41 後期スタート
九月が終わり十月になった。長かった夏休みも遂に終わり、後期の授業がスタートする。
「戻りた~い」
「戻りた~い」
「「あの頃の日々に戻りたい」」
垂水と玉木、二人して目が死んでいる。あったかハイムのリズムで歌う二人からひしひしと伝わってくる、学校始まるなオーラ。
「お前らなぁ、いい加減現実を受け入れろ」
「「うるさい」」
先ほどから見事なシンクロを見せる垂水&玉木。今は二人して机の引き出しに頭を突っ込んだり、二人して洗濯機に入り込もうとしている。過去にタイムスリップしたいのは分かるがせめて一人ずつ入れよ。
「駄目だタイムスリップできねぇ……」
「ミカジ、お茶もらうね」
「おい玉木勝手に切り替えるな。俺を置いていかないで」
玉木の方が先に現実を見据えたらしい。お茶をガブガブ飲みながら鞄から履修の本を取り出す。俺から言えるのは一つだけ、お茶飲みすぎだ馬鹿野郎。
「垂水、この授業って難しい?」
「これは出席さえすれば点数もらえるから狙い目だな。問題はこっちのやつ。内容が難しいくせに授業評価はテストの一発勝負だ」
「うわぁ僕と相性悪いやつだそれ」
「でもな、受講者が多いから必然と可愛い子も増えるんだっ」
「うほぉ僕と相性抜群のやつだそれ」
玉木の相談に垂水が乗ってあげている。学部学科が一緒だからどの授業が単位取りやすいか垂水は知っているのだ。良かったな玉木、持つべきは先輩だ。同級生みたいにタメ語で話しているが。
「垂水ありがとう。僕頑張ってみるよ」
「おう! ……ところで三日尻、俺の履修登録手伝ってくんね?」
「はいはい」
「ありがどぉ……!」
手伝うからその汚い鼻水を拭け。あと玉木、安心したからってお茶をガブガブ飲むな!
うし、後期も頑張っていきますか。




