21 テスト
「うひひぃ、お尻ぷりぷり~」
ズボンを脱いでタモさん倶楽部よろしくケツを振る高校時代からの友達を前にし、俺は高校時代の他の友達になんて報告しようか悩む。
玉木君、いよいよ救いようがないアホになったのかな?
「ミカジもお尻出そうよ~」
「今年一のハイテンションの時でも嫌だ」
「なんでさ~。三日尻光一(みかじりこういち)、お尻を出したら一番光るって意味を持つミカジに最も似合うアクションだと思うよ」
お尻を出した子一等賞ってか? それでイジられて泣いた小学生時代の思い出が蘇る。
というか俺のフルネームここで登場? なんか嫌なんだけど!?
「で? どうして玉木はケツ出して踊っているんだ」
「あははー、愉快だからー」
「何かあったのか」
「あははー……テスト、終わった」
楽しげなケツ振りダンスが止まり、打って変わって聞こえてくる沈んだ声。
玉木のしょぼくれた顔は真っ青。唇が小刻みに震えている。そして尻は露出したまま。
「全然解けなかった。必修なのに。僕は留年するかもしれない」
いつものふざけたマイペースな雰囲気はなく、深い悲しみに包まれていく。とても可哀想だ。
お尻が丸出しでなければそう思えたかもな。
「浪人して留年するとか、お前は親不孝のクソ息子だな」
「なんだとぉ! それが落ち込む友達にかける言葉かぁ!」
「こっちを向くな玉木。お前の金玉木を見たくない」
ぶらんぶらん、と左右に揺れる玉木の金玉木。他人の家で下半身露出している奴を励ますつもりはねーよ。
「ああ単位が……僕はどうすればいいんだ」
「とりあえずズボン穿けば?」
「一年生で留年なんて恥ずかしいよぉ」
両手で顔を覆って泣く暇があったら股間を隠せ。まずは恥部を露出していることを恥ずかしがれよ。
「必修科目なんだろ? 教授に直談判すれば追試を受けさせてもらえるかもな。まだ可能性はあるぞ」
「なるほど! じゃあ教授にお尻ぷりぷりしてくるよ!」
「自らその可能性を潰すつもりかよ!」




