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89 邂逅
「三日尻君、この曲がったハンガーと床に落ちたフライパンはどうしたんす?」
「気にするな」
激闘を終え、アホ二人が帰った後に来た五月女は頭にハテナマークを浮かべる。
「そういえばもう十二月っすね」
「そーだな」
「三日尻君はクリスマス何か予定あるんす?」
「あるぞ」
「ぇ……」
「部屋でゴロゴロする予定がある」
「な、なんだ、っす。いやー、寂しい予定っすね~!」
ほっとけ。俺はクリスマスだからといって盛り上がる馬鹿な大学生とは違うんだよ。いつも通り寝て過ごすつもりだ。注意するとしたらコンビニやスーパーに行かないことかな。だってリア充がたくさんいるから。あれ悲しくなるんだよ。
「……あー、えー……ふぅー」
「んあ? どした?」
「ま、まぁ? そんな可哀想な三日尻君を思ってっすね、わ、わ、私が、その……一緒に……」
その時ドアが開く。入って来たのは、
「こんにちは。ふわふわキュートスターを取りに来ましたっ」
安土さんだった。俺の部屋に安土さん、そして五月女の二人が立つ。
「……え」
「ん?」
なんだろ……すごく嫌な予感がするんだけど……?




