22 もうすぐ夏休み
テスト期間になると図書館の来訪者は急激に増える。自習スペースは埋まって夕方頃に行ったところで席は空いていない。
「まっ、自分は図書館使わないっすけどね~」
「その代わりに俺の部屋を使いまくりだけどな」
五月女乙葉。ここ最近は毎日のように来ては自由気ままに過ごしている。勝手に冷房をつけたりアイスを食べたりと、俺の家をネカフェ扱いしないでほしい。
そんな思いで見つめるが向かい側の女子は気づかず、プリントに視線を落として口をへの字にしてうんうん唸っている。
「三日尻君はテスト何個あるんすか?」
「テストは八個だな。レポートは四個」
「自分はテスト五つでレポートが多いっす~。レポート多すぎっす」
「テストよりはマシだろ。一日にテストが三つ連続の俺の詰み具合舐めんな」
教授同士で話し合ってテストの日をズラせよ。こんなの絶対無理だ。テス勉が終わらねぇ。
「まぁまぁ、テスト終わったら夏休みっすよ」
「それだけが希望だよな」
大学の長期休みはマジですごい。大学は人生の夏休みと言われているが、その理由の一つとして長い休暇があると思う。約二ヶ月の休み、それが夏と春の二回もあるのだ。おいおい最高かよ。
「夏休みは遊ぶっすよ~」
「具体的に何をして遊ぶんだ?」
「えーと宅飲みして、店飲みして、飲み会しましょう!」
「飲みばかりじゃないかウェイ」
おっと思わず語尾がウェイってしまった。恥ずかしいぜ。
「貴重な長期休みだぞ。旅行に行くとか海行ってバーベキューや花火やら、もっと何かあるだろ?」
「それもやぶさかではない。っす」
「なんでちょっと偉そうなんだよ」




