17 アイス
「俗世のカップル達がどんな風にアイスを食べるか知っているか」
ソーダアイスを舐める垂水は物憂げに問いかけてくる。
「知らん。つか勝手にアイス食うなよ」
「カップルは互いのアイスを食べ合うのだ」
俺の言葉は無視して垂水は立ち上がると口をアヒル口にして内股でくねくねと動きだす。
「『あ、そっちのチョコミントも美味しいそうだねっ。一口ちょうだい~』『おういいぞ。じゃあ俺もショコラミントもらうな~』と、こんなことをやっている!」
一人二役の説明どうも。ミント味が被っているぞとツッコミ入れたいのは我慢しておく。
「なんと羨ましい。互いに相手のアイスをペロペロと舐める。けしからん、けしからんぞぉ!」
「お前が言うとよりキモイな」
「そこで思った。俺もアイスの舐め合いをしてみたいと」
垂水は俺に向けてアイスを突きつける。おい、嫌な予感がするぞ。
「それをどうしろと」
「舐めろ」
「ぜってー嫌だわ!」
「三日尻頼む。お前の練習にもなるし悪くない話だろ」
友達間で自然な流れで一口もらうならまだしも、そんな前置きの後にお前の食べかけのアイスを舐めるとか吐き気がするわ。おばあちゃんがくれる謎の不味い飴を舐めるぐらい嫌だ。あれどこで買ってくるんだよババァ。
「断固拒否だ。舐めたくない」
「分かった、バニラミント味買ってくるから」
「味の問題じゃないしミント系好きだなお前!」




