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70 紹介

 土下座。垂水が土下座している。


「この前は悪かった……許してくれぇ」


 この前とは、垂水と玉木が五月女とはち合わせ時のことだ。垂水は自分を良く見せる為に俺の悪口を言いまくった。結果、五月女にめちゃくちゃ怒られた。


「もういいよ。あれに懲りたらもう二度とするなよ」


「あ、ありがとぉ……!」


「はいはい」


「それでな、五月女さんを紹介してくれ」


「……」


「やっぱ俺にはああいった可愛い子が似合うんだよなぁ。あのレベルなら付き合ってやってもいい」


 ……お前がモテない理由が改めてよ~く分かったよ。これだけ偉そうに語るくせに、いざ話すとなると何も出来ない有言不実行。おまけに数少ない友達を踏み台にしようとする。

 上から目線から失礼するが、俺や玉木が愛想尽かしたらお前一生ボッチだからな?


「よーし三日尻。五月女さんを呼べ」


「嫌だよ」


「五月女さんに垂水は最高に良い奴で素晴らしい人間だと伝えてくれ」


「もっと嫌だよ」


 なんで俺がそこまでしなくちゃいけないんだ。つーか垂水は評価の上げ方が露骨だ。もっと普通に会話をしていくうちに自分の人間性を出していけよ。その辺がホント垂水。マジ垂水。


「そうだ! 宅飲みしようぜ」


「宅飲み?」


「俺らと五月女さんで宅飲み。そんで五月女さんにすげー飲ませて酔ったところを……」


「お前もその辺のエロ目的男子と変わらんのな」


「宅飲みしようぜ~。そして襲おうぜ~」


「ふざけんな」


「そんなこと言って~、三日尻だって既に襲ったんだろ?」


「いや全然」


「……全然?」


「いや襲わないから」


「……マジで言ってる?」


 マジマジ。超マジ。頷いてみせると垂水が大きくため息を吐いた。


「あんな可愛い子が部屋に来て何もしないとか……ありえねーわー」


「口だけ野郎に言われたくねーよ。とりあえず垂水、お前しばらくウチに来るな」


「な、なんでだよ」


「ここのところ毎日来てる理由は分かる。五月女とはち合わせするの狙ってるだろ」


「な、なんのことかなー?」


 とぼけても無駄だ。毎日来ては玄関をチラチラ見る。やけに居座り続けて帰ろうとしない。理由は容易に想像つく。


「言っとくが無駄だぞ。お前がいる時は五月女には来るなと言ってある」


「なっ、せ、セコイぞ。なんで会わせてくれないんだ!?」


「喋れないくせに偉そうに文句言うな」


 お前が喋らないと五月女も気を遣う。はっきり言って面倒くさい。


「な、なんだよ喋ればいいのか? 三日尻の悪口ならいくらでも言うぞ!」


「よっしゃ、マジで絶交しようか」

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