表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ

 誰かに恋することは、幸せなことだろうか。

 誰かを愛することは、幸福足り得るだろうか。


 これらの問に対して、簡単に肯定できる者もいるだろう。

 何の迷いもなく。

 何の躊躇もなく。

 「はい」と答えられる人間もいるだろう。

 誰からも愛され。

 誰でも愛し。

 失恋などしたことの無い。

 そんな幸せな人間もいるだろう。


 だが、そんな“幸せな奴”ばかりでは無いはずだ。


 恋愛で不幸になった奴等はいる筈だ。

 ――彼女に振られた。

 ――彼氏に浮気された。

 ――好きな人が引っ越した。

 ――好きな人に好きな人がいた。

 そんな経験をしたことのある奴はいる筈だ。

 そんな―不幸な経験をした“不幸な奴”がいる筈だ。


 ―もちろん。

 恋愛の形。

 人の恋愛観。

 それらは十人十色、様々だ。

 恋愛など些末なことと考える人には、どんな不幸な恋愛も不幸足り得ない。

 恋愛に対して前向きな見方しかしない人には、破局であろうと死別であろうと不幸にはならない。

 更に言えば、幸せと不幸せの価値観も人それぞれだ。

 だから、決して一概に、私的な目線で“不幸”を決定できない。

 ――しかし、それでも一つだけ言えることがある。

 

 叶わない恋は「悲恋ひれん」である。


 無論、悲恋とは「悲しい結末の恋」である。

 故に、単に振られた。

 浮気された。

 会えなくなった。

 そんなものは「悲恋」とは言えないのかもしれない。


 ――しかし。


 どれだけ本人が気にしていなくとも。

 どれだけ当人が前向きに捉えていようと。


 それらの「恋愛」は――

 叶わなかった恋であり、報われなかった愛なのだ

 

 故に、これから小話こばなしをするにあたり。

 叶わぬ恋や報われぬ恋のことを――

 便宜上、「悲恋」と扱わせてもらおうと思う。


 つまり、これは――

 恋に夢見る少年少女達の、「悲恋」の物語集だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ