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強行なクラスメイト
「千羽君、一緒に食べない?」
昼休み、蓮は逃げそびれていた。
「あー…彼女と食べる約束してるから」
嘘だが、そう言って教室から出ようとする。
柚は一瞬黙ると、笑顔になる。
「私も一緒していい?まだ友達できなくて」
柚は言うと、立ち上がる。
友達が居ないのは本当だ。
柚の行動は、女子にとって不快なものだから。
「断ってるんだけど?」
だが、それでも柚は引き下がらなかった。
「私も会いたいな、巴に」
「…?高梨?」
「さあ、行きましょう!」
柚は言うと、無理矢理蓮と腕を組んだ。
「ちょっと待って!了解取るから」
蓮は慌ててスマホを手にする。
ラインで許可を取ると、あっさりOKが出た。
「来るのはいいけど、引っ付くなよ」
「わかってるって!」
そう言いながら柚は、蓮の腕を再び無理矢理組んだ。
「だからそれをやめろって…」
「いいじゃない!」
柚はそう笑顔で言ったのだ。
そして、屋上へと向かったのだった。