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29 実家2

「本日のゲストは玉木麦平さんで~す! あぁ、どうもどうも玉木です。パチパチ~!」


 扉が開いて玉木が入ってきた。トークショーの司会役とゲスト役の二つだけではなく、パチパチと拍手して観客役もやる細かい気配り。いや、そもそも来んなよお前。ゲストお呼びじゃないから。


「本日は三日尻光一さんが地元に帰ってきたスペシャルということでね、三日尻光一さんと昔から親交のある玉木麦平さんにお越しいただきました! 久しぶりだねミカジ。パチパチ~!」


「昨日ぶりだけどな」


「本日のトークは、お二人の高校時代を振り返っていただきましょうか!」


勝手に話進めんな。俺は毎度のごとく玉木に向けて、もう帰れやオーラを放って睨むが玉木に通じたことは一度もない。大人しく玉木に付き合ってやるか。


「そうですね~、玉木とは高校生の時に出会ったんですよ」


「だね。あれは、ミカジが授業中に脱糞した時です。クラスの誰もが避ける中、僕だけがミカジに話しかけて」


「ちょいちょい? 俺が、脱糞? した覚えねーよ!」


 いくらなんでも高校生でうんこ漏らすわけがないだろ。大体そんなことしたら俺は今ここにいない。自ら死を選ぶわ!


「うんこ臭が漂う中、僕は気にせずミカジの元へ。そして優しくそっとファブリーズを」


「消臭しようとしてるじゃん! 明らかな仕打ちだよなそれ。気にせずって、いや超気にしてるだろうが!」


「それから僕とうんこファブリーズ三日尻は親友になりました」


「変なあだ名つけたくせに何が親友だよ! うんことファブリーズって相反するものが同居してるじゃねーか!」


「それでは一旦CMです! パチパチ~!」


 CMに入ったので俺は玉木の胸ぐらを掴む。この野郎、全くのデタラメ言いやがって……!


「ご、ごめんよミカジ。初めてのテレビ出演で緊張しちゃってさ」


「そのトークショー風のノリもやめろ。パチパチ~、とかウザイから!」


「はいCM明けま~す!」


「CM終わるの早いなっ、提供もっと頑張れよ!」

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