87/150
87 ピザ
「お腹減った。ピザ頼もうよ」
「ポストに割引クーポン付きのチラシがあったはずだから玉木取ってきて」
「仕方ないなぁ、取ってきてあげよう」
お前が食べたいって言ったのだから当然だろ。やれやれ感を出すな、お前は昨今のラノベ主人公か。
「取ってきたよ」
「玉木は何が食べたい?」
「そうだねぇ、シーソードは外せないよね」
「シーフードな。ドレミみたいに言うな」
「シーフードも音階も外せない、なんてね」
イラッとするわぁ。別に上手くねーし。
「じゃあシーフードで決まりな。もう半分は何にする」
「お、もしかして陰と陽にするの?」
「陰と陽って何」
「陰と陽は陰と陽だよ。え、ミカジは何言ってるのさ」
お前が何言っている。なぜピザを注文する際に陰陽の思想を用いる必要があるんだ。
「だから陰と陽だって。ほら、こういうやつ」
玉木がチラシを指差す。そこにはシーフードとトマトソースのピザ。おいおい、まさか……
「陰と陽ってハーフ&ハーフのことか」
「そうだよー。やっと伝わった、やれやれ」
「やれやれ言うな。つーか分かるかっ。ハーフ&ハーフを陰と陽って呼ぶ奴初めて見たわ。そもそも陰と陽の形はハーフ&ハーフじゃねぇ」
「ミカジのツッコミよく分かんない」
「分からんのはお前の頭だよ!」




