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2学期の転校生

新学期が始まると、全校で数人転入生が来る。

柚もそんな中の一人だった。

「高梨柚です。よろしくお願いします」

顔を上げて、ニコリと笑う。

その笑顔に、クラスの男子はテンションが上がる。

「高梨さん、一番後ろの席が君の席だ」

一つだけある席を指す。

「千羽、高梨の世話を頼んだぞ」

偶然隣の席なばかりに指名されてしまった。

「よろしくね」

柚が笑顔で言うと、蓮も笑顔でよろしくと返した。

「あいついいよな、転校生の隣とか超うらやましいし」

「彼女も美人だしな」

遠巻きにクラスメイト達は話す。

「千羽君、案内頼める?」

放課後、柚は蓮に言う。

だが、蓮は乗り気ではなかった。

「…あー、山内!」

帰ろうとしたクラスメイトの一人を呼ぶ。

「俺、部活あるから山内と行ってよ」

そう言って山内を差し出す。

山内はイケメンでは無い。それに、もう一つ理由があった。

「先生は千羽君に頼んでたよね」

山内を無視し、柚は笑顔で蓮に言う。

「俺である必要は無いと思うけど?」

「私は千羽君がいいの。駄目?」

「あー、彼女が居るから嫌なんだけど」

それに、柚がなんとなく好きでは無かった。

「知ってるよ。でも、それくらいいいんじゃないの?」

「だから、代わりを頼んだろう?」

「嫌なら、俺帰るわ」

そう言って山内は逃げる様に教室から出ていった。

蓮にこだわる理由、それは巴の彼氏だからだった。

噂なんて、聞き耳を立てればすぐ入る。

それが隣の席の男子が巴の彼氏であれば尚更だ。

羨むクラスメイト達はすぐに千羽蓮が巴の彼氏だと噂した。

「わかったよ。やるよ」

蓮は諦めて言った。


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