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60 テレビゲーム2

 コントローラーを持つ俺の目は闘志で燃えている。大学受験以来の本気モードだ。俺普段どんだけ本気出してねーの?


「いつかのリベンジを果たさせてもらおう」


「ふっふー、上等っす」


 俺の隣に座る五月女もコントローラーを持って構えている。ボタンを押して、いざキックオフ!


「この、この……っ」


「シュートっす~!」


『GOAL!』


「くっ、まだ……!」


「シュートっす~!」


『GOAL!』


「……」


「シュートっす~!」


『GOAL!』


「ちょやめない?」


 ゲーム開始から数分でハットトリックを決めた五月女に勝てるわけないと判断。なんだこいつサッカーゲームも強い……。


「え~、『99-0』にしたいっすよ~」


「ファミスタ気分かよ……ほ、他のゲームやろうぜ!」


 ソフトを変えてリベンジマッチ第二戦目。俺の操作キャラは電気鼠、五月女は配管工おじさん。


「いけっ、倒せ!」


「ちょちょいのちょいっす~」


『ピカァ~!』


「ま、まだだ」


「ぃやっふーっす」


『ピカァ~!』


「……」


「おーきーどーきーっすー」


『ピカァGAME SET』


「やめようか」


「自分少しダメージ食らったっす。パーフェクトで勝ちたかったっす」


 なんだこいつ大乱闘も上手いんだけど。密かに一人で練習してきた俺の心がどんどん折られていく。俺の本気モード全く意味ねぇ。


「次はこれで勝負だ」


「自分はケンを使うっす!」


「俺はダルシムで」


 ま、まだ諦めるな。このゲームだって特訓した。ヨガファイアのコマンドをマスターした俺に、隙は、ない!


『KEN WINS』


「……」


『KEN WINS』


「やったっすーパーフェクトっすー」


「……」


 俺はリベンジを果たせず、それどころかさらなる傷を負ってしまった。

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