7 揺れる
あー……眠たい。昨日の学科の飲み会でオールしたせいだな。
店飲み、カラオケ、宅飲みの朝までコースは定番だよね。場合によってはラウワンや麻雀を混ぜる場合もある。ウェーイ、だね。
ま、本当のウェイ系大学生ならもっと暴れている。この程度で寝込む俺は所詮非ウェイってことだ。
「ふぁあ……夕方まで寝るか」
午前七時。土曜日で助かった。今日はずっと寝て過ごそう。
「三日尻君おはよーっす!」
……五月女がやって来た。
朝の七時だぞ? 休日の七時に起きているとか、ちょっと引くんですけどー。
「ここはラジオ体操の会場ではありませんよ」
「ラジオ体操第一っす~!」
「都合の良い単語を聞き取って叫ぶのやめようぜ」
早朝からエネルギッシュな五月女。その場で屈伸やジャンプをする。ぐあぁ、暴れないで。振動が脳に響く。
「ほら三日尻君も体操するっす」
「無理。吐くよ?」
「弱音を吐く前にまずはチャレンジっすよ!」
「いや弱音じゃなくゲロだから」
「ラジオ体操第一、まずは口を大きく開いて指を突っ込む運動から~」
「いち、に、さおえっ!?」
つられて指を突っ込んでしまった。胃から込み上げてくる何かをなんとか抑え込む。
ま、マジで嘔吐するところだった。口の中に酸っぱい臭いが広がる。
「や、やめて。俺寝るから」
「む~、せっかく来たのに三日尻君がそっけないっす~」
毛布にくるまって寝る俺の傍らでは五月女が不服そうな顔で見下ろしていた。朝日を浴びた亜麻色の髪がキラキラと輝く。あぁ今の俺には眩し過ぎる。
「ほらジャンプするっす~」
俺が目を細めても五月女は気にせずピョンピョンと軽快に跳ねる。
だからやめろって。振動が脳に……ん? 待て。これは……ほほぉ。
「五月女、そのままジャンプ継続」
「へ? はあ、了解っす」
腑に落ちない表情を浮かべたが五月女はピョンピョンを続ける。
ピョンピョンと跳ねて、体が上下に動いて、アレがぽよんぽよんと揺れる。
「まだっすか?」
「まだ」
ぽよんぽよん、ぷるんぷるん、たぷんたぷん……うーん、どれがしっくりくるかなぁ。
「三日尻君は急にどうしたんす?」
「揺れてるなぁ。さすがでぃー」
「でぃー? ……はっ!?」
何かに気づいた五月女がジャンプを止める。
そしてものすっごい怖い目で俺を睨んで……あ、バレました?
「三日尻君、覚悟するっすよ」
ラジオ体操第一!と言って五月女は屈伸する。反動をつけ、先程とは比べものにならない跳躍を見せ、
「大きく飛び上がってフライングプレスする運動~、っす!」
大ジャンプして俺に迫ってくるまでの間、さっき以上に揺れて暴れるたわわな双丘を見て、あぁこれはぶるんぶるんだなぁと思った。
「ぐぼぉ!?」
フライングプレスを喰らい、俺は弱音共々全てを吐き出した。




