39 来年
九月。まだ夏休みなうだ。最高だね。今頃、小中高生は学校なうなのかなー、ぶははっ。
「三日尻君顔がキモイっす」
「だったら帰れ。嫌なら見るな」
「どこのテレビ局っすか」
大学生に与えられし長期休み。それなのに俺と五月女は部屋でゴロゴロしている。意識高い奴らは海外旅行に行ったり公務員講座を受けているんだろうな。
「もうすぐ休み終わるっすね」
「結局俺らは部屋でグータラばっかりだったな」
「そんなことないっす。結構遊び行ってるっすよ」
えー、そんなに遊んだか。じゃあ色々と思い出してみようとなり、俺と五月女はそれぞれの携帯を取り出して写真フォルダを見る。
「まずはフェスに行ったっす」
「行ったな」
「暑い日差しの中で飲んだビールは最高だったっす!」
野外フェスで飲むビールはいつもの八兆倍美味いと誰か言っていたがその気持ちが分かった。素晴らしかったよ。
「で、水族館行ったっす」
「カップルばかりで気まずかったよな~」
「そ、そうっすね……」
館内がリア充で溢れていた。俺らもそのうちの一組に見られているのかなー、と言ったら五月女が暴れて大変でした。はいはい俺ら付き合ってないのに変なこと言ってごめんなさいね。
「つ、次っす! 美味しいラーメンを食べにドライブしたっす」
「美味かったなー」
「日帰りだったけど温泉にも行ったっす」
「昼間の露天風呂は絶景だったわー」
「花火大会も絶景だったっす」
「あれ何万発だったんだろうな」
などと写真を見ながら思い出を振り返っていき、あれなんか結構遊んでね?と思った。
「ほら、自分ら結構外出してるっす」
「本当だな。なんかいつも部屋にいる描写ばかりだから」
「描写?」
「ん、描写? 俺は何を言ってるんだろ?」
ともかく俺達が意外とアウトドアにも精通していたことは分かった。そりゃ本当のリア充ウェイウェイ達に比べたらしょぼいかもしれないが個人的には十分に遊んだ。
ただ、一つ心残りがあるとすれば、
「海に行けなかったのがなぁ……」
「まーた言ってるっす」
「ぐぬ~」
「じ、自分が水着見せたでしょ、っす」
うんあれは最高でした。夏休み中でトップクラスに良い思い出。そういや写真撮ってなかった……! あれは保存したい。
「もう一回着てください」
「い、嫌っす」
「頼む!」
「嫌っす!」
「じゃあ来年!」
「ふぇ?」
「来年こそは海に行こうぜ。来年も遊べるか分からんけども」
三年生になったらゼミ配属とかあるのかな。是非とも楽なゼミに入りたいものだ。ブラック研究室だけはNGで。
まぁきっと少しは休みもらえるでしょ。だから、
「来年も俺と遊んでくれない?」
「う……み、三日尻君はたまにズルイっす。そんな嬉しいこと言われたら……っ」
「五月女?」
「なんでもないっす! うん、来年の夏も遊ぼうっす~!」
「絶対だからな。絶対に海かプール行こうな!」
「……やっぱサイテーっす」




