異世界暦をつくろう
せっかくこの世界の創造に携わるのだから、まずはこの世界の暦を制定しよう。
暦の名前はそのまま『異世界暦』と名付けることに相成った。
神様からもらったチート能力で、本当に神様にしてもらえるとはな…。
世界の歴史が始まったばかり、だからこの年は、異世界暦元年とすることを、まず決めた。
するとさっそく、神殿の男女から、祝福のメッセージが届いた。
創造神である自分が何かするたびに、集落の中心にある、この神殿の男女からメッセージが届くというルールらしい。
男「おめでとうございます。
異世界暦を制定し、さっそく今年は異世界暦元年となりましたね。」
女「異世界暦元年から始まるこの世界の歴史。
さあ、私たちとともに、この異世界の歴史をつくっていきましょう!」
異世界暦元年となったが、この他にもまだまだやるべきことが山ほどある。
念のため、この男女に、かつてこの地に存在した超古代文明、高度機械文明について聞いてみたが、それについては知らないという。
どうやら本当に、かつての超古代文明、高度機械文明の記憶は、完全に消え失せて、存在しないものになっているようだ。
そして次は、いよいよ魔物の巣を封印していかなければならないようだ。
魔物の巣がある限り、この地には際限なく魔物が出続ける。
魔物の巣を封印するには、まずは森を切り開いて更地を作り、そこに道を伸ばして人々を導き、そして魔物の巣のところまで道を伸ばしていって、最終的には人々が自ら、魔物の巣を封印することになる。
魔物の巣を封印すれば、そこの魔物たちはそれで全滅、全て集落の人間として新たに生まれ変わる。
異世界暦元年の元旦から始まり、そこから時間が動いていく。
「そういえば、この集落にはまだ名前もつけていなかったな。
そうだ!この集落には、ハルドリアと名付けよう!」
というわけで、勝手にハルドリアと名付けたわけだ。
さらに、神殿の男女には、男にはアダム、女にはイヴと名付けてやった。
男女とも、この名前を大変気に入ったようだ。
異世界暦元年の元旦から、新たなるハルドリアの歴史が始まる…。
そして、最初の魔物の巣を封印することに成功した。
ここまでは全て思い通りにいっているようだ…。
なお、『異世界暦をつくろう』というのは、ただ単に一番最初に制定したからそれで終わりというのではなく、これから長い長い歴史を作っていくことによって、時を刻んでいくことによって、これから先の異世界暦というものは作られていくのである。