76 チャーハン
「ミカジ、チャーハン食べたい」
「駅前に中華料理店オープンしたらしいぞ」
「ミカジチャーハン」
俺に作れと言っているのか。仕方ない、俺の腕前を披露してやる。
「まずフライパンをめちゃくちゃ熱して油を入れる」
「チャーハン食べたい!」
「卵とご飯をぶち込む」
「ミカジチャーハン食べたい!」
「とにかく混ぜまくる。俺はしゃもじを使っている。んで頃合い見て具材を投入、さらに混ぜていく」
「チャーハーンー!」
「オイスターソースと塩コショウをテキトーに入れてまた混ぜる。たまにフライパンを振る。すると気分が良い。フライパンだからやり過ぎるとこぼれてげんなりするから気をつけろよ」
「ノーチャーハン、ノーライフ!」
「味見はしない。混ぜるのに飽きたらお皿に盛って完成だ」
あっという間にチャーハンの出来上がり。もっと凝った作り方や上手なやり方があるのだろうが男の料理なんざこんなもので十分だ。
「ほら食べてみろ」
「ミカジ、パスタが食べたい」
「前にもこんなことあったぞおい!」
なんで完成してからオーダー変更するん!? しかもパスタって!
「パスタ食べたい! ミカジパスタ!」
「はぁ……待ってろ、まずは水を沸騰させてだな」
「湯豆腐食べたい!」
「俺はお前に拳を食らわせたいわ」




