第2話 うっせぇ目の前でいちゃつくなー!
-=-=-=-=-
「〇〇(なんて言っているか聞き取れない)、あっちの世界で私と楽しいデートをするんじゃなかったの?!」
「うぅ・・・ごめん、ごめん。お願いだからウルウルとそんな目で見て責めんでくれぇ」
「可愛い服きて、腕組んでべったりくっついて楽しめると思ってたのに・・・」
「わ、悪かった、だからそう泣かないでくれー。俺の良心がぁぁ」
うん、なんかバカップルがいちゃついている声が聞こえる。
つーかうっせぇ。いちゃつくなら俺の前でやらんでくれ、つーかやるな。
薄っすらと戻りつつある意識の中、目を開けると、そこには安崎さんそっくりな男性が美少女というか美女に頭を下げ謝っている姿。
うん、なんか腹が立ってきた。
「うっせぇ!いちゃつくなら別のとこでやれ!!」
思わず怒鳴っちゃいましたよ。そりゃ怒鳴りたくもなりますよ。
なにせ俺が日課にして遊んでいるスマホゲー『ラブステージ』の推しキャラ『ひなこちゃん』としか思えない可愛い声で、ひなこちゃんにそっくりな人形と言いたくなるような整った顔をし、ベージュ色の美しい髪の色で髪の長さはひなこちゃんとは違い綺麗に腰まで伸びていて身長もひなこちゃんの設定と同じぐらいの女性と友達そっくりな男性がそんな事してるんだから。
そりゃあんな声と容姿で知っている奴にそっくりなのが甘えたりされたりしてりゃうらやまけしからんになってイライラしますがな。
「あ、起きたか。この神殺し。」
安崎さんそっくりな男性がそう言うと、さっきまでウルウルさせた目をしながら見上げるように言葉攻めしていた女性が目を澄まし、こちらをみていた。
「神殺しってなんだよ!つーかここは何処よ?俺死んだんじゃなかったんだっけか?」
「うん、死んだよ。しかも、俺巻き込んで。」
思わず何言ってんの?になった。神を巻き込んで死んだ?何それ食えるの?どこのくだらないネタなんだよ?
「なにそれ?質問の答えにもなってないじゃん」
「だからさ、お前の無謀運転が原因で山越えしている時にガードレールぶち破って谷底に落ちて2人とも死んだ。DEAD OR ALIVEで言えばDEAD。まさにボッシュート!」
「死んだのになんで生きているんだよ。わけわかんねぇよ!」
うん、いきなり起きてあんなん見せられたし、この状況だからイライラぶつけてもバチあたらんよね。たぶん。
「ま、そういう事だ。ちゅーかイライラしても意味ないぞ。」
「そんなこと言われてもなー。っていうか、本当に安崎さんなのか?」
「ああ、すまんかった。あの世界では安崎だな。正式な名前を教えてもわからんだろうし、あの世界では色々な呼び名で呼ばれてたしなー」
遠い目をしながらそう話す安崎さん。余計な疑問増やんでくれや。
「それと、隣にいる『ラブステージ』の『ひなこちゃん』に似た人は誰なんよ?」
「うん、ああ、俺の嫁さん」
その人を聞いた瞬間思わず唖然とした。呆気にとられてた。そしてさっきの話を聞いていた女性が話しかけてきた。
「初めまして。私が〇〇(よく聞き取れない)の妻の◇◇(よく聞き取れない)です。それとさっき言っていた『ラブステージ』ってスマホゲームのですか?あれの『ひなこちゃん』の中の人って実は私のあちらの世界での文体で―」
ちょっとまて、なんか聞き捨てならん事言ってるんだが。目の前にいるこの女性が『ひなこちゃん』の中の人ってことか?!
解せぬ、そして女性の隣に立つ男、あの世界のオタどもから恨みを買うがええわ。そんなドス黒い思いが込み上げてくる。
「あ、安崎さん、ちょっといい?お前の事殴ってもいい?殴り飛ばしてもいい?!」
「うーん、この空間じゃ俺や嫁に物理攻撃とか効かないんだけどなー。やりたければやってみれば?」
ぐはっ攻撃もできないなんて。この世界に神はいないのか?!
「あ~、それと言っとくけど、お前さんのいう神って俺や嫁さんもそこに該当するから。ま、そういう事だ。」
ニヤリとニヒル顔決めて言う神。その時悟ったさ『神は死んだ、居なかったんだ』だと。
そんな絶望に似た顔をしていたら、神様と思われる人?達の会話が聞こえてきた。
「・・・〇×△□で―」
「面白いでしょ。コレ。」
「ええ、本当に面白いですね。けど、あなたと私の楽しみを奪うのは許せないですぅ。」
「気持ちは分かるけど、これの処分どうする?」
「あなたはどうしたいんですぅ?」
「そうだな。なにせオモチャとしては面白すぎるだけに―して―したら面白いんじゃないかと。」
「それ楽しそうですねぇ(ハートマーク)それでいきましょう♪」
もしかして会話の雰囲気だとヤバ気?ヤバ過ぎてふいいき(なぜか変換できない)になってないか?!
ニヤニヤとこっちをみているし。怖いんですけど、超怖いんですけどー。
流れ変えないと大変な事になっちゃってアッーって展開とかあったら嫌なんですけど!!
場の雰囲気の重さに冷や汗を流していたら、何やら女神が魔法を展開し、俺にかけてきた。
うわー、これ以上の事おきたら本気でマズい。流れ変えるしかない。
流れを変えるならあのバカップルっぷりと女神があちらの世界ではひなこちゃんの中の人って事だから、旦那であるアレが絶対に隠していると思われる話を暴露すれば流れ変えられるかもしれん。
思い立ったら即実行。それ大切。
「あ、あのぉ・・・安崎さんの奥様・・・旦那さん、あちらの世界であのゲームを少しやっていたようなんですが、旦那さんの推しキャラなんだったかご存じで?」
魔法が俺を包んでいる状態で何とか声を出し話しかけた。
「いえ、知らないですぅ。『ひなこ』じゃないんですかぁ?」
「いや、あのゲームの理事長の娘のひなこちゃんじゃなくて、ひなこちゃんの同級生で弓道やっていた子いますよね。あの子・・・。しかも、あの子の前は3年生の先輩キャラで神社の巫女さんやってる子で。しかも、数十万単位で押しキャラのグッツに注込んでいましたよー。」
そう教えた瞬間、女神の旦那である神が焦った様子でこっちを睨んできた。
「そうなんですかぁ。あなた、詳しい事、あとで教えてくださいね。」
冷たくドス黒いオーラを放ちながら旦那を笑顔で見つめる女神。怖い、怖すぎるんですけど。その可愛い顔でそういうオーラ出すのは反則です。危険すぎます。
「だぁ・・・なんて事してくれたんだー。嫁さんごめん、ゲームはゲーム、嫁さんは嫁さんで俺は嫁さん一筋―」
うむ、してやったり成功だぜ。あんだけ可愛い嫁さんいるだけでも爆発しろなんだからこってり絞られろ。
目の前では今にも世界が消滅しそうな夫婦喧嘩が始まりそうな雰囲気。
パーフェクト魔法使いの俺の前であんだけ見せつけたんだからこれぐらいの展開は当然の報いだろ。
「なんてことをしてくれたんだよ。これから大変な事に―」
あの世界では安崎さんと名乗っていた神が嫁さんをなだめようと必死になりながらこっちをみていた。
「うん、お前は反省しろ!神殺しは重罪なんだから!!」
俺に向かって言うと、魔法を展開した。
展開した魔法が俺を包み込む。強烈な光に包まれあまりのまぶしさに俺は気を失ってしまった―。
お読みいただきありがとうございます。
まだどうやって使えばいいのか理解できない状態で書いています。
その為、急な修正などがあるかもしれません。